「ネズには アンコールは ないのだ! 歌も! 技も! ポケモンも!!」
概要
『ポケットモンスター ソード/シールド』に登場する、ガラル地方のジムリーダーの一人。
通称「哀愁のネズ」。
かつては名門といわれていたスパイクタウンジムのジムリーダーで、あくタイプの使い手。なお、あくタイプを専門とするジムリーダーは歴代初であり、あくタイプが初登場した『金銀』から20年経っての登場である。しかし、その立ち位置は他のジムリーダーとはひと味もふた味も違う。
マリィの兄。シンガーソングライターの痩身の男性で、タチフサグマのような白黒の髪色をしている。基本的にネガティブで自尊感情が薄く、見た目も目元にクマがあったり、普段から若干猫背気味の姿勢なため暗いイメージをもつが、バトルになると高揚して、手持ちのポケモンをバンドのメンバー紹介のように(攻撃のパターンも含めて)ネタばらししてしまうという悪癖がある(ただし、「どくどくふいうちだ!スカタンク!」と言っておきながら、「いやなおと」を繰り出してくるというフェイントをかましてくることもあるので注意)。言葉遣いにも癖があり、ぶっきらぼうなタメ語混じりの敬語で話す。(例:~しやがりますよ)
ボールはダークボールを愛用しており、自分の体ごと揺らすような独特なアンダースローでポケモンを繰り出す。
バトル時にはスタンドマイクを取り出し(待機時はタップしてリズムを取っている)、さながらライブを行うかのようなノリでポケモンに指示を出す。調子を上げるためか、たまにスタンドマイクを蹴り上げてド派手にシャウトすることもある。
歌手としてはかなりの売れっ子で、ストリートライブを行おうものなら観客が集まり、ポケモンですら何処からともなく現れて彼の歌に聴き入る程。実際にストーリー上でも一度シュートシティの駅構内でゲリラライブをおこない、多くの聴衆を引き付けている。
ヤローの話によると、昔からダイマックスが嫌いであるという。ダイマックスを使わないことについて、「ある意味本来のポケモン勝負である」という持論を掲げている。
そもそもスパイクタウンにパワースポットはなく、ダイマックスが使えないが、過去にローズからスパイクジムを別の場所に移転する話が持ちかけられた時も固辞し、ダイマックスが可能なスタジアムでも彼だけはダイマックス無しのバトルで挑んでくる(こうしたこともあり、彼との戦闘のみ、他のジムチャレンジとは異なり専用BGMが流れる)。
前述した自分のパーティのネタばらしやダイマックスを行わないポリシーは、対戦においては明らかにハンデとなるはずだが、それでもなお他のジムリーダーと同等以上の実力と戦績を誇る凄腕のトレーナーである。
その実力はガラル最強のジムリーダーと言われるキバナからも一目置かれており、トーナメントではダイマックスしたキバナのポケモンをあと一歩のところまで追いつめたことが語られている。ちなみに今作のストーリー上でのジムチャレンジにおいて最終的にネズを攻略できたトレーナーは10人にも満たなかったという。
一方で、「ダイマックスを使わない」というポリシーはあくまで自分個人の拘りに留めており、ダイマックスを使う他のジムリーダーや主人公らチャレンジャーに対して直接的な批判や苦言を呈する事は無く、妹のマリィにも押し付けるような真似はしていない。
ジムトレーナーが扮していたエール団からはマリィ同様に慕われており、実質的なエール団のボスとも言える。ただし彼は団員達の迷惑行為に関しては全く気づいていなかったらしい。ジムリーダーとして所属するジムトレーナーの監督責任を問われる立場上、割と問題案件だが。
見た目や粗暴な口調に反して世話焼きの常識人で、殿堂入り後のストーリーでは何だかんだ言いながらも主人公と同行してくれる。熱くなるホップを冷静になるよう諭したりと、面倒見のいい一面も。
一方で、ある事件に関して事あるごとにマリィを心配して取り乱しかけるが、諸事情から彼女が事件に巻き込まれる可能性が低い事を指摘されては「そういえばそうでした」と落ち着きを取り戻すという妹思いな一面も見せている。
