概要
正式名称は、劇場版『獣電戦隊キョウリュウジャー GABURINCHO OF MUSIC』。
キョウリュウジャーの初の劇場単独作品であり、本作のテーマはミュージカル。
キャッチコピーは「伝説の獣電竜、復活!歌とダンスで世界を救え!!」。
監督・脚本はTV本編と同様に坂本浩一と三条陸のタッグで、Meekoこと天野美琴役には、美少女クラブ31出身で、ドロリッチのCMなどで人気のグラビアアイドル・中村静香を起用。
キャッチコピーにもあるように、本編の所々でミュージカル調の演出が入る。福井県の恐竜博物館やスーパー戦隊のアトラクションショーで、お馴染みの東京ドームシティ・シアターGロッソでも撮影が行われている。
エンディングで、実在のJリーグチームとコラボしているのも特徴。出演チームはある程度戦隊メンバーとクラブカラーが重なるチームが選ばれている(柏レイソルは黄色・黒の為にキョウリュウブラック、FC東京は青・赤のダブルカラー扱いで、デスリュウジャーと賢神トリンに相当する)。
同時上映は『劇場版 仮面ライダーウィザード インマジックランド』。
TV本編との繋がり
例年のスーパー戦隊シリーズでも、劇場版で登場するオリジナルメカやロボが後にTV本編でも登場するのが通例となっているが、キョウリュウジャーの場合は本作で初登場するロボは勿論、味方キャラや敵も後にTV本編で再登場している。本編のブレイブ39は本作の後日談のエピソードとなっており、本編との繋がりがより明確化されている。
また、本作はスーパー戦隊としては珍しく、コレクターズパック版で劇場公開時にカットされた未公開シーンが収録されているのだが、その中には
- 本作の作中世界の人類には、様々な超古代の音楽が遺伝子レベルで刻まれている。
- その歌が人々の様々な活力の源になっている。
- トリンが獣電戦隊を構想したきっかけが。
- キョウリュウジャーが変身する際に踊る理由。
これらのTV本編でも重要な設定の数々が明かされている。
特に、キョウリュウジャーと歌の関係性については、本作の物語の根幹に関わる重要な設定であり、流石にこの部分の解説をカットしたのは不味いと判断されたのか、後にTV本編で該当シーンが回想という形で挿入されている(未公開シーンの全編を見たい人は、コレクターズパック版を購入するしかない)。
時系列については詳細は不明だが、獣電竜のブンパッキーが既に仲間にいる事と、逆にキョウリュウバイオレットとプレズオンが不在である事から、ブレイブ18~21の間の話である事が窺える。
ストーリー
億千年の時を越えて復活した機械の体を持つ恐竜・獣電竜に認められた6人の勇者・獣電戦隊キョウリュウジャーは、今日も敵であるデーボス軍とブレイブに戦っていた。
見事デーボス軍を撃退し、襲われていた超人気アイドル・Meekoを守りぬいたキョウリュウレッド/桐生ダイゴは彼女を見て驚く。Meekoは以前ダイゴがフランスで出会った友人の天野美琴だったからだ。
そんな時、デーボス軍の元幹部・太古の戦騎である獰猛の戦騎「D」ことデスリュウジャーが現れる。立ち向かうキョウリュウジャーだったが、デスリュウジャーの圧倒的な強さに敗れ、Meekoを連れ去られてしまった。
「D」の狙いはMeekoの歌が持つ力を利用し、伝説の獣電竜を目覚めさせ、その力で地球を滅ぼす事だった。ダイゴはMeekoを救うべく、仲間と共に「D」の待つ彼の地へ向かう。
登場キャラクター
TV本編からの登場キャラ
- 桐生ダイゴ/キョウリュウレッド…演:竜星涼
- イアン・ヨークランド/キョウリュウブラック…演:斉藤秀翼
- 有働ノブハル/キョウリュウブルー…演:金城大和
- 立風館ソウジ/キョウリュウグリーン…演:塩野瑛久
- アミィ結月/キョウリュウピンク…演:今野鮎莉
- 空蝉丸/キョウリュウゴールド…演:丸山敦史
- 百面神官カオス…CV:菅生隆之
- 喜びの戦騎キャンデリラ…CV:戸松遥
- 怒りの戦騎ドゴルド…CV:鶴岡聡
- 哀しみの戦騎アイガロン…CV:水島裕
- 喜びの密偵ラッキューロ…CV:折笠愛
本作初出の登場キャラ
- 天野美琴…演:中村静香:売り出し中の大人気アイドルで、通称「Meeko」。ダイゴとはフランスで出会って以来の友人。その正体は超古代の巫女の遥か遠い末裔であり、億千年を越える先祖返りで彼女の祈り歌の力を継承している。その力をデスリュウジャーに狙われ拐われてしまう。
