概要
仮面の男ゼロがエリア11(旧日本)のレジスタンス扇グループを母体に結成した弱者(人種問わず)保護を謳うレジスタンス。
実力があれば国籍・年齢を問わず高い地位につけるという実力主義をとっている。
もともとは上記の他と同じ小さなレジスタンスの一グループでしかなかったがゼロがグループのリーダーとなった事により徐々に力を増し日本解放戦線の一部が起こしたテロを鎮圧後、そのテロを鎮圧した事を宣言すべく初めて世間に登場する。
初登場後は弱者の保護を実行し、ブリタニアにもテロ活動にも反対している中立派のイレヴンや一部のブリタニア人の支持を得ることに成功している。
構成員
ゼロ(総司令→CEO)
旧レジスタンス
扇要(副指令→事務総長)
紅月カレン(零番隊隊長)
玉城真一郎(第弐特務隊隊長→内務掃拭賛助官)
南佳高(副指令代理→可翔艦「斑鳩」艦長)
杉山賢人(部隊長→特務隊長)
元日本軍
藤堂鏡志朗(軍事総責任者→統合幕僚長)
四聖剣
朝比奈省悟(壱番隊隊長)
千葉凪沙(四番隊隊長)
仙波崚河(弐番隊隊長)
日本人以外の加入者
ディートハルト・リート(情報全般・広報・諜報・渉外総責任者→媒体情報管理長)
ラクシャータ・チャウラー(技術開発担当→科学長官)
その他団員
R2以降の加入者
黎星刻(総司令)
周香凛(参謀長官)
メディアミックス作品にて加入
保有戦力
第1期から
鹵獲サザーランド
R2から保有
ヴィンセント(ロロ専用機)
超合集国建国以後から保有
ゼロレクイエム以後から保有
メディアミックス作品から
ガウェイン・リゼロ
動向
皇暦2017年(反逆のルルーシュ)
ナリタ戦を機に戦力を増大させていき、日本解放戦線の壊滅以降には支援グループ・キョウトの援助も取り付け、さらに藤堂鏡志朗・四聖剣といった解放戦線の残党を吸収したことでエリア11のおける最大勢力にまでのし上がった。
特区日本におけるイレヴン虐殺事件を機に合衆国日本建国宣言を行い、ブリタニア軍と大激突した。
これがのちのブラックリベリオン(第一次東京決戦)であり、イレヴンの大多数が参加していたこともあり、戦況は騎士団優勢であったが、扇副指令の負傷、司令官ゼロの謎の戦線離脱によって指揮系統が崩壊、藤堂の敗北もかさなり扇・藤堂をはじめとした幹部の多くが捕縛され、逃れた面々も亡命を余儀なくされ組織は事実上瓦解した。
皇暦2018年(反逆のルルーシュR2)
壊滅したと思われていた黒の騎士団だが、ゼロの復活と同時に、中華連邦総領事館の一室において再度建国宣言を行った。
その後いくつかの作戦をへて、中華連邦に百万人のイレヴンをつれ中華連邦の蓬莱島に亡命。
天子強奪事件の後中華連邦と合衆国日本、他のブリタニアに侵略されているアジア諸国、E.U.の一部の国家も加盟した連合国家「超合衆国」と資金、物資、人員提供と引き換えに安全保障を担う傭兵組織となる。
それに伴い、ゼロはCEO(最高経営責任者)に就任、黎星刻を総司令、扇を事務総長、藤堂を統合幕僚長とする新体制となった超合衆国決議第壱號に基づき日本解放のためエリア11に進軍する。
しかし第二次東京決戦においてゼロが重傷を負い、治療の甲斐なく死亡と発表。
それを機にブリタニア軍との講和が行われたが、ダモクレス戦役において敗北。皇帝ルルーシュに空席だったCEOの座を奪われ幹部たちも処刑されそうになるが、これはゼロレクイエムの計画の一部に過ぎず、「ゼロ」の仮面を継いだ者によってルルーシュが討たれたことで幹部たちは解放、超合衆国と共に再建されることになり、新たなゼロがCEOに就任した。
組織としての弱点
後述通り元々がレジスタンス、つまりは素人集団であるために団員達のほぼ全てはブリタニアから日本を取り戻す程度しか考えていない。
しかも、考え方もバラバラの寄り合い所帯である上に前時代的な考え方も多く、それらをゼロの卓越したカリスマ性でまとめ上げていたため、組織の運営や作戦のほぼ全てがゼロに依存しきっている。
