概要
ルナモードで使用する、ウルトラマンコスモスの象徴ともいえる光線技。
発射の際にはメイン画像のように右掌をゆっくりと前に突き出しながら放つ。
いわゆる必殺技に該当する技だが殺傷能力は無く、相手の感情を鎮めて大人しくさせる興奮抑制光線である(なお、映画の冒頭でバルタン星人ベーシカルのドライクロー光線を相殺した光線の一つがフルムーンレクトであると記載されている書籍も複数存在する)。この技によって怪獣を殺さずに保護することがコスモス最大の特徴と言える。
ただし、実体を持たない幽霊のような相手にはすり抜けてしまい、心を持たないロボット怪獣や機械に操られている生物には効果がないという弱点がある。こうした存在にはコロナモードなどで対処するしかない。
そもそも上述したようにあくまで相手を落ち着かせる技であって改心させる訳ではないため、侵略・攻撃の意志を持った宇宙人を洗脳するような効果はない。作中でも憎悪に支配された善良な宇宙人を鎮める事は出来たが、人間の悪意が生み出した怪獣には通用しなかった。また、『ウルトラマンサーガ』の例を見ればわかる通り、暴れる怪獣を鎮めて返したとしても根本的な原因を解決しなければまた襲ってくる事もある。
最終話で登場したミラクルナモードはフルムーンレクトを浴びせ続けた後の決め手として、強化版ルナファイナルを使用し、憎悪に支配されたカオスダークネスを浄化。誰もが駆逐するしかないと考えていたカオスヘッダーと和解するという奇跡を成し遂げている(カオスヘッダー側が人間の善意を理解し始めていたからこそ、起こせた奇跡とも言える)。
ちなみに、腕を突き出す構えが似ている為か、混同されやすいが、カオスヘッダーをカオス怪獣から取り除いて元の状態に戻す光線は「ルナエキストラクト」なので注意(発射する直前の両腕を大きく上に広げる構えがない)。しかしながら、『ウルトラマンFER』では効果が統合されている(後述)。
『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』最終回ではサイクイーンに対し、オーブ、ダイナ、ガイア、アグルが合体光線を放ったが、コスモスは攻撃用の光線ではなくフルムーンレクトを使用。妄執に囚われたサイキを救おうと尽力し続けていた。
歴代の平成ウルトラマンたちの能力を授けられた、ウルトラマンギンガビクトリーも設定上は使用可能とされる(ギンガは、これより以前にも同様の効果を持つギンガコンフォートという技を使用していたりする)。
ゲーム作品では
ゲームでも相手を倒さずに戦闘を終了する技として登場する。
格闘ゲーム『Fighting Evolution3』では設定通りロボット怪獣には効かないのだが、なぜかエースキラーにだけは効くという謎仕様となっていた。憑依したヤプールを鎮めているのだろうか?
続く『Fighting Evolution Rebirth』では強化版ルナエキストラクト要素……というか見た目がフルムーンレクトのコズミューム光線ともいうべき万能技となっている(改造怪獣を元に戻す、実体を持たない幻影ウルトラマンアグルを消滅させる、など)。
ちなみにタイラントに使うと消滅するがこれはちゃんと両者の設定を再現した結果である(本編でも怨念から生まれたアングリラはこの技を受けて消滅している)。
以後の映像作品でもフルムーンレクトが興奮抑制光線以上の扱いになっている例もある。
また、『ウルトラマンフュージョンファイト!』ではタッグを組んで必殺技を撃つ関係上フルムーンレクトでおとなしくさせた隙に味方が必殺光線でぶっ飛ばすという本末転倒な事も起きてしまう。愛って何なんだ? 正義って何なんだ?
ちなみに同作ではゲームの仕様上受けた相手のHPは減るものの相手が爆発したり倒れたりする事はない。
類似の技
この力を受け継いだルナミラクルゼロは同様の効果を持つフルムーンウェーブを使用しているほか、同じくコスモスの力を受け継いだウルトラマンジードのフュージョンライズ形態:アクロスマッシャーもスマッシュムーンヒーリングという同様の効果を持つ技を使用可能(ただし、ルナファイナルのように両手から放つ)。またジード・ウルティメイトファイナルは、この上位互換と思われるフルムーンネオヒーリングという技を設定上だが持っている。
他にもフルムーンレクトや上記のギンガコンフォートと同じ、または類似の効果を持つ技には、ウルトラマンガイアのガイアヒーリング、ウルトラマンビクトリーナイトのナイトティンバーが奏でるメロディとウルトラマンエックスのピュリファイウェーブなどがある。