アニメとしての概要
マジンガーZの続編として、映画「マジンガーZ対暗黒大将軍」で、その活躍がTV版に先駆けて披露されるなどの鳴り物入りで始まった。頭部デザインがマジンガーZのファンクラブのバッジに描かれるなど、事前にメディアミックスで周到な準備がされた最初のアニメである。
ストーリーはマジンガーZの二番煎じ感が否めないのは事実だったが、ハードな戦闘描写やグレートマジンガーのビジュアルは非常に人気であり、視聴率自体はマジンガーZよりもむしろ安定していた。だが、当時は続編自体がアニメで例がなく、玩具展開がイマイチ不振であった。グレートマジンガーの超合金を買ってもらいたいが、親にZと混同されて『もう持ってるでしょ!!』と怒られてしまうという話が当時はよくあったという。
玩具展開の不振は思わぬ波紋を呼び、永井豪がグレートマジンガーの続編として企画していた『ゴッド・マジンガー』の企画がゴーサインが出ずにお蔵入りとなってしまったのだ。その代替として企画されたのが、『UFOロボグレンダイザー』である。
ロボットとしての概要
マジンガーZの強化発展型スーパーロボット。パイロットは剣鉄也。
身長25m、体重32tとマジンガーZに比べかなり大きい。
武装は固定武装にアトミックパンチ、グレートブーメラン、グレートタイフーン、マジンガーブレード、ブレストバーン、サンダーブレーク(ダブルサンダーブレーク、サンダーブレード)、追加武装にニーインパルスキック、バックスピンキック、グレートブースターがある。
また「剣」を主装備とする主役ロボットの元祖である。
兜剣造博士が父の兜十蔵から「ミケーネ帝国とかいうなんかヤバイ敵が将来出てくるから、お前はワシが設計したマジンガーZを更に改良したすごいスーパーロボット造れ」という無茶な命令で開発は始められた。(当時はマジンガーZに使う光子力エンジンが完成した段階で、その更に改良型を作るというのはさしもの天才と言われた彼でも無理難題であった。)
そして、数年後に試作エンジンの起動実験で事故が起こり、十蔵が駆けつけた時には剣造夫妻は絶望的な状態であった。剣造の妻(甲児の母。実験に立ち会ったところを考えると、博士であったらしい)はすでに死亡し、剣造も肉体の死亡は確認したものの、頭部は無傷であった。そこで十蔵は自らのロボット工学知識を駆使して、サイボーグのボディを作り、無傷であった頭部を移植。息子の蘇生に成功する。蘇った剣造はその後も研究を続け、父が完成させたマジンガーZの弱点を補強する第一歩を踏み出す。超合金Zを超える新装甲材の製造に成功したのだ。それが超合金ニューZである。かくして、グレートマジンガーの建造は開始された。
マジンガーZがDr.ヘルと戦っている間にも新マジンガーの建造は続けられ、『グレートマジンガー』との名を与えられた。パイロットとして、孤児院から剣鉄也を引き取るなどの事前の準備も行っていた。完成後は極秘にグレートマジンガーの稼働実験を繰り返した(『マジンガーZ対暗黒大将軍』冒頭のグレートマジンガー登場シーンは演出も兼ねたサンダーブレークのテストだと思われる)。
完成した機体の性能は完成時の(設計時の基準が完成時のZである故)マジンガーZを大きく凌ぎ、Zにはない飛行機能と空中戦能力を備える完成度の高いスーパーロボットであった。また、剣を持つことで格闘戦能力も向上し、戦術バリエーションも増えた。
一部において改装後のZに劣る(実はリニューアル後のマジンガーZは最終回時点でグレートマジンガーを凌ぐパワーである)ところはあるが、Zと違って改造による性能のかさ上げ無しに高性能を発揮(完成時のパワーですでに90万馬力もの大馬力で作中後半では出力増強により130万馬力にまでパワーアップ)できるというのが強みで、操縦機であるブレーンコンドルのアビオニクスも洗練されており、操縦に関しては素人である開発者の兜剣造が劇中である程度の戦闘行動を行えるほどに操縦性も上がっている。兜甲児も「UFOロボグレンダイザー対グレートマジンガー」で戦闘を行っている(それにより「第2次スーパーロボット大戦」で鉄也が不採用という憂き目に遭った)。グレンダイザーに比べるとカタログスペックではやや劣るものの戦闘能力に遜色はなく、バレンドスがグレンダイザーと渡り合えたのもグレートの性能が優れていたことによる。
しかし無敵と思えるグレートマジンガーも万全ではない。実は翼の付け根が弱点で、そこを攻撃されると一時的に機能停止状態となる(設定自体はTVシリーズからあったものの、明確にされたのは「UFOロボグレンダイザー対グレートマジンガー」であり、そのため本編ではスクランブルダッシュ自体を破壊されても機能停止状態にならない事もままあった)
