概要
通常は蝶と蛾、つまり鱗翅目昆虫の幼虫全般を指して称する。英語は「caterpillar」(キャタピラー)。
狭義ではそのうち体表に目立つ毛を持たない種類を指す。長い毛を持つ場合には、通常は「毛虫(ケムシ)」と称してさらに区別する事が多い。
もっと広義の「芋虫」では鱗翅類のみならず、蜂であるハバチやキバチの幼虫も含まれる。この類の幼虫は鱗翅類のとよく似ているが、1対だけの単眼と6対以上の腹脚(後述)で見分けられる。
日本人には「アオムシ(モンシロチョウなどの幼虫)」が最も親しみ深い芋虫であろう。他にも「カイコ(カイコガの幼虫)」や「シャクトリムシ(シャクガの幼虫)」など、種類により特別な通称を持つ芋虫がいくつか挙げられる(後述の名タグを参照)。
丸い頭部だけ硬く、残りの胴部は柔らかい。頭には短い触角、頑丈な顎と6対の小さな単眼を持つ。
"脚"として機能し、腹部に沿って5対(シャクトリムシは2対、プス・キャタピラーは7対)生えている疣状の「腹脚」は、厳密には脚ではない。芋虫も昆虫の例に漏れず、脚は3対6本であり、頭のすぐ後ろの3体節、すなわち胸部によく見ると本物の小さな脚が生えている(一部のシャチホコガの幼虫は例外的にこの脚が長い)。
ほとんどの芋虫は草食性であるが、シジミチョウ(ゴイシシジミなど)やハワイのカバナミシャクなどに肉食性の幼虫もいる。
「芋の様な胴長の虫」ではなく、「サトイモの葉を食い荒らす害虫」という意味が語源である。この語源のように農業従事者にとっては厄介な害虫となる事が多く、特にヨトウガ類の幼虫は「ヨトウムシ(夜盗虫)」と呼ばれ嫌われている。
芋虫をモチーフとしたキャラクター
- キャタピー※1、ケムッソ※2、ミノムッチ※3、メラルバ、コフキムシ、ユキハミ※4(ポケットモンスター)
- それぞれ1:ナミアゲハの幼虫、2:毛虫、3:ミノムシ、4:ジュエルキャタピラーがモチーフとされる。
- バキシム(ウルトラマンA)
- ハナチャン(スーパーマリオ)
四肢欠損の比喩表現として
四肢がすべて欠損している状態をして芋虫に喩えることがある。
由来は江戸川乱歩の同名小説か。
なおタグとしての用法は達磨に比べるとかなり少数。
FPS用語として
ゲーム中ほとんど動かず匍匐状態のまま、敵が来るのを待つスナイパーの蔑称。「芋砂」「砂芋」あるいは単に「芋」などとも呼ばれる。
語源は『Battlefield 1942』において活動していたクラン「m8s」の作ったMADムービー「芋虫の一日」から。