※ 他のシンに関してはこちらの記事を参照。
「力こそが正義 いい時代になったものだ」「強者は心おきなく好きなものを自分のものにできる」
「なん本目に死ぬかな~~」
「生きて… ただ生きてさえ いてくれれば もう…」
CV:古川登志夫(テレビアニメ他多数)
桐本琢也(新劇場版、スマショ、リバイブ)
プロフィール
身長 | 183cm |
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体重 | 98kg |
スリーサイズ | 130・92・105 |
首の太さ | 43cm |
概要
南斗六聖拳「殉星」の男であり、南斗孤鷲拳の伝承者。
主人公・ケンシロウの胸に刻まれた北斗七星型の七つの傷を刻んだ張本人であり、序盤ストーリーにおけるケンシロウの宿敵にして最初の強敵(とも)。
本編の一年前に、ケンシロウの恋人であるユリアを強奪。その後は暴徒たちを束ね、関東一円を支配する大組織「KING」の長として君臨。広大な街サザンクロスを根城に各地で暴力と略奪を繰り返した。
人物像
ブロンドの長髪に彫りの深い整った目鼻立ちが特徴。
世紀末では珍しく露出度の低い衣装で、中国の拳法着と軍服を合わせたようなタイトなスーツを着用し、粗暴で豪胆な手下たちに比べスマートな印象で描かれている。衣装の色は概ね白で、全体的に暗い色合いのケンシロウと対比となる姿となっている。(ちなみに旧アニメや劇場版、原作のカラーコミックでは紫や黒で描かれることも)
その気品を感じさせる容貌とは裏腹に、その性格は執念深く野心家。自身が欲するものは全て力で手に入れることができるという考えを持ち、KINGとして各地で略奪を繰り返したのも、すべてはユリアの心を己に向けさせるためであった。ケンシロウとの戦闘シーンでは、平時の落ち着きのある表情から一変して狂気に駆られた歪んだ笑みをみせている。
ケンシロウ・ユリアとは面識があり、ユリアに対し以前から恋慕していたようだが、作中でそのことを口にした際には彼女から「わたくしはあなたにそう想われていると知っただけで死にたくなります」と辛辣な言葉を返されている。
しかしその本質は、南斗六星の中で愛に殉ずる星とされる「殉星」を宿星とし、死後に明かされた真実において、ユリアを迫る脅威から守るために自ら悪名を被るという健気な生き様を示している。
戦闘スタイル
南斗六聖拳の枠組みおよび「南斗孤鷲拳」という呼称は後に追加されたものであり、原作で登場した時点ではその設定は無くただ単に「南斗聖拳の使い手」だけであった。
(後にシンは孤鷲拳以外にも南斗108派の内の複数の流派を修得していたため、「南斗聖拳のシン」という呼称を使われるようになったと説明されている。)
切断より貫通をメインにしている突き刺し型の奥義を主としており「外部から突き入れ破壊する」という南斗聖拳の定義が合致する正統派の拳法である。
代表的な技は「南斗獄屠拳」「南斗千首龍撃」等。
本編での活躍
199X年、終末戦争により人類の築き上げた文明が崩壊し、世界は暴力が再び支配する乱世へと変わる。そんな中ケンシロウとユリアは、二人で安住の地を求めて旅に出ることを思い立つ。
当初、シンは相思相愛なケンシロウとユリアの幸せを考え、ケンシロウにユリアを託し、身を引くつもりだったが、ケンシロウを忌み嫌う兄弟子ジャギから「シンよ、なぜ諦める必要がある?今の時代(甘い)アイツじゃ生き残れねぇ。となれば、ユリアは誰かの手に必ず堕ちる。それでもいいのか?(ユリアを)奪い取れ!今は悪魔が微笑む時代なんだ!」と唆され、その決意に迷いが生じる。
ケンシロウたちの出発当日、シンは多くの部下たちを従えて二人を包囲。動揺するケンシロウを他所に奥義「南斗獄屠拳」で強襲。ケンシロウを瞬く間に打ち倒した。ケンの身を案じるユリアに対し「オレを愛していると言ってみろ」と詰寄り、それを否定されると、満身創痍なケンシロウの胸を指突で抉り始める。止めるように懇願するユリアを他所に、シンは次々とケンシロウの胸を抉り続ける。その無残な所業と、たとえ命を捨ててでもユリアを守ろうとするケンシロウの姿に耐えかねたユリアは、とうとうシンの言葉に従い「愛します!一生どこへでもついていきます!」と愛を宣言する。シンは彼女の言葉を受けるとケンシロウをその場に捨て置き、高笑いとともにユリアを連れ去った。
