概要
高い権力や知名度を持つ親の家庭に生まれた子供が、その名声や権力の恩恵を受けて自身も優位な職種や地位を獲得すること。
おもに芸能人やスポーツ選手、実業家、政治家などの親を持ち、それをコネに親と同じ職(もしくは別の職)に就くものの目覚ましい成果を上げていない、もしくは失態を頻繁に起こしているなど問題行動が目立つ人物に対して揶揄するために用いられることが多い。
フィクションなどではこの手の人物は本当に親の七光りだけで威張っており、散々な末路を迎えることが多い(下記参照)。
しかし、それを真に受けて二世タレントの全てが親の力で成功していると勝手に思い込んで批判したり、あるいは全てが親の力でなく本人の才能や努力もあることを薄々察していながらあえて知らんぷりして嫌いな二世タレントの評判を貶めるためにこの言葉を使ったりする悪質なアンチもいることには注意が必要である。
語感から「ゲーミング両親」だとネタにされることもしばしばあるが、親が本当に七色に光っているわけではない。光っていたら怖すぎる。
親の七光りの主な末路
フィクションではおおむね以下の4パターンに分けられる。
- 子供の過ちを揉み消す(A)
何らかの問題を起こした子供が法的制裁を受ける事を回避させる行為であり、最も多いタイプである。
実際問題、加害者の身内は世間から厳しい目で見られる傾向が強いため、毒親でなくて保身のために揉み消しにすがりたくなるであろう。
- 子供を無条件で擁護する(B)
過保護な毒親に多いタイプであり、問題を起こした子供を擁護して甘やかすばかりか、逆に被害者や第三者に責任転嫁したりする等、親子共々救いようがないと言える。
- 蜥蜴の尻尾切りで子供を見捨てる(C)
子供を庇いきれなくなったり、手に負えなくなったりした場合に親が選ぶ手段。
- 子供を制裁する(D)
親の七光りの中では少ないケース。
更正のために敢えて子供に罪を償わせる手段であり、親にとってはリスクがあるものの、場合によっては第三者から評価されやすいとも言える。
フィクションにおける親の七光り一覧
人物名 | 作品名 | 末路 |
---|---|---|
アクド | ブラック・ジャック | AとBに該当。権力者の父親に甘やかされた不良であり、最期は自身を嫌っていた主人公に見捨てられる形で命を落とした(因みに主人公はアクドの事を「体も心も腐ってる奴は手術したって無駄」と酷評している)。 |
アンドリュー・オイッコニー | スターフォックスシリーズ | Bに該当。叔父のコネで入隊したのでパイロットとしての腕はチームのメンバーの中では最も低い。一方でエリート意識だけは無駄に高く、叔父の威光を鼻にかけて、何かと威張っていたため当然ながらメンバーからの信頼は皆無だった。一方で自分の存在価値が叔父ありきで有る事は自覚している他、彼がいるおかげで財的バックアップが計り知れないものだったのも事実ではある。後ろ盾だった叔父の死後はチームを追放され、叔父の遺産を使ってアンドルフ軍残党やならず者を結集して反乱軍を作ったり、新皇帝にスカウトされたりしている。 |
エドガー・フロムウェア | 勇者パーティーを追放されたビーストテイマー | AとBに該当。最終的に主人公達の手によって悪行を暴かれ、父親も失脚し投獄され、自身も杖なしでは歩けない体になった上、終身刑判決を受ける事となった(アニメ版では魔族に体を取り込まれ、その魔族が主人公達に倒されると魔族共々死亡した事を示唆するような描写に変更された)。 |
貴島洋平 | 明智警部の事件簿 | AとCに該当。仲間達の裏切りで犯罪者にされた事で父親に見放されたものの、自身に手を差し伸べてくれた主人公の活躍で救われて改心していた。 |
草壁ミカド、リク、ムラセ、ヤマト | 東京ネオンスキャンダル | CとDに該当。大人気女優誘拐事件を引き起こした犯人グループ。全員かなりの裕福生活者であるが、権力者である父親の立場が上だった故に周囲から親の七光り扱いされ、裏では父親に対してそれぞれ強い劣等感を抱いていた。しかし女装で潜入した週刊誌記者の手によって人質を取り逃がした上、週刊誌カメラマンの密告で父親達に今回の犯行を知られて叱責された後、父親達に連れられる形で警察に出頭したが、実際は黒幕に動かされた手駒に過ぎなかった。 |
サウザン星人ギネーカ | 特捜戦隊デカレンジャー | Aに該当。最終的に主人公達に悪行を断罪されて死亡。 |
沙村浩輝 | 伝説の教師 | Dに該当。後ろ盾と思っていた父親に制裁されて少年院行きとなった。 |
鐘嵐珠 | スクフェスALL_STARS | Bに該当。20章にて理事長の娘という立場を利用して様々な横暴、果ては人権侵害を行い、理事長たる母親は娘に対しその許可や特権を与え続けた。暴挙に対する制裁もなくなあなあで済ませた為ゲームへの批判が殺到した。 |
深見哲也 | 踊る大捜査線 | Aに該当。取り調べで主人公達に糾弾されたものの、その後は痛み分けという形で大したお咎めを受けなかった模様。 |
宮内英二 | 女王の教室 | Bに該当。主人公に制裁されて逃げ出そうとしたものの、立場が悪くなった後も自分を本気で心配してくれる者がいたおかげで改心していた。 |
ワルズ・ギル | 海賊戦隊ゴーカイジャー | Bに該当。 |
氷室幻徳 | 仮面ライダービルド | Dに該当。しかしながら本来は国を良くしたいと願う志士であり、数々の困難や父親の死が彼を大きく成長させた。 |
サン・ドルバ | 宇宙刑事ギャバン | BとCに該当。過保護な母親に甘やかされ続けたせいで増長して失策を重ね、父親に見放され母共々追放された挙句主人公に敗れて死亡。 |
田崎守 | 予告犯―THE COPYCAT― | AとCに該当。後ろ盾の父親からは内心厄介がられていたようであり、主人公に制裁されたのをキッカケに蜥蜴の尻尾切りで見捨てられた。 |
チャゴス | Dに該当、3DS版での追加エンディングでは、クラビウス王がチャゴスの性根を叩き直す決心を固めている模様。 | |
シュート・サザーランド | 乃木坂春香の秘密 | CとDに該当。父は元々息子を甘やかしつつあったが、息子がサザーランド家を存続危機に追い込むような真似をしたのをきっかけにこれまでとは態度を一変させ、息子に対して厳格に接するようになり、執事見習いの処罰を下した。しかし父から処罰を下されたその後も全く反省することなく、またしても問題を起こして父の逆鱗に触れた結果、父に見放されたも同然の末路を迎えたが、その後の消息は一切明らかにされていない。 |
ヘルメッポ | ONEPIECE | CとDに該当。父親は彼を「殴る価値も無ェウスラバカ息子」と評して(ただし、尻拭いておけばモーガン自身の像を壊される事はなかったのだが)おり、その後は紆余曲折の末に更生し、海軍本部少佐となり、支部大佐(本部大尉クラス)だった父親を超える事となった。 |