地域密着型であるスパイクジムを愛し、あくポケモンたちと必死に支えてきたネズだが、自分の実力に焦りを感じていたことや、ミュージシャンとしての仕事に専念したいという思いを抱くようになったこと等もあり、今回のジムチャレンジを機にジムリーダーを引退し、その座をマリィに託そうと考えていた。
そして、一連の騒動の後、正式にジムリーダーをマリィに譲り、自身は町の一角で毎日ストリートライブを開催する日々を送っているようだ。
なお、あくまでジムリーダーを引退しただけであり、トレーナー業そのものを辞めたわけではない。
ストーリークリア後のトーナメントでは彼を招待して再戦することが可能であり、ここでもダイマックス無しの真剣勝負を挑んでくる。
殿堂入り後のストーリー進行中に入手できるレアリーグカードでは、ジムリーダー就任当時の若い姿を確認できる。その初々しい容姿と現在の悪人面を見比べてギャップを感じた人は少なくないはずだ。
手持ちポケモン
ジムバトル
チャンピオンカップ再戦 トーナメント(クリア後)
- ズルズキン♂ Lv.60
- カラマネロ♂ Lv.60
- スカタンク♂ Lv.61
- ストリンダー(ローなすがた)♂ Lv.61
- タチフサグマ♂ Lv.62
ストリンダー以外はいずれもあくタイプを含む複合タイプであり、共通した弱点がないのが特徴。こちらの手持ちのバランスが悪いと厳しい戦いになるだろう。
あくタイプではないストリンダーを手持ちにするのはバンドマン故か(妹のマリィもどくタイプのドクロッグを手持ちに入れている辺り、やはり兄妹と言うべきかもしれない)。
また、ズルズキンは兄妹で共通して手持ちに加えているが、技構成は大幅に異なる。ネズはねこだましやすなかけ等、搦手を用いてこちらを翻弄する戦法を取ってくるのに対し、マリィはドレインパンチやれいとうパンチ等、多彩な攻撃技でガンガン攻めてくるフルアタ型である。
手持ち最高レベルとなる切り札ポケモンはタチフサグマであるが、ダイマックスを使わないため他のジムリーダーと違って最後に出すポケモンが固定されていない。
相性に影響されなければHPが高いスカタンクが最後に出てくる事が多い。
アニポケにおけるネズ
スピンオフアニメ『薄明の翼』の第5話で街を歩くモブキャラとして登場した。
最終話では取材を受けていたがつれない態度で断っていた。最後にはマリィと一緒にいたCVは谷山紀章氏。
余談
- エンジンシティのジムチャレンジ開会式に唯一参加していなかったジムリーダーがネズである。
- ネズ・マリィ・エール団の戦闘突入時のBGMは共通したものになっている。スパイクタウン出身のトレーナー共通の演出と言うことなのだろう。あまり話題にならないが、公式戦で専用のBGMが流れるジムリーダーはネズがシリーズ史上初だったりする。
- 名前の由来はヒノキ科の針葉樹、杜松(ネズ)と思われる。
- 見た目が90年頃の大槻ケンヂに似ていると一部でいわれたりしている。また、一部ではQUEENのギタリストであるブライアン・メイもモチーフの1つになっているのではないかと言われている(ネズはアナグマがモチーフであるタチフサグマを手持ちに加えているが、ブライアンもかつてイギリス政府のアナグマの駆除に対する抗議活動を行ったことがあり、これも考察されている要因の1つである)。
関連イラスト
関連タグ
他のあくタイプの使い手
- ホミカ:専門タイプが近く(実際ネズ兄妹も、「あく」なしの「どく」ポケモンも加えている)、バンド活動もしているジムリーダー繋がり。
- サカキ
- 悪の組織のリーダー的存在である点
- したっぱたちから慕われている点
- 序盤では詳細不明の謎のジムリーダーである点
- ライバル(世代は違うが)の血縁者である点
- 二足歩行のノーマルタイプを切り札としている点 など結構共通点は多い。