その後は「力こそが正義」という信念の下、世紀末な暴徒たちを束ね上げ「KING」という大組織を結成し関東一円を支配する。ユリアの愛を得んがため各地で略奪した宝石やドレスなど与えうる全てを与えるが、彼女はシンに心を開くことは全くなかった。それは、こうした品々を略奪する上で他者が血を流しているという事実を憂いでのことだったが、シンはその真意とは逆行し更にスケールが大きな貢物をしようと躍起になり、ついには彼女だけの街「サザンクロス」を築く。この行為をユリアはひどく悲しみ、自身が生き続けるかぎりシンは略奪を決して止めることはないと嘆き、城から身を投げてしまう。
この時シンは生まれて初めて涙を流し、ユリアの生存だけを心の底から願いながら急いでユリアの落ちた場所へと駆けつける。しかしユリアは無傷の状態でその場に横たわっており、彼女を助けた南斗五車星により、南斗正統血統者である彼女を引き取りにきたと告げられる。はじめは自身がユリアを守ると拒んだシンであったが、間もなくサザンクロスにラオウ率いる拳王軍がユリアを求めて迫って来ることを知らされると、ラオウからユリアを守るため五車星の戦士たちに彼女を託し、自らは「ケンシロウとの決着をつけるのに、むしろ好都合」とユリア殺しの悪名を背負ってケンシロウに挑むことを決心する。
この真実は後にフドウがケンシロウに伝えている。
その後シンはサザンクロスに乗り込んできたケンシロウと再び対戦するも、一年の時を経て現れたケンシロウはかつて己が教えた「執念」で大きく成長しており、終始劣勢に追い込まれる。
ケンシロウの執念の根源であるユリア(にソックリな人形)を殺してみせるも、逆に彼の怒りを買ってしまう。最後は「北斗十字斬」により、かつて「北斗七星」の傷をつけたお返しに己の国の紋章である「ブラッディクロス(血の十字架)」の形に秘孔を突かれる。
死期が迫る今際の際までユリアの生存については語らず、「ユリアはもういない」と嘘をつき、ユリアの心を最後まで掴めなかった事を嘆き涙を流した。最期は彼の拳で死ぬことを良しとせず、かつてのユリアと同じように自らも飛び降りて死んでいった。
彼の行動原理は全てユリアへの愛そのものであり、その「殉星」という宿星どおり、彼は愛に最期まで殉じて散って逝った、悲しいまでに純粋すぎる男であった。
シンの死後、ケンシロウは彼の亡骸を自らの手で埋葬する。旅の仲間であるバットからは、数々の悪事を働きケンシロウ自身も散々苦しめた存在であるシンを何故手厚く葬るのかと疑問を投げかけられたが、ケンシロウはそれに一言「同じ女を愛した男だから」と答えた。
第1部「サザンクロス」編のみの登場だが、ケンシロウの心に深く刻まれる人物となり、後の物語でも回想シーンや空に浮かぶ幻影などでその姿が描かれるが、その多くは生前とは異なり穏やかな笑みを浮かべている。
余談
元々シンは、本作が早い段階で終了した時のために、物語を締めくくる最後の敵として作られたキャラクターであった。
「北斗神拳と対となる南斗聖拳」「関東を支配するグループのリーダー」「ユリアを浚った張本人」など、重要な設定を持っていたのはこの為である。
また、前述のユリア人形は「胸に拳を突き入れると、目と口が見開いて倒れながら目が閉じる」というギミックが搭載されており、ケンシロウは最初これが人形だと見抜くことが出来なかった。
古川登志夫氏演じるシンの「うえらー!」という独特の掛け声は、当時氏が使っていたシャンプーのメーカーである。
後続作品でのシン
TVアニメ『世紀末救世主伝説 北斗の拳』
概ねの設定は原作漫画に準じているものの、原作に登場した四幹部(スペード・ダイヤ・クラブ・ハート)以外に、アニメオリジナル展開として側近のジョーカー・将軍のバルコムなど多くのキャラクターが登場。更には原作ではシンの死後に登場している元レッドベレーのカーネル率いるGOLAN、野盗のジャッカル一味などもKINGの傘下である二次組織という設定が追加された。
後に多くの兵を率いて反乱を起こしたバルコムをいとも容易く粛清したがKINGは崩壊し、サザンクロスは焦土と化してしまった。その直前に、ユリアの脱走を手助けした侍女サキを追放と称して彼女の故郷に送り返すなど僅かながら人情を垣間見せる描写もあった。
劇場版『世紀末救世主伝説 北斗の拳』
原作を改変したオリジナルストーリーが展開する本作では、旅立つ直前のケンシロウを襲撃しユリアを奪うという展開は共通するものの、その後、サザンクロスを抜け出そうとしたユリアが街に侵攻する拳王・ラオウに捕まってしまう。拳王軍の応戦に追われる幹部カーネルに対し「ユリアはどこだ?」と尋ね、「お言葉ですが今はそれどころでは・・・」と答えたカーネルに逆上し惨殺する。その後、ユリアを手中におさめ、そのままKINGも取り潰そうと乗り込んだラオウと対峙するが敗北。
