「勝手に炊いたのは堪忍でやんす!!!だけどこの人はおらの命の恩人なんでやんす!!!」
「おらに恥をかかせねェでけろ!!!」
「るふぃのアニキにちゃんと恩返しさせてけろ゛…!!!」
「なめてもらっちゃ困るよ!!おナミちゃん!!」
「おら達"サムライ"として!!ここに来たんでやんす!!!」
「モモ君がしょうぐんの「ワノ国」おら見たいでやんす!!」
「ハラへるのもういやでやんす!!ごはん食べたいでやんす!!!」
概要
編笠村という村で生活していたが、村が滅んだ今は師匠の天狗山飛徹と二人で笠(編み笠)を売るなどして暮らしている。妖艶なくの一になることが夢。
プロフィール
本名 | 黒炭玉 |
---|---|
別名(愛称) | お玉 |
年齢 | 8歳 |
身長 | 108cm |
肩書き | 編み笠売り→くの一見習い |
悪魔の実 | キビキビの実(超人系) |
出身地 | 偉大なる航路 新世界 ワノ国 九里 編笠村 |
誕生日 | 3月3日(桃の節句) |
星座 | うお座 |
血液型 | F型 |
好物 | おしるこ、りんご |
初登場 | 単行本91巻 第911話『侍の国の冒険』 |
WT100 | 54位(18159票) |
CV | 潘めぐみ |
人物
容姿
紫色の髪を後ろで束ねて団子状にし、両方に花飾りのある簪で纏めた髪型と、所々継接ぎがしてある着物が特徴。着物が傷んでいるのはワノ国の荒廃と階級制度の影響によるもの。
性格
一人称は「おら」で、二人称は様々。本編で交流を深めたルフィのことは「アニキ」と呼び、他の麦わらの一味に対してはモモの助が付けたワノ国風の名前(「おナミ」や「ウソ八」など)に「君」もしくは「ちゃん」をつけている。また、人と話す際には語尾に「やんす」をつける。
4年前の出来事をきっかけに"妖艶"なくの一を志すようになり、現在は村で笠を編んで僅かな金銭を稼ぎながら日々修行に励んでいる。
受けた恩はたとえ自分に負担が掛かるとしても必ず返すという考えを持ち、作中では自身を助けてくれたルフィに対して、何ヶ月もまともな食事をとれていないにもかかわらず米と漬物を差し出している。そしてルフィが飛徹から責められた際には「恥をかかせないでくれ」とルフィを庇っている。この一件でルフィからは好感を持たれており、友達(ダチ)と認識されている。
一方で国の現状を受けてか、他人から施しを受けることには若干の抵抗があるようで、作中でおしるこを出された際には受け取るのを拒否しようとしていた。また、腹の音が鳴ることも「武士の恥」としている。
また、時に8歳の少女らしからぬ大胆な行動を起こすことがあり、凶悪な百獣海賊団の軍勢が居を構える兎丼の囚人採掘場や鬼ヶ島に乗り込むことを即決するなど、決断力と実行力が非常に高い。
この一面に関しては飛徹から心配されているが、この行動が結果的に味方が有利になることが多い。
能力
悪魔の実
悪魔の実 | キビキビの実 |
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能力 | 自分のほっぺを団子のように分離させ、食べさせた動物を自分に服従させる。 |
「きーびーだん」「ごっ!」の掛け声と共に自分の頬を団子のようにつねり取り、それを動物に食べさせる事で真価を発揮する。
団子はきび団子のようで、直前までお玉を激しく威嚇していた動物でも、この団子を一つ口に突っ込まれれば即座にお玉に懐いて何でも言う事を聞くようになる。この状態ではお玉を「ただ一人のご主人様」と認識するようになり、お玉以外人物の命令は任意で無視するようになる。
この団子は人間には効かないとのことだが、SMILEの能力者には有効で、スピードとババヌキにもきび団子を食べさせ、家来にしている(ルフィ曰く「(スピードは)半分馬だからじゃねェか?」)。
百獣海賊団にとっては戦力の基盤であるSMILE能力者を根こそぎ覆されかねない脅威であり、実際に鬼ヶ島討ち入りの際にはお玉によって300名もの敵兵が寝返り、戦局を大きく揺るがした。
自我と理性ある人間達が、自身の人格を歪められてお玉を「ご主人様」と心から慕うようになる様子は、絵面的にもガチな洗脳能力としか見えず、普通の少年漫画ならば悪役が使いそうな能力である。それを主人公の味方側につく悪意なき無邪気な少女が使いこなすと言うのが、本作の多様性とも言えるところだろう。
