概要
またはその一種Stauropus fagiの和名。
場合によっては、かつてシャチホコガ科に含まれていた近縁科のミナミシャチホコガ科やトガリバシャチホコガ科も含む。
中~大型種が多く、シャチホコガ(種)やヒメシャチホコなどの一部の種の幼虫は4本の脚が異様に長い。
成虫の触角はメスが鋸歯状、オスが羽毛状。
休む時の翅は屋根状に畳む。
多くの種で前翅後縁(畳む時は背面中央)の毛が目立つ。
幼虫がサクラを食害するモンクロシャチホコや、丸まった枯葉に擬態したムラサキシャチホコ、折れた木の枝に擬態したツマキシャチホコなどが有名。
種としてのシャチホコガ
和名 | シャチホコガ |
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学名 | Stauropus fagi |
英名 | lobster moth |
分類 | 鱗翅目 ヤガ上科 シャチホコガ科 ウチキシャチホコ亜科 シャチホコガ族 Stauropus属 |
前翅長 | 26~28mm |
開翅長 | 40~70mm |
分布域 | 日本(北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、対馬、屋久島)中国、朝鮮半島、サハリン、ヨーロッパ |
幼虫の食草 | ムクロジ科「楓、紅葉」、ニレ科「ケヤキ」、カバノキ科「シラカバ、イヌシデ」、ブナ科「クリ、コナラ、クヌギ、ブナ」、バラ科「サクラ、ウメ、リンゴ、ナシ」、アサ科「エノキ」、クルミ科「シナノグルミ」、ヤナギ科「ネコヤナギ」、アオイ科、ミズキ科「ミズキ、ハナミズキ」、シナノキ科、マメ科「フジ」など多食性 |
越冬態 | 蛹 |
成虫の発生期 | 4~5月・7~8月の年2化性 |
シャチホコガ科に分類される蛾の一種。
幼虫がシャチホコのようなポーズで反り返る姿勢をとることからその名が付いた。
日本産は北海道亜種/名義タイプ亜種(S. fagi fagi)と本州以南亜種(S. fagi persimilis)の2亜種に分かれる。
成虫の翅色は名義タイプ亜種が白褐色、本州以南亜種が灰褐色で、後翅が前翅の前にはみ出るようにして止まる。
体や脚はモコモコした毛に覆われる。
幼虫は中・後脚が細長く伸び、尾脚は棍棒状。第7~9腹節が肥大する。
脚異常に長い為、予備知識無しではとても鱗翅目の幼虫には見えない。
繭は土中で作る。