言ってしまえば、藤堂やカレンといった優れた人材は擁していても、その本質はゼロのワンマンチーム・烏合の衆なのである。
しかもブラック・リベリオンでは外部から合流した兵士がゼロの指示を無視して勝手な行動を取るという統制の低さが原因で攻め遅れた結果、ゼロの戦線離脱と併せた敗因となる。
ゼロもそのことを熟知していた(事実、その内面が描かれた小説版ではゼロもこうした組織の弱点について思わず愚痴を零すほどの悩みの種となっている)がために、藤堂のような本職の軍人及びディートハルトのような人種も問わずに能力や才能を重視する方針をとっていた。
また、ゼロ自身も団員を一部の例外を除いて駒と見なしていたり、本人の秘密主義が組織の運営に関わる幹部陣との信頼関係の隔たりにもなっており、幹部達もゼロに大なり小なり疑念を持っていた。
何より彼らも彼らで私利私欲や公私混同の行いに走ってゼロに不信感を抱かせるという大概な所があり、それが最悪の形となって組織に跳ね返ることとなる。
そして黒の騎士団の崩壊最大の原因は、ゼロと部下たちが信頼関係というものを築けなかった事にあり、どちらも違いに補い合って成長しきるには、個々人のエゴや隠すべき情報があり過ぎたと言えよう。
幹部側の非
元々が素人上がりに過ぎず、いくらゼロに不信感があったとはいえ、怨敵たるシュナイゼル・エル・ブリタニアが用意した音声だけの証拠を(本物だったとはいえ)何の疑いも無しに鵜呑みにし、何の保証もない口約束で、そもそもシュナイゼルやコーネリアにそんな権限がないにもかかわらず「日本を返せ」という滅茶苦茶な要望を叩き付け、ゼロを売り渡そうとする愚行を行った。
これはゼロよりもはるかに信頼している扇要の口添えがあったからだが、扇の怒りの原因も内通している女の為であり、完全な私情であることはメンバーは知らなかった。
そもそも、扇のスパイとの内通行為はそれ以前からゼロにバレていたが、内部対立が起きがちな騎士団内における緩衝材及び潤滑油としての有用性も理解していたことから、信頼こそ失えど感情任せに処断することなく目を瞑るなど信用までは失ってはいなかったのだが、私情に囚われた彼に届く事はなく、遂には信用まで裏切ってしまった。
仮に要求通り「日本の返還」が果たされたとしても、その後に待っている再度侵攻に備えた軍備や亡命政権による独立後の政権回復、在住ブリタニア人の帰国や永住、各エリア内のブリタニア企業の存続或いは事業の撤退、ゲットーのインフラ整備や子供の教育など独立がなったとしてもその後の課題が山積みで、『ナナリーの受け入れ』及び『生徒会メンバーとその家族の安全の保障』という根本からそこを考慮していたゼロ以外は考えていた様子が全くない。
しかし、財閥令嬢の出身にして超合集国最高評議会議長を務めるに至った神楽耶はともかく、所詮は一軍人に過ぎない藤堂らにとってはこうした内政は畑違いかつキャパシティオーバーな所もあるためそこまで要求するのも酷かもしれない。
さらにシュナイゼルによってゼロが裏切られたという事実を公表されれば、事情を知らない他の加盟国にしてみれば実権掌握を図った幹部達がゼロを殺したと解釈され、内部分裂を起こして少なくとも日本が完全に孤立していた展開も起こりえた(特に日本は元々ゼロの支持が熱烈であったために一般市民からの支持低下は免れない)。ただし、追放に踏み切っていなければシュナイゼルによって別の手段が執られ、仮に崩壊までには至らなかったとしても最低でも組織の分裂は避けられない状態に追いやられていた可能性も高いため、どのみちゼロの正体とギアスを知られた時点でチェックメイトをかけられていたとしか言いようがない。
シュナイゼル自身、最初からそれらを全て見越した上で下述の共闘を持ちかけており、付け加えれば、後々邪魔になるであろう星刻や藤堂を体よく始末する目的も含まれていた。