ロボットガールズZにて、美少女化(擬人化)している。⇒グレちゃん
活躍
TV版では、マジンガーZの最終回で戦闘獣グラトニオスとビラニアスに完膚なきまでにノックアウトされたZの後を受けて、急遽投入されたのが初陣である。以後はZから引き継いで防衛の任についた。
実質的な初登場となった、映画「マジンガーz対暗黒大将軍」では、獣魔将軍率いる軍団にZが追い詰められた瞬間に発進が号令され、颯爽登場し、戦闘獣軍団を事も無げになぎ倒すという美味しいところをさらう圧倒的強さを見せ、当時の子供達にニューヒーロー登場をアピールした。
グレートマジンガーはTV本編では結構苦戦していたりしているのだが、初登場時のインパクトが強かった故か、放映終了から40年もの月日が経過した現在においても、『懐かしのアニメ特集』ではマジンガーZ最終回か、マジンガーZ対暗黒大将軍での圧倒的強さを見せる場面が取り上げられる場合が多い。その場合は決まって、マジンガーZを遥かに超えるスーパーロボットが登場だ!と煽り文句がつく。
OVA版「マジンカイザー」には兜十蔵の残した設計図を元に光子力研究所で開発されたプロトタイプのグレートマジンガーと兜十蔵自らの手で作られた真のグレートマジンガーの二機が登場。
前者は超合金Z製で身長も低く手足が黒い。対して後者のオリジナルは原作と同様に青く、身長もマジンカイザーと同程度のサイズとなっている。
前者はOVA本編のマジンガーZ同様苦戦を強いられたが、後者は真の偉大な勇者としてカイザーと肩を並べる活躍を見せた。
続編の「死闘!暗黒大将軍」では、ニューヨークで大昆虫将軍スカラベス、魔魚将軍アンゴラスと対決。死闘の末に撃破したところでグレートも戦闘不能となっている。このグレートが前作におけるどちらのグレートなのかは不明(少なくともカラーリングはプロトタイプと同じ)。
劇場版「マジンガーZ/INFINITY」では軍属になっており、武装の使用に承認が必要というどこかで聞いたような制限ができている(そのため初期はグレートブースターが使用できなかった)。
「真マジンガーZERO」のグレートは魔神パワーが生まれた世界に存在し、剣造が十蔵を超えるために作ったことになっている。鉄也はテストパイロットで、正式なパイロットは甲児になるはずだった。
「真マジンガーZERO対暗黒大将軍」では複数の世界に複数のグレートが存在する。前半のグレートは別の魔神パワーの生まれた世界ではない平行世界の剣造がマジンガーZの魔神化を抑止するため作ったもので、魔神パワーのうち「強化」「修復」「変態」「吸収」が搭載されている(しかし「修復」の原理は如月ハニーの使っているものと同じで、マジンガーZEROのそれと原理は異なる。あくまで模倣にすぎない)。「グレートがいち早く敵を撃退すればマジンガーZに戦闘の必要はなく、魔神化には至らない」という考えのもと、洗練された戦闘能力を持たされていたが、結果として「マジンガーZの最強を脅かす力」と認識され、終焉の魔神の覚醒を促してしまった。特殊機能としてグレートブースターに搭載された光子力エンジンとグレートのエンジンをフル稼働させることで、さらなる強化形態へのパワーアップが可能。
後半のグレートにはこれらの能力はないが、操縦自体が常人の肉体を破壊するというヤバいロボットになっている。克復するには細胞レベルで強化された強化人間になるかサイボーグになるくらいしかない。それでもなおミケーネ相手には辛勝レベルの勝利しかできず、パイロットの鉄也が死ぬこともザラにあったようだ(もっとも、この世界の鉄也はクローン人間なのでいくら死んでも新たな鉄也が戦場に送られるだけである)。
関連イラスト
登場メカ
グレートマジンガー
キャラクター
関連動画
【公式】グレートマジンガー 第1話「大空の勇者 グレートマジンガー」
※東映アニメーションミュージアム公式YouTubeチャンネルより転載
METAL BUILD グレートマジンガー特別映像
※バンダイ公式YouTubeチャンネルより転載
関連タグ
作品関連タグ
マジンガーZ(前番組)
UFOロボグレンダイザー(後番組)
ロボット関連タグ
キングジェイダー:初登場シーンがグレートマジンガーのオマージュと云われている
マジンカイザーSKL:こちらも兜甲児がメインパイロットでない主人公機のマジンガー