なお、能力で作った団子は腹にたまらないらしく、非常食などには使えない。
また、他人が無理やり頬をつねっても団子は作り出されず、ただ頬が引っ張られてお玉本人が痛い思いをするだけである。
外部に影響を及ぼす悪魔の実の能力(特に超人系のもの)は、外的原因によって能力者が意識を失うか死亡すると強制的に能力の影響が解除されるケースが多いが、お玉の場合は少なくとも彼女が失神・気絶した程度では能力の影響が解除されない模様。
例としてスピードはお玉と共にカイドウの襲撃を受け、その際にお玉は気絶してしまったが、その後もお玉を「ご主人様」と呼び、彼女を守り切れなかった事を悔いていた。また、鬼ヶ島ではクイーンの迫力に驚いて一瞬気を失ったものの、きび団子を食べさせたギフターズは彼女の能力の影響が全く消えていない。
状況的に再度食べさせられるようなチャンスも無かったはずだが、それでも誰一人として能力の影響下から解放された様子が見られないのは悪魔の実の能力としては破格であり、相性の悪い敵側からすれば非常に厄介なものだろう。とは言え死亡した場合はさすがに分からないし、お玉自身がまだ幼く直接戦闘は不可能なレベルで非力なので、単独でこの能力を駆使して活躍する事は難しい上にリスクが高い。
ただし、一ヶ月程度経過すると(正確には、食べた日の夜と同じ月の形のなった夜)、強制的に解除される。ただし、懐いていた間の記憶は残るため、その後に能力者に従うかどうかは本人の意思次第である。性格の良いお玉が能力者であったためにそのような事は起きていないが、食べた動物を奴隷のように扱えば一ヶ月後には解除されて報復を受ける可能性がある。
過去
エースとの出会い
4年前、村に住む全員が飢餓で死に絶える危機を迎えた中で当時スペード海賊団の船長を務めていたポートガス・D・エースが九里ヶ浜に漂着。村人たちは海賊団の船員全員を縛り上げ、食糧と水をすべて奪取して僅かながら危機を脱した。
その後エースは能力で簡単に拘束を解き、村人は復讐も覚悟したが、続く彼の発言により村人はエースがわざと捕まり食料や水を提供したと知る。その後エースは数週間ワノ国に滞在し、お玉はエースに懐いた。
別れ際、お玉はエースに仲間にしてほしいと頼み込むも、海の過酷さを知るエースは「海賊は強くなきゃダメだ」として乗船の許可を下ろさなかったが、同時に「次にワノ国に来た時に"妖艶なくの一"になっていたら仲間にする」と約束される。
この言葉を受けたお玉は文字通り"妖艶なくの一"を志すようになった。
この期間中、お玉はエースに笠の作り方を教えており、この出来事が後にリトルオーズJr.にプレゼントした大笠に繋がっていく。
1年前、エースによって食糧難を乗り越えた編笠村は新たに百獣海賊団の真打ちとなったX・ドレークによって滅ぼされてしまうも、お玉はエースとの再会の約束を果たすため、天狗山飛徹と狛ちよと共に廃れた村に留まり続けた。
活躍
第2部 最後の海 新世界編
ワノ国編
第一幕
町に買い物に出た帰り道に百獣海賊団と遭遇して持ち物を全部奪われ、腹いせに光月家の関係者と言ってしまったために彼らに自身の身も捕らえられる。しかし、ワノ国に漂流してきたルフィの戦闘により結果的に助け出されて、恩返しとしてルフィに食事を提供する。
実はお玉は普段から飯を食べておらず、用意していた米も師匠の飛徹がお玉の8歳の祝いとして特別に考えていたものであった。飛徹はルフィが米を食べたことに怒るも、お玉は恩返しとして正当なものだと主張するほか、川の水を飲むことで空腹を紛らわせる。だが、川の水はカイドウが建設した工場により汚染されてしまっていた。
この際、ルフィから4年前から待ち続けているエースが死んだという話を突如聞かされ混乱。ワノ国の鎖国国家という性質上、頂上戦争について知らなかったお玉はエースが戦死した事実を受け止められず、ショックのあまり失神してしまった。
その後、ルフィは飯を食べさせてもらった恩返しとして汚水を飲んで身体を壊したお玉を医者のもとに連れて行くことを決断。そしてたどり着いたおこぼれ町でお菊やお鶴の治療を受けて無事に快復し、お鶴から誕生祝いとしてご馳走になったお汁粉の味に感動するが、百獣海賊団のホールデムにその能力の有用さを見込まれてギフターズに連れ去られてしまう。
