(● ●)
CV:金田朋子
『ハートキャッチプリキュア!』の怪物枠にして、人間の心が持つ様々なコンプレックスから生み出されるモンスター。
宿主の劣等感や悩みが強いほど強力なデザトリアンとなる。
砂漠の使徒の三幹部が街中をうろうろして、しょんぼりしてる=こころの花がしおれてる人間を見つけ出し、その人間からこころの花を抜き出して、こころの花と辺りにある適当なものをくっつけることでデザトリアンが生み出される。
こころの花が取り出された肉体は小さな水晶玉に閉じ込められるが、デザトリアンを動かすには不要なためそこらに捨てられる。捨てられた水晶は偶然現場に居合わせたシプレとコフレが拾って帰るのがお決まりである。
デザトリアンが暴れることでこころの花が弱っていき、こころの花が弱ると地球の命を支える「こころの大樹」も弱るためプリキュアは大変に困る。
心に秘めた思いをぶちまけながら暴れていくのが特徴で、プリキュアや周囲の人々は素体者の悩みをその場で初めて知ることになる。悩みを白昼で暴露してしまって、後でまたこころの花が萎れる原因にならなければいいのだが…という不安はあるが、これが幸いして関係者に事情や苦しみが理解されたり、素体者の問題解決に一役買ったケースもあるため結果オーライといったところだろうか。
悩みは深刻でもかわいらしい声と見た目なのでなんとなく愛嬌がある。
ただし、第23話において明堂院いつきの兄・さつきを素体にしたデザトリアンはこれまでにない程凶悪な面構えで、ケタ違いの強さを見せていた。
素体となったさつきの武道における素質もあるだろうが、この際彼のこころの花が今までにない程深刻な悩み(=手術への恐怖)でほとんど枯れていたことも理由だったと思われる。
幹部たちは街中で偶然見つけた心の弱そうな人間をターゲットにしているだけなので、その人がどうしてコンプレックスを持つに至ったのかという原因など知ったこっちゃない。そのため幹部達はデザトリアンの吐露するコンプレックスを耳にするたび、「そんなくだらないことで悩むなんて馬鹿じゃないか」というように見下した発言をする。
しかしプリキュアたちは彼らがなぜ悩んでいるのかをその叫びから理解しようと努める。そして幹部たちの暴言に真っ向から反論し、いつものように堪忍袋の緒が切れる。たまに我慢の限界になり、心の闇を光で照らされたり、全ての心が満ちるまで戦い続ける決意を決められたりする。
この流れは基本的に毎回のお約束である。
必殺技でぽわわわわーっとされるとデザトリアンにされたこころの花は浄化され、体の入った水晶とくっつけることで元の姿に戻る。
浄化されるまでにこころの花が完全に枯れてしまったら、もう元に戻せなくなるらしい。
作中でそのような緊急事態には至っていないため、もし本当にそうなってしまった場合どうなるかは解らずじまいのまま物語は終了したが、クモジャキー・サソリーナ・コブラージャが浄化された際出現したこころの花は全員枯れきってしまっており、もし花が枯れきった場合彼らと同じように砂漠の使徒の幹部になる事が示唆されている。
第30話からはクモジャキー・サソリーナ・コブラージャが持っていた「ダークブレスレット」でパワーアップされた。より素体を苦しめ、より早くこころの花が枯れるためプリキュアたちを苦しめていくこととなる。
劇場版ではパリが舞台ということもあり、パリの建造物を取り込んだデザトリアンが登場した。
シリーズ初の一般人が変身させられる敵モンスターで、後にプリキュアとなるえりかといつきまでもがデザトリアン化経験者である(現代にてプリキュアになった少女4人中2人)。ただし、プリキュアに覚醒してからデザトリアンにされた者はいない。この「一般人が敵モンスターの素体にされる」方式は後のシリーズでも採用され、ジコチュー、サイアーク、ゼツボーグ、オシマイダーと引き継がれていくこととなる。
プリキュアシリーズに出てくる怪物たちはクイズ出題系の能力など一部のモンスターにしか会話能力がない場合が多く、ほぼ全員が複雑な発言が可能という設定の作品は少数派(というかほぼ唯一)である。
