術としての式神
調伏した鬼神を使役する術法。
著名なものでいくと、役小角(役行者)が使役した「前鬼・後鬼」や、安倍晴明が使役した「十二神将(十二天将)」など。
陰陽師の命にしたがって、害をなす悪霊などを退けたりする。
また、要所に設置してそこを守らせるなどの使役法もある。
(安倍晴明は、京都の艮の方向(鬼門)に式神を置いて守らせていたという)
元々は「式盤」と呼ばれる陰陽道で使用する占いの道具に宿ってる神の意味であり、その点からすれば、「安倍晴明が式神によって遠くで起きた事を知った」という伝説は「本来は占いに関わる存在」であった事の反映とも言える。
式神の種類
陰陽道において、式神はその創造過程から大きく分けて「思業式」「擬人式」「悪行罰示」の3種類に区別される。
思業式(しぎょうしき)
術者の思念から生み出される式神。姿は自由に変化させられる。
術者の力の具現化ともいえる式神で、投影する意識や実力次第でその力は大きく異なる。
擬人式(ぎじんしき)
人型に切った和紙や藁人形などを依り代として術者が霊力を込めることで生み出す式神。
一般的にイメージされる式神はこの擬人式に相当する。
これらの呪物に霊力や念を込めることで、術者の意図した能力や姿をして現れ、場合によっては悪霊・怨霊などによる呪いや祟りの身代わりとして用いられることもある。
悪行罰示(あくぎょうばっし)
3種の中で最も強力な式神。
過去に悪事を行った神や霊などを調伏し、式神として従えたもの。
非常に強力な式神である一方、術者の能力が不足していると逆に取り込まれてしまう恐れもある危険な式神でもある。なお、安倍晴明が使役したとされる十二天(神)将はこの悪行罰示に該当するとされている。
上記の3種類の他、犬神や蠱毒と言った生物を用いる呪術も式神の一種とされる場合がある。
創作作品の式神
作品によって姿はまちまち。ライトノベルでは大抵人間に変身できる。
式神に家事などをさせていたりもする。
紙人形を媒介とする擬人式のものが多く、「火に弱い」という弱点を付けられる。
備考
『式神』の『式』とは「方程式」「算式」などの『式』=即ち法則性であり
この『式』をよく理解したうえである一定の手順を踏むと一定の反応を示す神の事である。
なので所謂使い魔とは根本的に違う。扱い方さえ理解すれば本来は誰にでも使いこなせる。
東方projectの八雲藍はそこらへん意識したのか、彼女は算術が得意との事。
またこーりんはPCを『式神』と認識してる。
つまり、「仕組んだ演算式(≒術式)に沿って行動する“霊的なロボット”」と言うべきかもしれない。
関連タグ
関連作品・キャラなど
- 帝都物語
- 陰陽師(小説)
- 鬼神童子ZENKI
- 陰陽大戦記
- 八雲藍/橙
- 六道冥子(GS美神)
- 東京レイヴンズ
- 伏黒恵…詳細は十種影法術と八握剣異戒神将魔虚羅を参照
- マギルゥ…武器が式神
- 九十九の満月…詳細は式神、式術、式契約を参照
- 外道丸…銀魂に登場する
- うしおととら…杜綱悟が式神を操る。平安時代を舞台とした外伝にも式神を使役する陰陽師が登場。
- ゲゲゲの鬼太郎…アニメ第4作で陰陽師の一刻堂が瀬戸大将、護法童子という式神を使い鬼太郎をおびき寄せた。
- 孔雀王…「式鬼(しき)」と表記される。
- ダンジョン飯…魔術師が使役する使い魔の一種。劇中では東方の忍者にして術師であるマイヅルが操る牛鬼と山姥の2種が登場。
- 侍戦隊シンケンジャー…筋殻アクマロが紙を切る事で「切神」という式神を作り出す。
空母を擬人化したキャラクター。艦載機を式神として搭載している。