概要
The Mandela Catalogue(以下TMC)とは、2021年にアメリカのYouTuberAlex Kister氏によって投稿されているアメリカのアナログホラーウェブシリーズである。
舞台はアメリカのウィスコンシン州にある架空の郡であるマンデラ郡。
動画は1990年代から2000年代にマンデラ郡で起きた、オルタネイトと呼ばれる存在が原因の出来事の事件簿を我々が視聴しているというような形。白黒の事件簿からわかる情報のみでこの事件で起きたことやこの先起きるであろうことを考察しながら見るのが最も適切だろう。
内容
overthrone
「私が真の救世主だ。」
「初心者の聖書」というビデオテープの破損したもの。
大天使ガブリエルを名乗る存在が本来「我々の神のキリスト様が来るぞ」と伝えるのが原作だがガブリエルを装った何か(以下偽ガブリエル)が羊飼いへの受胎告知中に人間を欺き、彼が彼らの「真の救世主」であると宣言するイエスの降誕の代替バージョンを描いている。
偽ガブリエルは「私は彼らを欺いた」と宣言し、彼らの「弱い心」のために人類を嘲笑する。
そのエピソードは、未知の人物からの独白で覆われたベツレヘムという町の眺めで終わり、彼らは砂の墓の中で手錠をかけられていると述べ、「神がいるなら...助けてください」とダンテの「神曲」の地獄篇という部分の一部を話して終わる
(ちなみにこの偽ガブリエルの正体は…)
The T.H.I.N.K Principle
「家から出ないで下さい。」
An unforeseen threat
「オルタネイト」という存在についての説明がされ、非人間的な身体的特徴(顔や体が極端にゆがんでいたり)をしているものがいたら逃げること、家に籠って自衛しろという趣旨の警告がされる。
それらは言葉を使い人間を自殺させるようであり、可能であれば彼らを無力化することを推奨している。
"THINK" principle
オルタネイトの脅威への対策として、5つの法則の頭文字をとって「『THINK』の法則」とし、視聴者に示している。
法則の名前/和訳 | 意味 |
---|---|
"T"ell/報告 | 他者にオルタネイトとの遭遇を伝える |
"H"inder/妨害 | オルタネイトの行動を妨害する |
"I"dentify/識別 | タイプを識別する ※後述 |
"N"eutralize/無力化 | もし十分安全なら無力化する |
"K"now your place/自覚 | 身の程を知る。 |
"K"ill yourself/自殺 | 自殺する。2人分のスペースはない。 |
---|
Know your enemy
このパートは「オルタネイト」についての説明となっており、それらを分類する3つのタイプについて語られる。
[pixivimage:<108333372]
タイプ# | 名前/和訳 | 概要 |
---|---|---|
タイプ1 | Doppelganger/ドッペルゲンガー | 人間の姿に擬態する。しかし、微妙に容姿は模倣元と異なる。 |
タイプ2 | Detectable/検知可能 | ??? |
タイプ3 | ■■■■■■■■■■/■■■■■■ | タイプ1と似ているが、不完全な擬態。 |
この他にも、作者はタイプ4とタイプ5があることも明かしている。
現在は動画が「なぜか」削除されているが、別のユーザーにより動画がYoutubeにアップされている。
Vol. 1
「僕だよマアアアアアアアク。」
初めにテレビの放送で改めて「The think principle」(何らかの理由によって変更が加えられている。)が流され、次にある事件簿が映し出される。その事件簿にはオルタネイトによる事件の犠牲者であるMark Heathcliff(マーク・ヒースクリフ)ともう一人の犠牲者であるCesar Torres(シーザー・トーレス)の電話の様子が映る。電話をかけたシーザーが「お母さんが急に倒れて病院に向かうから代わりに家の監視カメラをつけてほしい」という旨の話をし、マークがシーザーはオルタネイトなのではないかと思いながらも渋々車で彼の家に向かっている様子が映し出される。家に向かったマークは果たして…?
ここで書いている内容より先はぜひ自分で見てほしい。
なお、Vol.1のみ「Restored」として作者によりリメイクされている。
Intruder Alert
「私はあなたの家の中にいる。」
児童虐待に関する注意喚起がテレビで行われる。子供を常時働きながらでも見守り、テレビを見せるなという警告が流される。テレビを見せてはいけない理由は、
らしい。
「”それら”は異なるスペクトルに存在する。」
そして、子供が部屋でテレビの前で泣き叫んでいる時は放っておいて下さいという趣旨の放送が流される。そして次のシーンでは泣いていた子供が泣き止んだのが気になって母親が我が子の部屋に入るという描写がなされるが...