映画『プリキュアオールスターズDX3』で他シリーズの敵モンスター軍団と共演した際には、状況に即した台詞を喋っていたためかなり目立っていた。
名前の由来は「デザート(砂漠)」+「エイリアン」からか。
プリキュアシリーズの怪物には安直なネーミングが多いが、その中でも秀逸。
各話のデザトリアン
話数 | モチーフ | 召喚者 | こころの花の持ち主 | こころの花が枯れた原因 |
---|---|---|---|---|
1、2 | 人形 | サソリーナ | 来海えりか | 美人でモデルの姉のももかへのコンプレックス |
3 | サッカーボール | サソリーナ | 上島さやか | サッカー部への加入を認められない事への反発 |
4-1 | 不明 | クモジャキー | 不明 | 不明 |
4-2 | 整地ローラー | クモジャキー | 小笠原まお | |
5 | ラーメン | コブラージャ | 三浦あきら | |
6 | カメラ | サソリーナ | 多田かなえ | 自分の撮った写真が認められない事への反発 |
7 | 胸像 | コブラージャ | 明堂院いつき | |
8 | 化粧品 | クモジャキー | 来海ももか | 仲の良い友達がいる妹のえりかへの羨望 |
9 | 携帯電話 | コブラージャ | 小畑 | |
11 | ヌンチャク | クモジャキー | 酒井よしと | |
12 | 水 | コブラージャ | 柴田リサ | |
14 | 掃除用具 | サソリーナ | 志久ななみ | |
15 | 看板 | クモジャキー | ヒロト | |
16 | 照明器具 | コブラージャ | 高岸あずさ | |
17 | ヘラ | サソリーナ | 原野正広 | 自分の作った大福を認めてもらえない事への反発 |
18 | インク | クモジャキー | 番ケンジ | 自分が創作活動をしていることが母にバレたこと |
19 | カカシ | コブラージャ | 堀内アキ | |
20 | マネキン | サソリーナ | 露木かりん | |
21 | コート | コブラージャ | 鶴崎先生 | お化けが苦手であることが露見したこと |
22 | ゴーヤ | クモジャキー | 水島アヤ | 園芸部員なのに植物を枯らしてしまうことによる自信喪失 |
23、24 | 車椅子 | サソリーナ | 明堂院さつき | 手術が怖い事 |
26 | 魔法瓶 | クモジャキー | 沢井なおみ | |
27 | オルゴール | サソリーナ | 中野みつる | |
28 | 筆記用具 | コブラージャ | 宿題が終わっていない子供達 | |
29 | 自転車 | クモジャキー | 林ゆうき | |
30 | 電柱 | コブラージャ | はるかの母親 | |
31-1 | クレーン車 | サソリーナ | 不明 | |
31-2 | ノートパソコン | サソリーナ | 才谷秀雄 | 努力してもテストでゆりに敵わない事 |
35 | 映写機 | クモジャキー | 杉山ごう | |
36 | マイク&スピーカー | コブラージャ | 池田彩&工藤真由 | |
40-1 | ポスト | サソリーナ | 不明 | 不明 |
40-2 | 私立明堂学園の校舎 | サソリーナ | 佐藤一二三 | 自分の生徒会長への野心をいつきに知られての羞恥心 |
41 | パペット人形 | クモジャキー | ノリコ先生 | ゆりと違って子供達に言うことを聞かせられない事による自信喪失 |
42 | ラブレター | コブラージャ | ハヤト | |
43 | 剣 | クモジャキー | カスミ | |
44 | 雪だるま | クモジャキー&コブラージャ | 青年 | |
映画 | オベリスク | サラマンダー男爵 | オリヴィエ |
声優について
声を演じる金田朋子は5年後のGo!プリンセスプリキュアの映画で妖精のプウを演じている。