「ミラージュコロイド、電磁圧チェック、システムオールグリーン。はぁ…テストも無しの一発勝負か…大丈夫かな…?」
機体データ
概要
地球連合加盟国の1つ大西洋連邦が、オーブ連合首長国公営企業モルゲンレーテ社の技術協力を受け、オーブ管轄の資源コロニー「ヘリオポリス」で極秘開発した5機の試作型MS(G兵器 / 第1期GAT-Xシリーズ)の1機。
機体名の「ブリッツ」はドイツ語で「電撃」を意味する。
第1期GAT-Xシリーズの中では3号機にあたり、敵陣深くへの電撃侵攻を目的として開発された。
最大の特徴はミラージュコロイド粒子を応用した高度なステルス能力「ミラージュコロイドステルス」で、肉眼で視認できないレベルでの隠密性を誇る。この装備を搭載するため、本機はフレーム構造が改装された200系フレームとなっている。
また、右腕の攻盾システム「トリケロス」を初め、他の系列機には無い特殊兵装を試験的に装備している。
ザフトに奪取され、以降ニコル・アマルフィの乗機として運用される事になる。
武装
攻盾システム「トリケロス」
右腕に装備された複合武装。
実験的な兵装を多数装備するために考案されたもので、「アンチビームシールド」の裏面に「ビームサーベル」「ビームライフル」「ランサーダート」を搭載している。
攻守の切り替えを素早く行うことができる反面、右腕を喪失すると本体に固定火器がないため、殆ど何も出来なくなる致命的な弱点もある。
50mm高エネルギービームライフル
口径・威力は同時期のガンダムタイプよりも低いが、同時期のMAやMSを撃墜するには十分。
一時期はレーザーライフルとされていた。
ビームサーベル
大型のシールド固定式のため同時期のものに比べれば取り回しが悪い。
3連装超高速運動体貫徹弾「ランサーダート」
貫通力が高い杭状のロケット推進弾。装甲を貫徹し、内部で炸裂してダメージを与える。
手に持って使用された例もある。
ピアサーロック「グレイプニール」
左腕に装備された有線式ロケットアンカー。
スラスター付きであるため、ある程度自在に動かせる。
先端が展開してクローになるため、柔軟に運用することが可能。
これを用いて本体のスラスターを吹かさずにアンカーを引っ掻けて熱感知されずに移動することも出来る。
ミラージュコロイドステルス
機体表面に特殊なコロイド粒子を磁気で定着させてカモフラージュする技術及びシステム。
莫大な電力が掛かるため、バッテリー駆動のMSでは使用時間に制限があり、その都合上PS装甲との併用も不可能。(第6話ではそれにもかかわらず、PS装甲展開時に起動していた。これはリマスター版ではしっかりリアクティブモードからの起動に修正されている)
また開発当時は黒色の装甲でないと効果を発揮するのが難しいという制約もあり、ブリッツの機体カラーもそのため。
劇中では、肉眼による視認およびレーダー探知をも掻い潜る性能を持つが、熱探知は可能。
またPS装甲との併用が不可能=実弾が通用することを利用し、弾幕で炙り出す戦法でも対処可能。
本機では熱探知への対策としてスラスターのカバーが大きくなっている他、アンカーも搭載されている。
なお、非常に強力な迷彩能力であったため、後年ではユニウス条約によりミラージュコロイドの軍事利用に制限が掛かり、対ミラージュコロイドステルス専用のレーダーが開発されるなど対策技術が向上しており、ステルスは完璧なものではなくなっている。
なおSEEDのビームサーベルもコロイドステルスの磁場定着技術が使われている。こちらはMS開発に影響が出るので禁止はされていない。
ちなみにステルス機という特徴から、2012年のガンダムインフォ公式のエイプリルフールネタに使われたこともある。
今度は「実物大ブリッツガンダム立像」!?お台場・潮風公園レポート!
