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就職氷河期の編集履歴

2020-09-12 16:38:20 バージョン

就職氷河期

しゅうしょくひょうがき

就職難が続いた時代。通常は1990年代以降の就職難を指す。

就職氷河期

バブル景気が終焉を迎えた1990年代中盤から2000年代まで続いた就職難の時代。概ね1993年卒から2005年卒を指す。


この時代に社会に出た世代の人々を氷河期世代、あるいは「ロスジェネ(失われた世代=ロスト・ジェネレーションの略)」と呼ぶ。


経過

「就職氷河期」が叫ばれ始めたのは1992年(1993年卒)から。バブル崩壊期は「3つの過剰」(雇用、設備、債務)が叫ばれた時代で、企業はバブル期の過剰な雇用による人件費を圧縮するために、企業は軒並み新規採用の抑制を始めた。1996年には就職協定(採用早期化や就職活動の過熱を予防するための企業の自主規制。 大学4年生の8月20日会社訪問開始、11月1日内定解禁)が撤廃され、大学3年生は学業そっちのけで就活に走り回るようになった。


特に1997年には消費税引き上げ、アジア通貨危機、山一證券破綻などが次々と起こり、先行き不安の企業は採用を極度に絞り込んだ。この結果1998年卒以降は「超・就職氷河期」と言われる状態になり、高卒大卒を問わず新卒者はなかなか就職できなくなった。2003年の新卒就業率は55.1%。高校大学を出た人の半分近くは就職できなかったのである。


当時は「即戦力の学生しか採らない」という矛盾を堂々と口にする人事担当者が当たり前のようにいた時代で、早慶のような難関大学の出身者でも就職に失敗し派遣社員フリーターになる人も普通だった。何とか新卒で正社員になれたとしても、自分の適性や専攻と異なる分野の仕事に就かざるを得なかった者が多かった。


また、国や自治体の失政もこの就職難を後押しした。竹中平蔵らの提言をもとに「成長戦略」として、多くの業界で労働者派遣法の緩和や労働時間の規制撤廃などの労働規制緩和が図られ、民間雇用者の賃金が下落(賃金デフレ)してしまったのである。この結果、成長どころか多くの若者を路頭に迷わせる結果となった。


小泉純一郎政権下で公共事業がガッツリ減らされ、建設業は新規採用がなくなった。トラック・バス・タクシーなどの運輸業界も小泉政権下の規制緩和で過当競争となり、新人を育てる余裕すらなくなった。


そして政府は氷河期世代への支援を何もせず、彼らを「自己責任」の名の下に切り捨ててしまったのである

さらにメディアも政府の姿勢を支持し、自己責任論を市井に広げると同時にフリーターや派遣社員をデメリットを隠して「新しい時代の生き方」として持ち上げたことで氷河期世代でない市民が氷河期世代の辛さを理解することはなかった。この辺が氷河期世代が社会に対して強い恨みを持つ原因の一つだと考えられる。


新卒者は安定雇用が望める公務員枠に殺到したが、当時は「財政再建」が強く叫ばれ、国や地方自治体は業務を外部委託(アウトソーシング)に出したり臨時雇用の職員(いわゆる官製ワーキングプアの温床)に置き換えて新規採用を極度に絞り込んだのである。それなりの規模の都市の職員採用や教員採用も「若干名」や「ゼロ」というのがざらで、公務員試験の倍率は数百倍から数千倍にも達した。


新しい雇用の受け皿として成長したのはIT介護、そして竹中が会長を務めるパソナなどの人材派遣業だった。いずれもブラックなイメージがあるのは偶然ではない。氷河期世代はこれら業者に新鮮な労働力を供給する、いわば燃料になったのである。


2007年団塊の世代定年退職の時期を迎え始めた。これにより悲惨を極めた新卒就職情勢はようやく好転(回復は2006年卒から)。就職難の時代にはいったん一区切りがつく。が、これは日本の生産年齢人口が急激に減少しはじめたためであって、日本経済は坂道を転がり落ちるように縮小していく。


こうして、長く続く就職難の時代は日本に決して癒えることない傷跡を残したのであった。


新就職氷河期

2010年卒から2012年卒まで。第二次就職氷河期ともいう。2000年代後半にいったん好転した就職戦線は2008年リーマンショックで暗転する(リーマンショックは2009年卒の就活がほぼ終わった時点での発生だったが、「新卒切り」などの影響はあった)。2010年大学卒業者の就職率は60.8%まで急減した。


もっとも、新就職氷河期の襲来は短期間で終わり、2011年の東日本大震災後は景気も緩やかに回復に向かい、2014年卒以降は一転して「売り手市場」になる。第二次就職氷河期時代に社会に出た人々は「氷河期世代」には含まないことが多い。


関連タグ

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バブル景気/バブル時代バブル崩壊/就職氷河期リーマンショック

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