ケンシロウが遅れてやってきた頃には拳王軍は撤収しており、シンはその負傷を隠してケンシロウとの因縁の対決に挑んだ。しばし拳を交え、ケンシロウの成長に感心するが、同時にラオウに突かれた経絡秘孔により体の倒壊が始まってしまう。ケンシロウに「死ぬならお前の拳にかかって死にたかった、同じ女を愛した男だから」と原作とは正反対の言葉を遺し、ユリアが連れ去られたカサンドラに行くようケンシロウに告げて絶命した。
『外道伝』シリーズ
「HEART of Meet」では、アルフレッド(後のハート)の姉を殺し彼をもを狙う2人のギャングを倒した後、「奪われたくないものがあるなら奪うだけの力を身に着けることだな」と忠告し、奮起した彼を傘下に加えた。
「シン外道伝 Right On King」では、実父にして先代伝承者であるギシャクにより、孤鷲拳を無敵不敗の拳へと高めるべく、幼い時から厳しい修練を受けて育った。
そんな中同年代のケンシロウと出会い、互いに厳しい修行を重ね励まし合う中で友人関係になっていくというストーリーが描かれた。これが『イチゴ味』におけるケンシロウに思いを寄せるKINGのはじまりであった。
また写真だけではあるが、母親も登場している。
アーケード格闘ゲーム『北斗の拳』
ハート様と同じく、すべての相手をガードクラッシュさせることが可能。
南斗獄屠拳や南斗千首龍撃と言ったお馴染みの技は勿論、原作で使用した技の全てに名前が付けられている。他にもこのゲームの為に新たに作られた技も数多く存在する。
また、一撃必殺奥義である南斗翔鷲屠脚は、原作でケンシロウの胸に7つの傷を付けたシーンの再現となっている。
他にも、ジャギのシン専用技「今は悪魔が微笑む時代なんだ!」の対象だったり、勝利ポーズではどこから持ってきたのか、ユリアの人形を取り出す等、他のキャラに負けず劣らずの再現っぷりである。因みに、VSジャギ戦では、「何を迷うことがある、奪い取れ!今は悪魔が微笑む時代なんだ!」というジャギの唆しを、
「その程度で、俺の心が動くと思っているのかァー!!」
と拒絶している。
原作では接点のないマミヤとの対戦時には、彼女の容貌を見て「ユリアに似ているな…」と物哀しげに呟く姿もみられる。
当初は一撃必殺奥義用の星取り能力や立ち回りに優れる事から最強クラスとされたが、固め能力や火力が低めで永久コンボとも無縁だったので相対的に評価がダウン。
現在全体的な強さのランクとしては下位だが、対戦で大きな不利を蒙るキャラはおらずその分自分の実力に大いに左右されるキャラであり、初心者から上級者まで使う人は多い。
5様の持ちキャラだというのは今更言うまでも無いだろう。
また、ACのみ「ムテキング」という投げ技・当身以外の一切の攻撃が当たらなくなるバグが存在する。
それ以外にも地上弱南斗獄屠拳の出がかりが相手の攻撃と相討ちになった時に南斗翔鷲屠脚を出すと、シンがものすごい勢いで画面外真上にカッ飛ぶ『5様スペースキック』と言うバグ技も存在する。この時のシンは地上判定で、横軸で隣接した相手を投げる事で地上に降りられる。
見た目がおかしくなるバグには、ガードキャンセルと南斗千手龍撃を特定のタイミングで合わせると南斗千手龍撃のエフェクトが残り照明に照らされたようになるモノがある。
サラダバー!
…自殺ダメ。ゼッタイ。
北斗無双シリーズ
本作オリジナル衣装として、KINGのモチーフでもあるトランプを意識した左右非対称なデザイン。カラーリングはTVアニメシリーズを意識してか、白・紫・金の三色で統一されている。
幻闘編では、原作同様にユリアをフドウに託した後、ラオウという脅威に怯えユリアを手放した不甲斐無さから陰鬱とした日々を送っていた。気休めに招き入れた占い師から「いずれケンシロウとの決戦に敗れる」という予言を受けたシンは、ユリアを守るため、ケンシロウやラオウを倒すため、更なる力を渇望するようになる。
ユリア外伝
十人組手に余裕の勝利を見せるなど拳の天才と称されている。
関連イラスト
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関連タグ
銀河超獣バルガイヤー:彼と似たような行動をしていたスーパー戦隊のラスボス
フェイスレス:TVアニメ版でシンを演じた古川登志夫氏が後年に演じたキャラクターであり、想い人を彼女が好きな相手から無理矢理、引き離すも結局、幸せになれなかった繋がり。
錦山彰:北斗が如くでシンを演じた中谷一博氏が以前演じたキャラクターであり、かつては主人公の親友であったが、歪んでしまい主人公と敵対するに至ってしまった悪役キャラクター繋がり。
南斗六聖拳
南斗孤鷲拳・シン(殉星)
南斗正統血統・ユリア(慈母星・南斗最後の将)