「キュウレンジャーに告ぐ、俺はカシオペア座系カロー・グローブンだ!これより貴様らに、我らがジャークマターのデスマッチ野球“デースボール”の試合を申し込む!!」
「シシレッド、中々良い球投げるじゃねぇか~?」
「ルールは俺が決める、それがデースボールだ!」
データ
役職/カロー(カシオペア座系担当)
出身/惑星小トクタ(カシオペア座系)
身長/184cm(ヒカエオロー身長/50.8m)
体重/165kg(ヒカエオロー体重/455.4t)
装備/魔球デッドキラー1号~3号、スーパー魔球カジキ殺し
分類/魔球宇宙人
概要
宇宙幕府ジャークマターのカローの1人で、カシオペア座星系を掌握するカロー。自身の支配星系に属する惑星・小トクタ出身。長い首が特徴のシルエットに野球のユニフォーム型アーマーを着込んだ姿で、頭に被っているヘッドギアは球体を複数のパーツへ分割した様な見た目となっている。
小トクタ星人特有の『ヘビーユビー(指)』を用いた超人的なボールコントロールにより、普通の野球選手ではマスター出来ない『魔球デッドキラー』を開発。それを用いた地獄の投法で相手の打者を(ノック)アウトするのが得意戦法。デッドキラーは複数種あり、バットを当てた打者をボールからの爆炎で吹っ飛ばして黒焦げにする1号、ソニックブームが生じる程の超音速球2号、投げた直後に消えた上で地面から打者の顎元にヒットする3号がある。
更にとっておきの大技として、エネルギーを集めて作った黄色い巨大ボールを用いた剛速球『スーパー魔球カジキ殺し』も持つ。
魔球で相手をノックアウトするのを得意戦法とする事からも解かるが、スポーツマンシップ等はまるで持ち合わせていない卑劣漢。勝つ為なら自身側のチームメイトから乱闘騒ぎを起こさせ、そのドサクサに紛れて相手のエースを暴行、故障させて戦力へならなくする真似までやってのける程。
キョダインロウは右腰の突起に括り付けている。
ある目撃証言によると、試合中のグローブンは選手9人の『しまってこーぜ!』を全て聞き分けていたと言う。
デスマッチ野球“デースボール”
支配星系内の惑星・SBC(エスビーシー)を舞台に、グローブンがキュウレンジャーへ仕掛けたデスマッチ野球。基本ルールは普通の野球だが、グローブン側は乱闘(に託けた相手エースへの暴行)や魔球による相手打者へ対する攻撃、インチキ打法による大量得点等の反則行為をしょっちゅう行う。勿論審判陣もジャークマターの手先である為これらは全て見逃される。
その一方で野球のルール自体はしっかり守られているので、反則行為に負けず作戦を立てて粘れば勝機はある。
活躍
ミナミジュウジ座のバリアを破る為の最後の鍵であるカシオペアキュータマを求めてカシオペア座に来訪したキュウレンジャーに対し、バトルオリオンシップに通信(※映像は試合前インタビュー風)を入れる形でデースボールでの決闘を持ち掛ける。これを相手が承諾したので互いに惑星SBCへ降り立ち試合を開始、グローブンは自身を主力とした上にインダベーとメカマーダッコを引き連れて臨む。
当初は野球を知らずとも中々良いセンスを発揮する、ラッキーを中心としたキュウレンジャー側が先制。これに対してグローブンはメカマーダッコに攻撃させる事で乱闘騒ぎを誘発、そのドサクサでラッキーを暴行して負傷させ故障に追い込む(※ついでにメカマーダッコへ喰って掛ったスティンガーを退場させた)。
これにより相手のペースが乱れ出したのを契機に、グローブン側は反則行為を連発してキュウレンジャーを翻弄。だが相手も負けずと粘る為試合は一進一退を繰り返すが、やがてグローブン側がメカマーダッコの『打法・オクトパスホームラン』(※ホームランした球が複数個に分裂、ホームに降り注ぐ事で大量加点扱いに)で得点差を付ける。更に主力自らが魔球デッドキラーでキュウレンジャーの主力打者達をノックアウト、実は野球がヘッポコだったスパーダは魔球も使わず軽くあしらって試合を有利に進めていく。
