データ
別名 | 完全生命体 |
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出身地 | 宇宙 |
身長・体重
第1形態 | 4メートル | 32000トン | |
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第2形態 | 27メートル | 35000トン | |
第3形態 | 31メートル | 43000トン | |
第4形態 | 52メートル | 46000トン | |
最終形態 | 54メートル | 49000トン |
生態
イフを「完全生命体」たらしめる最大の特徴として、受けた刺激を増幅し再現する能力を持つ(CBCの公式サイトでは「自分が受けた攻撃に対して相手方の能力を身に付け反撃する」能力と説明されているが、後述の展開などを踏まえると「相手から受けた行動をそのまま返す」のだと思われる)。
劇中では反射能力しか厳密には見せておらず、本人に意思や感情があるのかすら不明である。
劇中の事例
- ナパーム弾を一発撃った→全身にナパーム弾の発射口を生成し、弾切れ無しで撃ちまくる(第2形態)
- ミサイルやレーザーを撃った→同上(第3形態)
- 格闘戦→押し出されると押し返し、パンチにはパンチで、キックにはキックで返す
- マクシウムカノンで粉々にした→即座に復活し、無限にマクシウムカノンを放つ(第4形態)
- マクシウムソードで傷を与えた→瞬時に再生して2倍返し
言い換えれば「攻撃されればされるほど際限無く強くなる」能力であり、劇中では上記のように、自身への攻撃・接触に応じてその姿を幾度も変えていった。
それに加えて、肉体が電子レベルに分解されるような攻撃を受けても即座に再生してしまう程の再生能力も持ち合わせているため事実上不死身の怪獣であり、「最強最速」と謳われるウルトラマンマックスでさえ遂にイフを倒す事はできなかった。
なお、理由は不明だが、宇宙から地上に落下した際の衝撃や棒で突かれた程度の刺激では反応していなかった(そもそもどこからどんな目的でどのような経緯でそこに現れたのかすら不明である)。
棒に突かれた件に関しては、刺激に反応していないわけではなく、突かれて凹んだ皮膚が元に戻る(要は反発作用)と言う形で刺激を返しているという説も。
劇中の行動
突如として第1形態(巨大な白いマシュマロのような姿)の状態で地球に落下、DASHの調査でも一切正体不明という結果になり、邪魔なのでナパーム弾による焼却処分命令が下されることになった。その結果、第2形態と第3形態と変化していき、現れたウルトラマンマックスの攻撃により第4形態に変化、マクシウムカノンを撃ちまくり、マックスもまるで歯が立たない有様で撤退させてしまう。
その後もマクシウムカノンを撃ちながら暴れまくり、一晩で都市を焦土に変えてしまうが、暴れ疲れたのか眠っていた所で盲目の少女・アッコが奏でた音楽を学習し、最終形態に変化。自身も音楽を奏でながらマックスに宇宙に誘導されて地球を去っていった。
一先ず地球滅亡の危機は去ったが、もしもこの後、何処ぞの宇宙人や宇宙怪獣がうっかりイフを攻撃してしまったらと思うと全然安心できないラストではあった(限定映像を見ると特に)。イフに限った話ではないが、一話ごとがパラレルストーリーに近いマックスだからこそ出来たストーリーであり、出せた怪獣であると言えるだろう。
ウルトラマンF
SFマガジンで連載されていた小説『ウルトラマンF』では、ゼットン星人がハイパーゼットンの餌として連れてきた怪獣として登場。
『マックス』での行動通り攻撃さえ加えなければ何もしない怪獣だったのだが、そんなことは知るはずもない科学特捜隊が段階的に攻撃してしまったためスペシウム光線級の技を乱射していった(余談ながらここでの攻撃、再生描写により、マルス133のようなスペシウムを用いた光線兵器を食らった場合は、両腕が剣のような状態に変化しスペシウム光線に似たポーズで相手に返すということが判明している)。
だが解析の結果、人間の細胞分裂に回数があるようにイフの進化のための再生にも限界があることが発覚。その結果、ハイパーゼットンの暗黒火球に耐性を付けている間に集中的に攻撃された(他作品で例えると『仮面ライダーBLACKRX』のゲドリアン戦や『鋼の錬金術師』のマスタング大佐VSエンヴィーなどをイメージすると良い)ため、再生能力が追い付かずに肉体を維持できなくなり、最終的に粒子状に分解され、ハイパーゼットン(コクーン)に取り込まれてしまった。
これらの描写について小林氏は、2016年5月13日に『小林泰三掲示板』で 「『ウルトラマンF』最終回は与えられたページ数に収まりきらず、いろいろと割愛した分があります。『イフの再生回数に限界がある』という井手隊員の推測も短くまとめるためで、実際にはイフは倒されていないと考えます。ただし、再生までに一定の時間が必要なので、その隙をついてハイパーゼットンが吸収したのです。ハイパーゼットンは吸収した怪獣の力を借りているだけで、再分離も可能であり、殺している訳ではないのです」と回答。
要するに、作中での出来事は、イフがゼットンに殺されたわけではなく、吸収しその能力を借りている状態だったと説明した。
その後、単行本化の際にはこの発言に沿うような形で加筆・修正が施され、「イフの再生には限界がある」などの設定は削除された代わりに、
「再生途上の形態を繰り返し攻撃したので、再生機能が疲労状態に陥って速度や精度が劣化し、再生を開始するまでの間は光の粒子状態に変化した」
と改変された(※それでも単行本本編では一応「段階的に攻撃を強くせず、初期の段階でニードルS80や無重力弾などを打ち込んでいれば進化の余裕はなかったかもしれない」と言われてはいるが、果たしてその場合どうなったかは不明である)。
余談ではあるが、文庫版のあとがきで登場した怪獣について小林氏が解説するコーナーがあったのだが、そこでイフについて個別の項が設けられることはなかった。
能力の近いザラガス(作中では隊員たちの台詞にのみ登場)の項で数行触れてはいるが、登場した殆どの怪獣が解説された中で何故イフだけ省略されたのかは不明。
余談
- 最強?
