組織の概要
『人造人間キカイダー』に登場した悪の組織。しかし、構成員の大半はロボットなため、ほとんどプロフェッサー・ギルの個人経営である。もちろん、ギルに仕える人間の部下もいる(ハカイダー三人衆の元になった科学者たち、4話でブルーバッファローから逃げていた女性エンジニアや8話で血液採取をしていた女医など)。
「死の商人」とも呼ばれ、強力なロボットを紛争地域に売って利益をあげている。曰く、「一つの国にロボットを売れば、対戦国もロボットを買わなければならなくなる」。利益の為に紛争地域を更に激戦化させようと言うのだから、なんとも恐ろしい商売だ。
もっとも、せっかく50万ドル(1億8千万円)の値がついたブルーバッファローを、キカイダーと戦わせて挙句鉄屑にされていた。何を考えていたのか。
商売で資金を貯め、最終的には世界征服を目指す。
ジャイアントデビルを完成させてから世界征服を目指しても遅くなかったと思われるが、基本的には等身大のロボットをチマチマ小出しにしていた(ジャイアントデビルや悪魔回路完成までの資金調達か?)。おまけに深刻な資金不足に陥っていたようで、他の番組の悪の組織と比較しても物品や資金を暴力的手段で強奪していた回数が多い(作品後半でクワガタブルーが5000億円もの現金を銀行破りで荒稼ぎし「これでダークが金に困ることは無い」とギルが嘆息していたが)。
そのせいか強力なアンドロイドが結集したことなどほとんどなく、毎度の様にダークロボットは「オレ様はダーク最強のアンドロイドだ!!!」などと虚勢を張っていた。
「急いては事をし損じる」といういい見本ですね。
本来この手の悪の組織は「闇にまぎれてテロ行為を行う」と言った印象が強く(ダークも実際そうなのだが)、目撃者が公権力やマスコミに訴えても「ふざけるのも大概にしろ!」などと一蹴するのがお約束だが、ダークは番組が始まってからたったの7話でマスコミや警察にその名が知れ渡っており、政治家や子供たちまでその存在を恐れていた。
しかしその後も全く悪びれる様子は無く、
- 山間の村の住民を皆殺しにして跡地を占拠(9話)
- 毒ガスの無差別散布による数千人もの健康侵害(17話)
- 原子力エネルギー強奪のために護衛の警官数十名を皆殺し(18話)
- 7万人の市民を洗脳し暴走させる(27話)
- 銀行破りで合計5000億円の強奪(36話)
など悪行の限りを尽くした。毎週のように死者が出ているわけで、総犠牲者は(暴徒を除いても)1万人以上はいるかと思われる。
漫画版ではやはりコソコソ闇に隠れて商売をしており、『人造人間キカイダーTheNovel』ではスマートブレインやネロス帝国同様大企業として、『キカイダーREBOOT』では仮面ライダーG本編以前のシェードのように日本政府が立ち上げたプロジェクトとして表向きは災害救助等の平和利用目的に利用するアンドロイドを開発する組織を装って活動していた。
メンバー
プロフェッサー・ギル
世界征服を企むマッドサイエンティスト。いつも着物のような服を着ている。赤地雷ガマと白骨ムササビはキカイダーと対等以上の性能を持っており、ジャイアントデビルはキカイダー兄弟が二人掛かりで何とか倒せたロボットであったことから、ロボット工学においては天才的な技術を誇る事が分かる。白骨ムササビ等は光明寺博士の設計をベースにしたのかもしれないが、ジャイアントデビルについては見た目もコンセプトも大きく異なるため、純粋なギル設計だと思われる。
ハカイダー
キカイダー打倒のために光明寺博士をマインドコントロールして造った(その時点では)ダーク最強のサイボーグロボット。卑怯なやり方を好むダークの組織には、最後までなじめずにいた。詳細は該当記事を参照のこと。
ダークロボット
高性能の火力を搭載した自立駆動兵器。元々は光明寺博士が生態系保全のために作っていたロボットを、ギルが改造して兵器化したという設定(これが一期の破壊部隊であり、二期以降は光明寺を騙して作らせたダイダイカタツムリ以外ほとんどギルのオリジナル)。
所々でギルが持つ超音波笛の音を聞いて作戦を遂行したり、パワーアップしたりする。
動物がモチーフのロボットで、基本的なネーミングは「動物名+色」である。
装甲は厚く、携行火器程度ではびくともせず、火炎放射や電撃も全く通用しない。
12話のピンクタイガーまでが一期で、その3倍の力を持つ13話のギンガメ以降が二期である。
ロボットだが、動物型ということもあってか、怪獣然としたものが多く、作中のマスコミや民衆(果ては番組のナレーターまで)「怪獣ロボット」と呼んでいた。
性格は、ロボットのくせにどいつもこいつも粗野かつ乱暴で感情に振り回されやすい人間臭い連中ばかりで、中にはカイメングリーンのようにモデルガンごときにビビって諸手を挙げたり、バイオレットサザエのように自意識に目覚めてキカイダーと協力しようと言い出した奴まで出る始末。
しかし、こう言ってはなんだがモチーフに似てない奴が多い。
ちなみに、動物の姿をしている理由は、原作にて光明寺博士が「滅びゆく動物たちの姿を残すため」とされており、光明寺博士の自然と亡き息子への愛が込められている。
アンドロイドマン
薙刀を持った戦闘員メカ。顔はダサい覆面で覆い、体は全身タイツ、靴は市販のスニーカー。経済的だ。
初期は「ダーク!」と叫んでいたが、掛け声はいつの間にか「ギル!」に変更された。
勿論戦闘員の宿命として呆れ果てるほど弱く、変身前のジローにすらパンチ一発で粉砕されるほど。
いくらでも新しいのを作れるため完全に消耗品扱いされ、任務失敗したヤツはたちまちスクラップにされ、特に何もしでかさなくても新開発武器の実験台にされたりする。哀れ。
人間に変装することも可能。汎用型、女性型(二種類)など五つのタイプが存在する。
その他関係者
人間メンバーがいるかと思うと、たいていアンドロイドマンが化けたものである。
総じて生身の人間は少ないようだ。
原作だと、ギルの部下の3科学者、そして女性がいたのは確認できる。また、ミツコとマサルの母親(光明寺の後妻)も元々はダークの一味だったとされている。
石ノ森章太郎の萬画版では光線銃で武装した人間の戦闘員と思われるメンバーも多数確認できる。