劇中での活躍
クルーゼ隊によるヘリオポリス侵攻の際、デュエル、バスター、イージスと共に奪取される。
その後の追撃戦では、ミラージュコロイドシステムを駆使して『アルテミスの傘』を破壊して回ることで難攻不落のアルテミス基地を陥落させ、また僚機と共に幾度もアークエンジェルを追い詰めるが、オーブ沖の戦闘でアンカーと右腕を切り落とされて戦線離脱。
しかしアスランの駆るイージスが窮地に陥ったのを見て満身創痍のままミラージュコロイドを併用してランサーダートで突撃。
しかし咄嗟に反応し反射的に振られたソードストライクの対艦刀シュベルトゲベールが胴体コクピットに直撃したことが致命的ダメージとなり、パイロットのニコルも爆発に巻き込まれて戦死した。これにより第1期GAT-Xシリーズ最初の退場機となった。
切断された右腕はオーブのロンド一派のもとに流れ、最終的にロンド・ギナ・サハクの乗機ゴールドフレームに移植された。
関連動画
バリエーション
NダガーN
ダガーをベースに、ブリッツの機体データを組み込んで開発された特殊戦用機。
核エンジンを搭載してミラージュコロイドステルスの永続化を計っている。
ブリッツ(再生機)
ブリッツの再生機は2種類が確認されている。
1つは、設定上で存在する機体。
戦後、地球連合軍の特殊部隊「ファントムペイン」が兵器開発会社「アクタイオン・インダストリー社」を中心とした連合に加担する企業の支援を得て推進したエース専用MS開発プロジェクト「アクタイオン・プロジェクト」の際、データ収集のために再生産された機体。旧式化した部分にいくらか改修が施されている以外は、ニコルの使用したブリッツとスペックはほぼ同一。
もう1つは、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY B」に登場する再生機。
複数いるリリー・サヴァリーの一人が搭乗する。
武装はオリジナルと同様だが、ヴァリアブルフェイズシフト装甲を初めとした次世代技術によって性能が向上している。
ネロブリッツ
アクタイオン・プロジェクトで再生産された機体を改修したブリッツの発展型MS。こちらも核エンジン搭載。
ネブラブリッツ
ライブラリアンが、ブリッツガンダムをベースにゴールドフレーム天ミナの機体データを組み合わせて改修した機体。
ゴールドフレーム天/天ミナ/天ハナ
大破したブリッツの右腕を移植してミラージュコロイド、トリケロスを搭載した機体。
立体物
ガンプラ
リアルタイムでは1/144のコレクションモデルとHG、1/100が発売された。
パイロットが早期に退場したことやバックパック換装、変形、追加装甲、武装連結と派手なギミックの多い第1期GAT-Xシリーズでは特にこれといった強みのギミックがなかったためか、元々1/100は立体化される予定はなかったが、反響の強さもあって後発されたという経緯がある。そのため、本編放送中に出された他の4機(+ストライカーパック違い2機)から発売日が大きく離れており、唯一放送後(2003年12月)に発売されている。
2012年にはMGでも登場。
地球連合製ガンダム5機連続リリースではデュエルガンダムアサルトシュラウドに次ぐ2番手の発売となった。
200系フレームの再現はストライクの100系フレームの一部を変更することで再現されたため、ストライクの独特な肩フレームが露出した形状になっている。
イベント限定でミラージュコロイドを再現した全パーツ無色透明のバージョンも存在する。
ちなみにRGでは、上述した移植元のゴールドフレーム天系列が立体化されている影響で右腕のみRG化されているという何とも言えない現状となっている。
アクションフィギュア
リアルタイムではMS IN ACTIONで発売されている。
ROBOT魂でも発売されたが、第1期GAT-Xシリーズ5機では唯一プレミアムバンダイ送りにされてしまった。
こちらもゴールドフレーム天系列の影響で右腕だけがMETAL BUILD化しているという現状に…
それから10年以上が経過しver.A.N.I.M.EとしてROBOT魂がリニューアル。今度は晴れて一般で販売された。
そしてver.A.N.I.M.Eなので、案の定斬シュベルトゲベールが直撃するエフェクトパーツも付属している。
関連タグ
機動戦士ガンダムSEED ミラージュコロイド ステルス機 光学迷彩 黒いガンダム
ストライクガンダム デュエルガンダム バスターガンダム イージスガンダム
ガンダムシュピーゲル:光学迷彩を備えているとされる黒いガンダムの先輩。こちらの動力源は不明。
ガンダムエクシア:劇中で光学迷彩を使って機体を隠匿している描写が存在し、おそらく第3世代ガンダムは全て搭載しているものとみられる。ただしこの機能はGN粒子によるものではなく、常時稼働状態にしなければならない太陽炉との相性は悪く、むしろ光学迷彩の弊害になってしまっている。
ガンダムデスサイズ、ガンダムデスサイズヘル:同じくステルス特性を持った黒いガンダム。ただしこちらに導入されているのは光学迷彩ではなく、その素材こそ異なるもののレーダー感知を鈍らせる電磁波吸収剤や塗料といった現実のステルス戦闘機にもよく取り入れられている技術である(同作では光学迷彩自体は他の機体で登場している)。また、奇しくも乗っていたのはクルーゼ隊長と同じ中の人だった。