唐辛子とは、ナス科トウガラシ属の野菜の一種である。動物の指のように細長く、非常に強い辛味を持つ。また天然の赤い色素も強く、香辛料として料理に用いられる。
ピーマンやパプリカなどと、植物の種としては同一であり、Wikipediaでは、野菜としては「唐辛子」、植物種としては「トウガラシ」の項を設けている。
概要
大航海時代にヨーロッパに渡り、その後南蛮貿易が開始された戦国時代に日本に伝来した。
なお「唐」とは、「漠然とした海外」という意味にも用いられる言葉である。
渡来当初は「南蛮胡椒」という名前で呼ばれていた。
メキシコ、タイ、ブータン、韓国、インドネシア、中国の四川や湖南など、調味料・香辛料として唐辛子の使用が盛んな地域は世界各地にある。
インドでも、胡椒に次いで、カレーの辛味付けにしばしば使われる。
ピーマンや大半のパプリカは辛くなく、通常の野菜と同じように使え、ハンガリーではパプリカを多用している。
韓国へは、17世紀初頭に日本から伝来したとするのが通説だが、19世紀までの料理の文献まで"唐辛子"の文字がない事から疑問の声もある。
少なくとも、当初は料理用ではなかったらしい。
色は緑→黄→赤と変化していき、熟成するほど赤くなっていく。
生食も可能だが、ほとんどの場合は干して乾燥させ、刻んで料理の味や風味を付けるのに使う。
唐辛子の辛さについて
唐辛子の辛味成分「カプサイシン」は他の辛味成分と違い、人体の粘膜を傷つける事でその辛味を発生させる(胡椒は「ピリペン」という成分)。
そのため、多量に摂取し続けると胃炎や食道炎、味覚障害を引き起こす原因になるので注意。
一方、発汗作用や体温上昇作用もあり、ビタミンA・Bが豊富な事からダイエットや夏バテ防止に効果がある。
またその強烈な辛味には除虫効果があり、ガーデニングや家庭菜園で 害虫よけとして植えたり、果肉を煮込んで除虫液を精製してスプレーしたりする事もできる。
食品そのものや容器に入れても防虫効果があるため、米櫃に鷹の爪を入れる事がある。
別名・表記揺れ
トウガラシ:植物の種としては、ピーマンやパプリカなども含む。
胡椒:別物だが、方言により混用される。
辛子:同上。
ペッパー(pepper):英語の「胡椒」。唐辛子は「チリペッパー(Chili pepper)」。
関連イラスト
関連タグ
唐辛子の仲間
島唐辛子:「キダチトウガラシ」という別種に含まれる品種。
唐辛子を使った料理・加工品
…など