上記の能力故にファンの間では「最強」「チート」などと呼ばれる事も多く、俗に言う「最強議論」では必ず名前が挙がる怪獣の一体であるが、イフはとにかく「外部から受けたものをそのまま返す」存在である。
そのため攻撃的なコミュニケーションさえとらなければどこまでも無害であり、極端な話、対処法さえ知っていれば一般人でもイフを無力化できる(と思われる)。
上述したように棒でつついたり、地球に落下したりといった多少の衝撃ではそれ相応の反応しかしないようだ。また攻撃した場合でもその攻撃をしてきた相手に通じなければ、相手を倒すことはできない。
そういう意味でもイフの前に"敵は無く"、イフを評するならば、「最強ではなく無敵」といえる。
なお、ネット掲示板などでは、本編と『ウルトラマンF』のイフについて同列に述べられるケースも散見されるが、映像作品と小説では設定からして違う面も多い・著者の独自設定であることには留意。
また同時に劇中描写部分だけがイフの真実なのか、あるいは視聴者がイフを過剰に評価しているのかは、作中テーマを考えても一切不明である。最強議論する際には荒れないためにもこちらも留意した方が良いだろう。
2018年5月20日放送の『日曜もアメトーーク! ウルトラマン芸人』では、番組終了間際マシュマロ状の第1形態の写真が「最強の怪獣」として紹介されたが、詳しい説明がされないまま宮迫から「続きは第2回で」と告げられて〆る…というまさかのオチとして使われる事態となった(ちなみに、出演者の1人であった出口博之からは、「インスタ映えするスイーツみたい」と言われていた)
そのためか、ニコニコ大百科の急上昇ワードランキングでは1位を取るなどのなかなかの話題となった。
『ウルトラマンマックス』でミズキ隊員を演じた長谷部瞳氏もイフに関してtweetしている。
こんな恐ろしい能力を持っていながら、バトルスピリッツに参戦しており、シン・ゴジラと同様に不死身とは行かないものの、破壊してきた相手を破壊し返す能力を備えている…という風にコラボ先でもパワーバランスの調整が非常に難しい。
- ウルトラマンで対処できるか?
ファンの間でよく言われるのが、対象を別の空間に送ってしまうウルトラマンダイナ・ミラクルタイプのレボリウムウェーブによる対処である。吸い込まれる前にバリアで防いだジオモスの例があるので攻略される可能性もあるが、イフはその性質上最初の一撃は素通しである事が多いため、通る可能性は高い。
その他、マックス本編でのイフへの対処法及びイフの性質を踏まえると、ウルトラマンコスモス・ルナモードのフルムーンレクトのような、一部のウルトラマンが持つ破壊を伴わない浄化技ならば、攻撃性を無くして無力化するといった対処できる可能性は高いと考えられる。
ちなみに、邪気を浄化できる笛の音を奏でるウルトラマンも登場した。彼ならばほぼ問題ないだろう。
- 最恐?最狂?最凶?
「外部から受けたものをそのまま返す」という特性上、こいつら↑と会わせた場合は別の意味で大惨事となるだろう。
ちなみに次の回の怪獣も、イフとは別の意味でとんでも無い怪獣として有名。
関連イラスト
関連タグ
ゴジラ2016…イフと同様「攻撃に対処するかのように自己進化する」怪獣であり、「人知を超えた完全生物」と評される。
…両者が出会ったら文字通り「勝った方が我々の敵になるだけです」となることだろう。
バルンガ……イフとよく似た「成長に上限が無い」タイプの怪獣だが、イフと違いただそこに在るだけで人類の脅威となる
ザラガス…同じような能力を持っているが、こちらは倒された。
グリーザ…球状の形態から姿を変えていく。