概要
英:Sinocentrism
この思想は「中国が宇宙の中心であり、その文化・思想が神聖なものである」と自負する考え方で漢民族および儒教において古くから支持されている文化的優越主義思想である。華夷思想とも呼ばれ、ナショナリズムの一種ともされることがある。
詳細
本来、「中華」とは『世界の中心』、「中国」とは『世界の中心の国』いう意味を持ち、政治的概念の国家を表すものではなく、「自分たちは世界( もしくは宇宙 )の中心にいる」といった優越的・自己中心的な選民思想の一種を意味する言葉だった。
歴史としてみれば、神代中国( 夏帝国、推定B.C2700~1600 )の時代から基本的思想は変わっていないとされるが、はっきりと文献に残るのは四書五経にそのような思想が登場するのが最初である。
この思想は特に儒教に引き継がれ、漢民族が中原を支配していると保持され、特に異民族に圧迫される状況になると強くなり、異民族が完全に中原を支配するとこの思想は顧みられなくなり、仏教や道教にて国が治められることになる( 一部例外あり )。
この思想はその後の各種停滞の原因となったり、内政上の問題を引き起こした。
言葉
この思想を表す代表的な言葉として、
「天下、天土に非ざるものなし」※1
というものがある。
これは現代語で言えば「見えるところ全てが支配者の領土である」という意味であり、そのため極端な場合中国神話の一つである『嫦娥奔月』という「もと仙女の嫦娥が月に昇って暮らした」という伝説を利用し、「月も中国の固有領土だ」と主張する者までいる※2という。
選民思想
このような考え方は自体は異なるが世界的には古代文明から現代に至るまでの文明や民族、あるいは宗教などに一般的にみられるものであり、一神教的な宗教( ユダヤ教、イスラム教、キリスト教など )、古代文明ではプレアメリカのマヤ文明、アフリカの古代および中世の諸文明、西洋ではローマ帝国( ローマ共和国 )的世界国家的な思考などがあげられる。
仏教の場合は鎮護( 永遠に安定 )という考え方に沿って世界征服するという事をすれば可能かも知れない。
またこれらの思想は「他国への劣等感」の裏返しなのではないか、という意見も存在する。
【特徴】
- 自国が世界の中心であると根本設定としてみる※3
- 自国が世界の中心で中国で起こった事は『全世界の出来事』と見る
- 紙の上の( ときには誤った )地図的な世界観を本気で設定していた※3
- 中国の周りには東西南北に渡り劣った存在があるとしていた※4
- 皇帝等中国の権力者は全世界の頂点の君主という事に自動的になる※5
- 権力者は外国をもてなし、貢物よりお土産の方が多いことが当然※5
小中華思想
本来この項目は小中華思想に記述されるべきであるが、執筆時点では荒らし記事として白紙化されているため、複数により編集されているこちらか、悪質ユーザーにより編集されたこちらを参照されたし。
これらの主張が周辺国に輸出された思想が小中華思想と呼ばれる思想である。これには2種類存在する。
- 中国が野蛮人に支配されもはや中華ではなくなったため、我々がその頂点となるという思想
- 中国の近辺にある我々のほうがそうではない他の国よりも上である、という思想
一つ目の思想は江戸時代以降の日本や清朝成立後の李氏朝鮮に見られる。
また二つ目の思想は地政学上中国の影響が強い朝鮮に見られ、一般的にはこの思想をこう呼ぶ。
これらの思想は中国には認められておらず東夷扱いなのは変わらない。また本家同様各種問題となったとされている。
脚注
※1 『詩経』小雅・北山之什、「溥天之下 莫非王土 率土之濱 莫非王臣」
※3 この辺りは無神論、無架空現実主義の共産主義においてはかなり修正されたか、過去の悪習として捨て去ったかもしれない
※4 自らを「中華」と呼び、野蛮人を北狄、南蛮、東夷、西戎と呼ぶ
※5 属国は別のようである。また外交や財政で各種ネックとなることが多かったとされる
pixiv
小中華思想含めこれらの項目は白紙化されることがある、これはpixivでの作品が問題がある、具体的には編集者が「作品が存在しないため白紙化」を防ぐためのイラストがメインであるためである。