グソクムシャ
ぐそくむしゃ
基礎データ
※ききかいひ:HPが半分以下になると手持ちに戻る。
他言語版の名称
英語 | Golisopod |
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イタリア語 | Golisopod |
スペイン語 | Golisopod |
フランス語 | Sarmuraï |
ドイツ語 | Tectass |
韓国語 | 갑주무사 |
中国語 | 具甲武者 |
概要
『ポケットモンスター サン・ムーン』(第7世代)に初登場したコソクムシの進化系。
設定・ステータス共に弱々しかったコソクムシから、ダイオウグソクムシのような強力な姿へと変貌を遂げた、いわゆるギャラドスポジションにあたるポケモン。
上半身がグソクムシ、下半身が武者鎧といった風貌で、鋭い眼は刀傷のような十字状となっている。
名前の由来も恐らく「グソクムシ+武者」だと思われる。
鎧武者のことを具足武者ということもあるうえ、モデルになった生き物のグソクムシもこの具足が名前の由来なので、ほとんどそのまんまな名前。
全身を覆う外殻はダイヤモンド並みの硬さを持ち、6本の腕のうち2本は大きい籠手のような形状で、それぞれに鋭く巨大な伸縮自在の2本の爪を備えている。
この爪で空気や海水さえも一刀両断に切り裂いてしまうほどの腕前で、それ以外の小さな爪は敵へのトドメに使われる。
しかしながら勝つためには手段を選ばない性格であり、劣勢や身の危険を感じると本能的なレベルで撤退を選ぶ等、進化前の臆病さは消えきっていない。
野生の個体は沈没船や深海の穴蔵に生息しており、普段は瞑想をして過ごす他、武者らしくコソクムシを家来として従えることもあるらしい。
Newポケモンスナップでは海中ステージに登場。
海底に複数の個体が座禅を組んで図鑑説明よろしく瞑想している。ふわりんごを当ててもあまり動じる様子がないが、近くに生息するブロスターに攻撃を受けると目を覚まし、近くの別の個体同士で鍛錬の斬り合いを始める。
オトスパスとは縄張りをめぐる天敵同士で、なんと争いに負けた方は捕食されるという文字通りの死闘を繰り広げている模様。
かくとうタイプに耐性があるため勝ってもおかしくない相手なのだが、自然界ではその力関係は拮抗しているようだ。
特性は初登場の「ききかいひ」。
(とはいえ、実は進化前のコソクムシの特性「にげごし」と全く同じ効果であり、名前が変わっただけである。名前を変えて誤魔化すとは姑息な手を…)
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
75 | 125 | 140 | 60 | 90 | 40 | 530 |
外見通りタンクタイプの鈍足物理アタッカー。防御がずば抜けて高く、攻撃が2番目に高い。
特防もそんなに低いわけではなく、メジャーなかくとうやじめん、ドラゴンに有利なこおりを半減する優れた複合タイプを持つ。
生半可な不一致技ならそう簡単には沈まないだろう。
特徴である固有特性の「ききかいひ」はHPが半分を切ると場から離脱するというもの。
自身の行動前に発動してしまうと何もできずに退場するハメになり、恵まれた耐久を活かして場に居座る事も出来ないという、一見すると完全なデメリット特性である。またむしタイプなので特性の効果が発動する前に「ステルスロック」を使われると次に繰り出すときに大ダメージを受けやすくなる。
しかし、場に出たターンしか出せない強力な専用先制技「であいがしら」を複数回使用する機会に恵まれるという利点もあり、行動後に発動することで味方を無傷降臨させられるというトリッキーな使い方も可能。
HPが半分以下になった瞬間が発動条件なので、「いのちのたま」や相手の「ゴツゴツメット」で攻撃後にHPが減って半減以下になった時にも逃げることが出来る。場合によっては擬似的な先制とんぼ返りと言えなくもない。ちなみにオボンの実等でHPが半分以上に戻った場合は引っ込まない。
加えてレベル技で「ふいうち」を、遺伝技で「アクアジェット」を習得できる先制技のエキスパートであり、正々堂々と戦う重厚な武士のような容姿とステータスをしていながら、その実態は不意打ちを主体とするヒット&アウェイな遊撃手。
問題はその戦法が読まれやすい事と、カプ・テテフのように先制技そのものを封じてくる相手や、ファイアローのように自身より早く先制攻撃できる相手にはめっぽう弱いという事。