その結果、試合状況は『スパーダがホームランを打たなければキュウレンジャーが敗北する』(※逆に塁は埋まっていた為打たれれば逆転勝利される)物に。これに対しグローブンはまるで自身の相手にならないスパーダに対し「役立たず」と罵倒して動揺させる事でミスを誘発させようとする。
しかし、そこで不利を悟ったショウ指令が日が暮れた事を理由に明日までのタイムを掛けたので、それを呑み一旦試合を中断、引き上げる。
そして夜が明けて試合を再開するも、そこへスパーダの姿が見えない事を知ると彼を頭ごなしに罵倒する台詞を吐く。しかしラッキーと徹夜の特訓をしていたスパーダが遅れて駆け付けた為お互いマウンドへ移動する。
すると、そこでスパーダより自分に魔球は使わないのかと挑発されたので、この態度に憤慨したグローブンはとっておきの大技であるカジキ殺しを使用。これに対してスパーダはカジキイエローへチェンジ、鼻先を剛速球に突き刺す事で受け止めた上で遥か遠方へ放り投げてホームランを決め、キュウレンジャーを逆転勝利させた。
この結果を認めないグローブンはメカマーダッコ達と共に喰って掛ろうとするも、同時にキュウレンジャーの活躍をカシオペア座の星々が認めたのか天よりキューエナジーが降って来てエンプティキュータマに宿り、カシオペアキュータマが誕生。
それを使用した事によって生まれた野球ボールを用いた『キュウレンジャーハリケーン』により生じた優勝旗に押し潰されて(※旗が出た時「やった、優勝だ~!」と叫んだ)敗北する。
直後にヒカエオローを果たし巨大化(※この時「延長戦は負けん!」とも叫んでいる)、キュータマジンと交戦。「球を打つのは得意なんでな!」と言いながらバットで相手に殴りかかるも、この状況に不利を感じたシシレッドオリオンがオリオンバトラーを加勢させた事で逆に圧倒される。
最後は、キュータマジンメテオブースターの炎を棍棒に集めたオリオンバトラーが放った無数のボールを浴び、「遂に引退か…。ジャークマターは永遠に不滅、です!!」と言いながら直立不動の姿勢で倒れて爆散。直後2大ロボは直立不動の姿勢になって試合終了の黙祷を捧げた(ご丁寧に主題歌を校歌風にアレンジしたピアノ曲も流されている)。
余談
モチーフは日本・斑鳩寺に伝わる野球ボールサイズの地球儀である聖徳太子の地球儀。近代になるまで発見されなかった南極大陸や存在しない大陸(ムー大陸とされる)が記されている為にオーパーツと扱われる事があり、それが頭のヘッドギアの意匠へ盛り込まれている。
一方目撃証言のネタは、一度に複数人の話を聞き分けたと言う聖徳太子の有名な逸話が元となっている。
声を演じる落合福嗣氏の父は、日本プロ野球史上に伝説の選手として名を轟かせる落合博満氏。選手時代は三冠王を3度も獲得した唯一の存在であり、中日ドラゴンズの監督を務めた時は任期中4度のリーグ優勝と1度の日本一を達成したと言う、正に伝説を体現して来た人物である。
そして奇しくも、劇中でキュウレンジャーの監督を務めたショウ指令の姿はドラゴン(龍)であり、「究極のオレ流采配をお見せしよう」などと発言もしている。
このカローの登場エピソードの中核を担った野球ネタは、スーパー戦隊シリーズにおいて伝統芸と言える物の一つだが、マウンドだけで無くベンチ内の待機メンバーまで手が回るメンバー数となったキュウレンジャーにはドンピシャの題材であった。
加えて舞台となる星系が『カシオペア』座の為に、シリーズ初代に当たる秘密戦隊ゴレンジャーを象徴する大技『ゴレンジャーハリケーン』の正当進化版まで登場。結果として、シリーズの改革を担いゴレンジャーに倣った名を与えられた戦隊として非常に意義のある回となった。
スーツはシャイドスの改造。両腕と頭部を挿げ替え、野球ユニフォームの配色へ塗り直している。よく見ると腰部分の意匠は改造前とほぼ同じ事が解かる。
関連項目
野球仮面:最早説明不要な野球モチーフ戦隊怪人の偉大なる原点。キュウレンジャーとは『日曜もアメトーーク スーパー戦隊芸人』で共演済み。