緊急警報発令システム
テレビの警報によると、3426人の子供たちが攫われているようだ。
捜査員は被害にあった人物の自宅に向かうも、「圧倒的な恐怖」を感じ捜査が不可能な状態となったため、事件の起きた部屋を向いて一定時間ごとに撮影するカメラを仕掛ける。
exhibition
「お前は私の言うことを聞かなかった。」
電話のコール音のあと、「初心者の聖書」の一部分が流される。次に、資料と思しき画像や映像が次々映され、中にはマーク、マークの妹が一緒に写った写真もある。そしてテレビや鏡の面にオルタネイトが潜んでいる可能性があることを伝える内容のものもある(このオルタネイトは『Intruder』と呼ばれている。)。これらの視覚的資料が並べられた後、再び「初心者の聖書」が流される。
Metaphysical Awareness Disorder
「MADと診断された患者の自殺率は97%です。」
以下MAD。
オルタネイトによって引き起こされる精神異常についての動画。
翻訳すると、「形而上学的認識障害」。どういうことかというと、思念に関する認識の障害のこと。
動画によると政府からの警告放送が流された1年後にMADの患者は95%増加したという。また、TMCの物語は宗教、特にキリスト教と深く関係していることが示唆される。
また、動画の途中で不明瞭な音声(?)が入るが、これが何なのかは解明されていない。
Vol.2
今回もVol.1と同じく事件簿のような形で人物がオルタネイトに翻弄される様が描かれている。今回の主人公は画像左側の2人のアダム・マーレイ(Adam Murray) ジョナ・マーシャル(Jonah Marshall)。彼らは「BPS」というある団体に所属しており、そして犯罪でも重ねたのか、FBIから指名手配を受けている。彼らは一人の女性から、猫の亡霊を探してほしいという依頼を受ける。高額な報酬を付けて。彼らは喜んで引き受け、猫の亡霊がいるという依頼者の女性の元自宅に向かう...
Vol.333
Intruder Alartの詳細
1982年(Vol.1での事件の起きた年)、Intruder Alartにて登場した赤子とその両親、Lynn(リン)とJude(ジュード)についての内容が語られる。
Lynnは我が子が毎晩同じ時間に夜泣きしていることをJudeに電話で相談する。彼はexhibitionで示された「Intruder」のせいではないかと言おうとするがLynnはテレビのプラグはもう何週間も抜いてあると切り捨てる。Judeはイマジナリーフレンドか何かだと言う。
場面は変わり、光るテレビの画面をじっと見つめているLynnの目が映る(電気はテレビに通っていないはず)。この描写は、おそらくIntruder Alartでの語られたことの一部であろう。そして最後に見せられる数字、
「3 3 3」
マークの家の捜査
警官のThatcher Davis(サッチャー・デイビス)巡査は、Markが数日間も学校に来ていないので、その学校の教師の頼みで彼の家に調査をしに行くことになる。
資料たち
Markの家から検出された指紋、彼の作ったであろう「Shadow under the door」という名前のビデオテープ、「Voices outside my room」というカセット、そして彼の日記が映される。彼の日記には、神への助けの声や祈りなどが書かれている。
場面が変わるとオルタネイトの警告のチラシ、サッカーの試合のポスター、警察の求人の広報が壁に貼られている様子が映る。
そして最後にThatcherのみが閲覧できる音声テープの内容が流される。
潜在意識の力
スタンリーと名乗る白い線だけでできた顔が黒い背景をバックに、詐欺師然とした語り口で「友達を作る方法」について話す。
これは「Limbo The Organized Mind?(動画リンク)」という1966年に公開された短編映画にインスパイアされている。
Lynnの家
とある人物から通報を受け、Lynnの家(だった家屋)に向かうThatcherと上司のRuth(ルース)。するとテレビから音が聞こえてくる。しばらくした瞬間、カメラがダウン。そしてカメラが復旧すると、暗がりから声がした...
動画
overthrone
Vol.1(RESTORED)
Vol.1
Intruder Alart
exhibition
MAD
Vol.2
Vol.333
余談
- overthroneにて天使が喋っているところのある部分の字幕は二進数で表されており、これを解読して要約すると「私が真の救世主である。ヨセフは次だ。」となる。
- 作者のサブアカウントでは、「The Scrimblo Catalogue」というおふざけバージョンが公開されている。
- ちなみに、「333」という数字は、「天使が近づいてくる」幸運の数字らしい。
そう、天使が。
関連イラスト
オルタネイトについて(ネタバレ注意)
Vol.1での前述したシーザーはすでにマークが思った通りオルタネイトに成り代わってしまっている。
更に市民への警告放送である「THINK」には「オルタネイトに遭遇したら国に通報し、武器を使え」というような内容があったにもかかわらずマークが通報しても最期まで誰も助けは来ず、武器の銃を使っても全く効かなかった(『THINK』の『K』に従いマークが銃で自殺した可能性もあるが)。
政府はこの問題をどうするつもりなのだろうか。