ホールデムに捕まってからは、彼女の能力を確かめようとした彼にペンチで頬を引っ張られる拷問を受けるが、そこにルフィに敗北した浦島が吹っ飛んできてホールデムの家を破壊。それに怒ったホールデムに人質として利用されてしまうが、一瞬の隙を突いたルフィに助けられ、きびだんごを食べさせた百獣海賊団のスピードに乗ってルフィと共におこぼれ町まで逃走した。
ルフィ達がおこぼれ町に食料を届けた後は、ルフィからもらった林檎を持ってスピードに編笠村まで送り届けてもらう事に。しかしその道中、スピードの離反を知ったカイドウに見つかり、スピードもろとも重傷を負わされてしまう。
その後はワノ国に到着したイヌアラシに保護され、チョッパー達の手当てを受け無事に回復した。
第二幕
回復後はチョッパーやモモの助、お菊と共にルフィが捕まったという兎丼の囚人採掘場まで向かうも、その道中で海岸に打ち上げられ記憶を失っていたビッグ・マムと遭遇。ビッグ・マムこと“おリン”とはお汁粉の話で意気投合し、一緒に囚人採掘場に到着した。
ルフィ達が囚人採掘場を制圧した後は、看守長のババヌキにきびだんごを食べさせて家来にし、百獣海賊団の増援が来ないよう虚偽報告を行わせたその後、編笠村に帰還した。
第三幕
「討ち入り」決行当日は赤鞘九人男とモモの助を見送っているが、狛ちよときびだんごを介して友だちひひ丸、そしてスピード、ガゼルマン、ダイフゴーと共に船で鬼ヶ島に乗り込む。上陸後に一行は分散し、お玉は狛ちよに乗って飛び六胞のうるティとページワン姉弟によって窮地に陥った満身創痍のナミとウソップを救出し、ひひ丸に2人を3分間足止めするよう頼んだ。
戦場を離れた後は助け出した2人にルフィがエースの弟であることを聞き驚愕。ルフィに対して酷いことを言ったと自身を責めるがナミに慰められ、気持ちを引き締め直す。そして自身が船で大量に生み出したきびだんごをギフターズに与えて勢力図をひっくり返す作戦を話し、実行に移る。
2人との連携や各地に散ったスピードたちによってきびだんごは着々とギフターズの口に入り、途中で追いついてきたうるティに傷を負わされながらも、遂に城内のライブフロアに到達。再度追いついてきたうるティがナミによって撃破され、ウソップによって城全体の発信機代わりとなっていたバオファンが拘束されたことで、お玉は遂に号令をかける。
「き!!きびだんごを食べたお友達〜〜お願いでやんす!!!」
「ルフィのアニキ達とモモの助くん達の!!!味方をしてけろ〜〜〜〜!!!」
「一緒にカイドウを!!!やっつけてけろォーーーーーー!!!」
結果、きびだんごを食べた真打ちとギフターズ約300名が侍たちに寝返り、真打ちの部下が追従する効果も発生したことで約2000名の敵戦力を味方につけることに成功。同時にジンベエやフランキーといった百獣海賊団の敵幹部と交戦していたメンバーがそれぞれ1対1の戦闘に持ち込み、各個撃破する流れを作ることになった。
余談
- 年齢について
現在8歳になったお玉だが、4年前にエースから「お前まだ5歳だろ」と言われており、「4年前に5歳」という矛盾が生じているが、これに関してはVIVRE CARDにて補足があり、その理由は「エースの仲間になりたいがために当時4歳だったが背伸びをし、年齢を5歳と偽った」というものだった。
両親の名前が書かれた卒塔婆には「炭」らしき文字が見え実は黒炭家の出身ではないかと噂されていたのだが、2023年3月3日発売のコミックス巻百五のSBSにて彼女の名字が黒炭であることが判明、つまり、彼女の本名は「黒炭玉」であったことがわかった。
ただし、特に光月日和の台詞「燃えてなんぼの黒炭に候」から、こうなると彼女がワノ国の周囲から恨まれてしまうのか、といった問題も考えられる。しかし、原作者尾田栄一郎本人は、日和に限っては恨んでいる黒炭はオロチただ一人であるということを述べている。しかし、その一方で「もしワノ国の住民がお玉の血筋を知ったらどう反応するのだろうか」という問題提起も行っており、同時にこれは「昔も今も社会の大きな問題である」というように、中々に風刺の効いた結論で締めくくっている。
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ヤマト…お玉同様、ワノ国でエースと深い関わりを持つ。