- デスリュウジャー…CV:宮野真守:美琴を狙う悪のキョウリュウジャーと言える戦士。その正体はかつて恐竜の感情を集める為に作られた、地球における最初の戦騎である獰猛の戦騎「D」。美琴の歌の力で獣電竜トバスピノを手に入れて地球を滅ぼすべく、デーボス軍をも裏切って独自に活動する。
ディノガール
デスリュウジャー直属の配下である2人の女戦士。正体や出自は不明だが、時折目が爬虫類のような目に変わる等、一見人間に見えるものの明らかに人間ではない。
- レムネア…演:桃瀬美咲:白い装束を纏った方の女戦士。甘えたような口調で喋るのが特徴で、「みぃんな絶滅よ」が口癖。素手でキョウリュウジャーの攻撃を跳ね返し、掌から光弾を放つ事もできる。
- アーシー…演:佃井皆美:黒い装束を纏った方の女戦士。厳しい口調で喋るのが特徴で、「とろけちゃ~う」が口癖。強力な剣の使い手で、他にも蹴り技も得意としている。
- 超古代の巫女:1億年前に存在した超古代人の巫女。かつてのトリン達とデーボス軍の戦いで、「D」の悪のメロディに洗脳されたトバスピノを祈り歌で解放した。彼女のこの行動と力が、トリンに獣電竜を導く正しい音楽と、それに魂を乗せて戦える人間を相棒にするという「獣電戦隊」の構想を与えた。
本作オリジナルの強力フォームとアイテム
劇場版限定フォーム
キョウリュウレッド ガブルアームド・オン
ガブルアームド・オンガブティラ獣電池で、強化武装したキョウリュウレッド。両手にガブティラファングが装備されており、両腕にはディノスグランダー装備時と同様の黄金の特殊装甲が備わっている。強力な打撃を連撃で繰り出す事ができ、必殺技は「ガブガブ・ガブティラ岩烈ラッシュ」。ちなみにスーパー戦隊で劇場版限定フォームは珍しい。
オリジナル獣電池
ガブルアームド・オンガブティラ獣電池
空になったガブティラ獣電池に、美琴の祈り歌の力がチャージされて一時的に強化された獣電池。キョウリュウレッドが使用する事でキョウリュウレッド ガブルアームド・オンに強化武装する事ができる。戦闘後に力を使い果たして元のガブティラ獣電池に戻った。
デスリュウジャー獣電池
カオスが作った獣電池であり、トバスピノ獣電池が邪悪な力で変貌したもの。かつてトバスピノを悪のメロディで支配した「D」がデーボスインする事で、デスリュウジャーへの変身やトバスピノを再支配して操る事ができる。最終的には、キョウリュウジャーの祈り歌でトバスピノが浄化された事で排出され、元のトバスピノ獣電池に戻った。
本作初出の獣電竜と獣電巨人
トバスピノ
最初にトリンの力でスピノサウルスから進化した獣電竜0号。しかし、それ故に力が不安定でそこに目をつけた「D」の悪のメロディによって一度は支配されるが、超古代の巫女の歌で解放され「D」を倒した。その後は力の不安定さと悪のメロディのダメージから、恐竜博物館付近の山中で長らく眠りについていたが、再び「D」に狙われる。
スピノダイオー
トバスピノを中心にアンキドンとブンパッキーがカミツキ合体する事で誕生した獣電巨人。劇中では強制カミツキ合体という形で合体させられ、「D」に操られるままに「超破滅公弾」によって地球を滅ぼそうとする。
関連用語
超古代人
1億年前に存在したとされる超古代の人類。現世人類の祖先であるらしく、イアンは以前からその存在を予見していた模様。かつて祈り歌を初めとする様々な音楽やその力を扱っていたらしく、作中の現世人類にはその音楽が遺伝子レベルで刻まれていて、それが活力の源になっている。
祈り歌
かつて超古代の巫女がトバスピノを解放する為に歌った歌で、彼等が扱っていた音楽の一つ。巫女の末裔である美琴がその力を継承していたが、ダイゴと交流していた際に彼が持つガーディアンズの秘石によって覚醒。それを現代風にアレンジしたデビュー曲「DINO SOUL」は空前の大ヒットをした。
音楽
ここでの音楽とは、前述通り超古代人が扱っていた力で作中人類の活力の源となるものを指す。トリンは後に彼等の音楽を使って獣電竜を導き、音楽にキョウリュウジャーの魂(ブレイブ)を乗せる事で強化するシステムを編み出し、それ故にキョウリュウジャーは変身する際に身体が勝手に踊るようになっている。後にTV本編で登場する地球のメロディや真の地球のメロディはこれらの大元になった地球が持つ音楽で、逆にデーボス軍が使う悪のメロディはこれらの音楽を魔力で邪悪に変質させたものである。
関連タグ
inマジックランド:同時上映の劇場版仮面ライダーウィザード。
スーパー戦隊単独映画
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