いくらゼロに祖国の実権を乗っ取られてしまっていたとはいえ、帝都ペンドラゴンをギアスで洗脳された皇族や貴族はおろか洗脳を受けていない守るべき民衆ごと有無言わさず切り捨てるというゼロの所業と何ら変わらない凶行を平然と働いたシュナイゼルを星刻や扇達もは最初から信用してはいなかったが、戦力と情勢の観点からそれぞれ単独で挑んでは勝ち目のない状況だったがために他に選択肢は残されていなかった。
更に、この戦いの意義も最終目的及びその過程にも大きな差があり、『黒の騎士団にとっては超合集国への加盟条件を蹴って各国代表を拉致したブリタニアとの戦争』、『ブリタニア側にとっては新皇帝の即位を巡る皇位継承の内戦』で、超合集国と黒の騎士団は内戦に巻き込まれた形にもなっているが、同時にルルーシュ=ゼロという裏事情を知るシュナイゼル達からすればこの戦いの本質は先に扇達の引き起こした黒の騎士団の内輪もめであり、それにブリタニアはおろか世界中の国々が巻き込まれた形である。
元を辿れば確かにシュナイゼルはゼロの身柄を引き渡しを要求したが、その裏取引を飲んでゼロを処断するのに失敗した挙句、取り逃がした結果こうした現状を招くきっかけを先に作ってしまった責任は扇達の方にあることから、このシュナイゼルの行いに対して既に文句を言えた立場ではない。
とにもかくにも、後先考えずに恩人たるゼロを同盟関係にして軍事面における上司である星刻と政治面における上司である神楽耶に何の相談も無しに怨敵にあっさりと売り渡し、生き延びていたゼロが皇帝ルルーシュとして再び姿を現し、超合集国に加盟を希望した際に合集国側は条件を提示したが、投票数の調整案はともかく「ブリタニアという国を割るか」という黒の騎士団の権限外である政治干渉を行い、そのせいでゼロに合衆国の要人達を囚われるという致命的な大失態を犯してしまう。
救出の為にはシュナイゼル達と手を組む以外に選択の余地がなくなったが、シュナイゼルからすれば『ナナリーを皇帝に擁立して、自身が求める平和を実現できればよく、代表達を救出する理由も義理もない』ため、事実上ゼロとシュナイゼルの双方に各合衆国の代表を人質にとられてしまった事から彼の駒として下らざるを得なくなるという屈辱的な扱いを受けることになった。
このようにその場の状況に流されてシュナイゼルの駒となった結果、敵に回したゼロの戦略を見抜けなかったせいで容赦なく壊滅に追いやられ、シュナイゼルからも結局いいように使い捨てにされた末に完敗し、騎士団の実権をまんまと奪い返された挙句、逆賊として公衆の面前で処刑台に送られるという無残な醜態に晒すに陥った。
ここまでに至る有様は正に扇達がゼロに対して行った仕打ちの数々が、そっくりそのまま自分たちに返ってくるという本末転倒にして因果応報な結果であった。
加えて、ゼロ自身は下述のような非について自分自身を犠牲にして平和を築くという贖罪で彼なりにしっかりと責任を取ったのに対し、団員たちは黒の騎士団の内輪もめに世界を巻き込んだことを始めとする上述の非を「勝てば官軍」と言わんばかりに放免され、然程気に病む事なく順風満帆の人生を進み始めた為、いくらなんでも不公平あるいは無責任だと批判している視聴者も数多い。
ただルルーシュからしてみれば、そういった解りやすい反応をするからこそ、ゼロレクイエムを完了させつつも騎士団メンバーをなるべく多く生かすことが出来た。悪く言ってしまえば、最後の最後までルルーシュの駒でしかなかったのである。
もちろん、後述に記されたゼロの様々な非の重さも考えると五十歩百歩、これでお互い様では?という声もあり―――結局のところ扇たちの行動を肯定するも否定するもそれぞれの価値観や感性に基づく判断に委ねられるべきだろう。
ゼロの非
ゼロ=ルルーシュもC.C.やカレンといった一部を除いて団員達を使い捨ての駒程度としか見なさず、まともな信頼関係を築かずに、彼らの悲願である「日本解放」を自分に協力した報酬程度にしか考えていなかった心情に対する配慮不足など、彼の自業自得な側面もある。