また、先制技が豊富な反面高威力技に乏しく、特性の関係もあって「つるぎのまい」等の積み技が腐りやすいため、何かとステータス以上の威力を出すのが難しい。
積み技は基本的につるぎのまい以外は腐るため、いっそフルアタ構成にしてしまうか
ききかいひを利用して攻撃を一発受けてから退避してアタッカーに繋ぐ戦法もあるだろう。
だが油断して対面で積んできた相手に「アクアブレイク」を叩き込んだり、逆に「であいがしら」を警戒して「まもる」を行った相手を「つるぎのまい」→「アクアジェット」のコンボで仕留めたりと、技構成次第では十分な対抗が可能。
また、「ムシZ」で「であいがしら」をZワザにすれば、その高い威力を2ターン目以降も振るう事ができる(先制や連発は出来ないが)。
総じてトレーナーの力量が問われる玄人向けのポケモンと言えるが、その判断を読み誤ったり、よほど運が悪かったりしなければ、その見た目通り心強い従者として侍ってくれる存在となるだろう。
剣盾にも続投し、本作ではZワザは失ったがわざレコードでインファイトを習得した。
反面、(伝説を含む)野生ポケモンとの闘いでは、HPが半分を切るとその場でバトルを終了させてしまうという致命的な欠点が存在する。
SM(第七世代)の野生戦闘は2匹がかりで体力を削ってくる事が非常に多いため、高耐久で高い攻撃からの「みねうち」を使えるからと、捕獲の場に出すことはしないように注意するべし。
アニメ版
グズマのグソクムシャ
アニポケでもグズマのポケモンで登場。
アローラリーグ2回戦では「グソクムシャの焦らずのじごくづきでアシレーヌの歌声を封じ込む」という対処法で、スイレンのアシレーヌを易々と圧倒し、Zワザの「わだつみのシンフォニア」もアクアブレイクでねじ伏せ勝利している。
サトシとの準決勝では、堅実に一進一退の攻防を進めるが、ニャヒートの奮闘に臆して勝手に「ききかいひ」を発動した事で、代わりに出されたハッサムが炎技の直撃を喰らい瞬殺されるという失態が発生。
グズマに叱り飛ばされてなんとかニャヒートを倒すが、続くピカチュウにはアイアンテールで防御のバランスを崩れされる形で追い詰められる。しかし、上記の自責からピカチュウの「スパーキングギガボルト」を死に物狂いで耐えてみせた。最後はグズマと共に「行けるとこまで行ってやる」という純粋な思いで全力の戦いに挑み、一騎討ちの末敗北する。
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
- 14章でもグズマのポケモンで登場。進化前からの自然界の掃除屋としての習性で、腐ったエサでも食べるため臭いらしい。食事に使うツメも汚れていた事が仇となり、額の小判を汚されて怒ったサンのダラー(アローラニャース)に倒された。
- 15章ではシーソーコンビのポケモンとして登場。自分達とローズの関係を知ったソニアが残した証拠映像を探しにマグノリア号を襲撃。その際、1年前に行方不明になっていたシルドミリアのメガ(ガラルマッギョ)を連れていた事が判明する。シーソーコンビがムゲンダイナと対峙した際はみずタイプでありながらムゲンダイナの「かえんほうしゃ」に敗れる。
余談
武者という名前の割には勝つ為に手段を選ばない、武士道もへったくれもないダーティな面があるポケモンだが、主君に忠誠を誓い、名誉を重んじるという武士道のよくあるイメージは江戸中期以降をベースに明治以降に階級社会を美化する為に創作された側面が強い。
江戸時代初期より前の武士については、上下関係や戦法についての捉え方にばらつきがあったとされ、特に戦国時代の武者たちは乱れた世を生き抜くため手段を選ばない者が多かったという。
グソクムシャのイメージはむしろこうした戦国の武者たちに近いと言えよう。
関連タグ
ポケモン一覧 むしタイプ みずタイプ ダイオウグソクムシ 武者
ターンX←それとなく良く似ている。パイロットも武士風なわけで。
コキュートス(オーバーロード):カップやきそば現象。こちらはこおり・むしタイプ
センチピード(ニンジャスレイヤー):漫画『ニンジャスレイヤー殺』版のデザインがグソクムシャに酷似している。
アヴ・カムゥ:細身の身体に甲冑を纏っている。
カブトプス:進化前はモチーフそのままの姿だが進化すると2足歩行になる点が共通している水棲生物のポケモン。