唐辛子
とうがらし
非常に強い辛味を持つスパイスの一種。
概要
実は細長く非常に強い辛味を持ち、熟すると赤い色が鮮やかで、生食も可能だが、ほとんどは乾燥させて香辛料・彩りとして用いられる。未熟で緑色の青唐辛子も利用される。
英語では「チリペッパー(chili pepper)」(単に「チリ」とも)。
※ピーマンやパプリカなどと、植物の種としては同一であり、Wikipediaでは、野菜としては「唐辛子」、植物種としては「トウガラシ」の項を設けている。
カプサイシン
唐辛子の辛味成分「カプサイシン」はワサビやカラシの辛味成分「アリルイソチオシアネート」同様に痛覚神経を刺激して辛味を感じさせるが、揮発性が高い「アリルイソチオシアネート」の辛味が一瞬なのに対し、「カプサイシン」は後を引く。
なお、胡椒の辛味成分「ピペリン」は感覚神経の温度受容体を活性化させて辛味を発生させる。
口や鼻にある痛覚受容体は「カプサイシン」で痛みを伴う刺激を受けた際、傷ついたと錯覚して脳に警告を発し、涙が出る。
また、脳に運ばれた「カプサイシン」はアドレナリンの分泌を活発にさせ、発汗と動悸を促すため、ダイエットに効果があるとされる。
ただし、多量に摂取し続けると胃炎や食道炎、味覚障害を引き起こす原因になる。
鳥類はカプサイシンに辛さを感じることがない。トウガラシの辛さは種を食べる哺乳類の小動物を避け、丸のみする鳥類にのみ食べてもらい、糞とともに分布を拡げるための進化と考えられる。
別名
余談
- 原産地は南アメリカ大陸で、大航海時代にヨーロッパに渡り、戦国時代の南蛮貿易により日本に伝来した。
- 名前の頭に「唐」(=中国)が付いているが、漠然とした「海外」の意である。
- メキシコ、タイ、ブータン、インド、インドネシア、韓国、四川省、湖南省など辛い料理の好まれる地域で盛んに使用される。
- 韓国へは17世紀初頭に日本から伝来したとされるが、19世紀までは料理用ではなかったらしい。
- ピーマンやパプリカもトウガラシだが辛くない品種である。ピーマンは「甘トウガラシ」とも呼ばれる。ハンガリー料理ではパプリカを多用する。
- 防虫効果があり、畑に害虫よけに植えたり、果肉を煮た液をスプレーしたりする。コクゾウムシが蔓延るのを防ぐるため米櫃に入れる事もある。
- 島唐辛子やプリッキーヌーはキダチトウガラシの品種でトウガラシとは別種である。