しかし、元が反ブリタニア感情の強い日本人たちで構成された組織である以上、例え能力や実績を評価したとしてもブリタニアの、それも皇族である彼がトップに立つのは感情的に受け入れられなかった事情もあった。
加えて扇や玉城のように公私を混同する形で立場と権力を私的利用する者たちが上層部に紛れ込んでいたことから本心や正体を明かすような信頼などできるわけがなく、信頼関係を築けなかったことについては上述されている通り、扇を始めとする団員側にも多大の非があることからこのことについてはゼロばかりをあまり責めるのは流石に酷と言える。
とはいえ、それら全てを抜きにしても行政特区及びユーフェミアの件とブラックリベリオン時の敵前逃亡の二点は、それぞれが追放されてもなお大量の釣りがくる程の致命的すぎる大失態である。
前者に関してはあのまま「行政特区日本」が成立していれば組織の大義名分も日本の独立も失われ、そうなると半永久的にブリタニアの衛星国の域を出られなくなる事態に日本は追いやられてしまいかねないことから、この件だけは独立を優先する以上ユーフェミアを悪役に仕立てる以外に最善で代替案を用意する時間もなかった事例ではあった。
しかし、最悪のタイミングでのギアスの暴走事故とはいえ引き起こしてしまった虐殺劇は『故意ではなかった』などという言い訳など何の免罪符にもならない失態であり、無辜の市民の命が大量に失われるという事態をあろうことか自作自演で発生させてしまった。
その上、これ以上の被害を拡大させない為もあったとはいえ、結果的にこれに乗じて軍事行動を起こしてしまっている以上、如何なる弁解も空虚と評する他はなく、ルルーシュ自身もその罪を誰よりも自覚しており、己の浅慮を責め続けていた。
後者に関してはこれのせいで指揮統制が崩壊し、最大の敗北要因になったことのみならず、当時のルルーシュはナナリーの事しか頭になく、信頼が薄かった部下からの疑念をより決定的なものにしてしまった。(ただし、内通行為に走っていた扇や組織の離散中に民間人を巻き込む戦争犯罪行為に手を染めていた団員メンバーなど同罪かそれ以上の所業を働いていた者たちに限ってはこの行いを責める資格の無いと言わざるを得ず、この件に関してはどっちもどっちである)
しかもこれ以外にも、挙げればキリの無い問題のある行動をルルーシュは多々起こしており、彼の本質的な行動原理は極めて個人的なものだったので、変わりようがなかった。
そのため他の幹部たちからしてみれば不信と疑念の数え役満と言える状況を作り上げた責任は、間違いなくゼロ本人に帰することは明白である。(もちろん、上項で記されている通り扇を始めとした幹部たちも公になれば同罪に等しい問題行為を個々に引き起こしていたことを棚上げにしていた所があったのも事実なのでそこはお互い様なのだが)
しかし、最初の頃は上手くいかなければ組織そのものを切り捨てる方針だったはずが、目まぐるしい情勢の移り変わりと共にルルーシュ自身の思想も変化していった為、もう少しうまく立ち回れさえすれば穏やかな解散か組織存続が出来るような流れになっていた可能性も高い。
事実、ルルーシュ自身は国の指導者になる気はかけらもなく、生き残った騎士団メンバーも処刑寸前、というか恨まれればそれでいいので最初から処刑する気はなかく、ゼロレクイエムを経て無事に解放された。
故にルルーシュの行いも肯定されるか否かは、扇達と同様に視聴者の個々の感性と価値観に基づく判断に委ねるべきだろう。
その後
ゼロレクイエム後は超合集国の軍として存続し、同じく唯一残された騎士団である『グリンダ騎士団』と共に秩序維持に努めており、その中にはブリタニアの兵や元ナイトオブラウンズも所属している。またその一方で元々最初期からいた扇や玉城といった一部メンバーは、事情は解らないが黒の騎士団から脱退した模様。
光和2年(復活のルルーシュ)
ブリタニアが本来の意味で超合衆国に参加したことにより大きな争いがなくなったものの、世界全体の意思統一は完全ではなく、日本解放戦線残党によるテロ、ジルクスタン王国との争いに駆り出されている。