架空戦記
かくうせんき
概要
「架空戦記」の名称が世間に知られるようになったのは1980年代後半以降であるが、日本ではすでに19世紀末の明治にさかのぼってそれらしき小説が存在しており、当時の架空戦記ものでは巨大戦艦や当時まだ存在していなかった飛行機や大量破壊兵器(核兵器)などが登場し、実際の兵器の配備に影響を及ぼした面もある。
大正から昭和初期の日本では対米戦をモチーフにした小説が人気を呼び、これらの小説の多くは「日本軍の奇襲で始まり初戦は善戦するも、長期戦になり本土を焼き払われ敗戦」という史実の太平洋戦争を大枠で正確に予測していた。
内容
主に、過去の歴史の戦争に脚色を加えて描かれたものと、未来(近未来)の戦争を想像して描いたものに分けられる。
挿絵は劇画調タッチからCG、萌え的など読者を引き付ける絵は色々。
作品内容の題材は人物中心と兵器中心に分かれ、過去が舞台の場合はタイムトラベルなどのSF要素を含むものが多い。
過去の歴史を舞台としている作品の場合、実在の人物の生死や戦果の違い、対戦国の違い、兵器開発や超兵器の存在など、「もしもあの時~だったならば」という「史実とは異なる歴史」を描いたものが過半数である。作品によって歴史全体の流れが大きく改変するパラレルワールド的内容の物語と、史実に影響を残さない戦いの物語と分かれる。
過去の時代設定は第二次世界大戦か冷戦の二つが主流で、後者の場合は架空の日本や第三次世界大戦・核戦争を扱うことが多く、前近代の時代(三国志・戦国時代・南北戦争・幕末など)や現実世界とは違う異世界を舞台にした作品もある。
現代と近未来が舞台の場合、執筆当時の世界情勢とそれに基づく予想を下に考えられた世界で描かれる。また、過去や異世界の人々や兵器が現代世界に現れて、現代で戦うものもある。
未来やSF作品では宇宙空間を舞台にした作品や、地球上で人型ロボット兵器を中心にした人類同士、もしくは異星人や巨大敵対生物との戦争を描いた作品など様々である。
近年ではラノベや同人誌の興隆、ファンタジー要素や萌え要素などで新たな展開を見せている。
ただ、あまりにも荒唐無稽な設定にし過ぎると【火葬戦記】と揶揄されてしまう。