概要
ジュエルキャタピラー(jewel caterpillar)とは、鱗翅目ダルセライラガ科(学名:Dalceridae)に分類される蛾の幼虫である。イラガ(イラガ科)ではないがそれに近いグループの一つ。中央~南アメリカから80種ほど確認される。
名前の通り、背中が透き通る宝石(ジュエル)のような構造に覆われる芋虫。これは宝石のように硬いわけではなく、体から分泌したゲルのような柔らかい物質であり、はがれてもまた分泌すれば復元される。その表面のデコボコや分泌物・本体両方の色は種類や成長段階で異なり、真っ白な種類がいれば色とりどりな種類もいて、場合によっては宝石よりゼリーやグミにも見える。
近縁であるイラガやメガロピゲイラガと異なり、毒針を持たない。
成虫は翅を屋根状に畳む蛾で、前述した近縁と似ているが、ふさふさした長い前脚が特徴的。
生態
詳細な記載は少ないが、分泌物はネバネバで、それを嫌がるアリなどの天敵から身を守るのに役立つと考えられる。マカダミアなどの葉を食べて育ち、成熟すると葉の間に糸を引いて繭を作り、中で蛹になる。
フィクション・創作関連
外部リンク
ブラジル産の一種 Acraga moorei の生活環の記載論文(ポルトガル語):1
日本語版ナショナルジオグラフィック記事:2
関連タグ
イラガ:近縁
プス・キャタピラー:同じイラガに近い別科(メガロピゲイラガ)の蛾の特徴的な幼虫。