コーディネイター(ガンダムSEED)
こーでぃねいたー
概要
受精卵を摘出し遺伝子操作を加え、母親の子宮に戻し生育・誕生する。
容姿は親がカスタマイズを行えるため、総じてスタイルが良い。
コズミック・イラにおけるコーディネイターの歴史はまだ浅く、一世紀未満。
作中に登場するキャラクターに第一世代(親がナチュラルで自分はコーディネイター)と第二世代(第一世代同士が成した子供たち)が多いのも、時期的に第一世代の子供らが結婚適齢期になった=第三世代がほぼ未成年であるため。
全ては「万能の天才」と呼ばれた一人の男、ジョージ・グレンが木星探査プロジェクトへの出発前に己の出自を公表した事から歴史が始まる。
当時から遺伝子治療は行われていたものの、高い運動能力、免疫・治癒力、長寿命を備え、学習能力も遥かに高いコーディネイターのテクノロジーに一部の人間、特に富裕層が飛び付き、自分の子供をコーディネイターにする事で他人よりも優れた人類、誰よりも素晴らしい人間にするという親達の希望やエゴが入り混じった時代を生む。
同時にコーディネイターがあらゆる競争でナチュラルに勝利した結果、ナチュラルにとってはコーディネイターが社会生活における障害となる。
それに加えて遺伝子操作賛成派と反対派の抗争も有りコーディネイターとナチュラルは対立。ブルーコスモスを筆頭とした反コーディネイター団体の台頭へと繋がり、多くのコーディネイターは宇宙空間にある国家・プラントへ移住して行き、事態は国家間戦争にまで発展していく。
また第一世代時点で能力面の向上のみを追求した結果、生殖機能に何らかのエラーが起きてしまい、第一・第二・第三と世代が進むにつれて出産率が低下している。
劇中では『遺伝子の型が複雑化した事で生殖可能な相手が限定されてしまい、次世代に進むに連れて型は複雑に成る』と語られている。
結果、当面は出産時の遺伝子を元にした婚約制度(あくまで仮であり、恋仲となった相手が適合者なら、話し合い次第で解消可能)を元に、適合者以外とは結婚出来ないという法…『婚姻統制』が制定されている(プラント内での法律の為、他国移住の場合は適用外)。
プラントにおいてはこの問題の解決が最優先事項とされており、これを解消しない限り、種族としてのコーディネイターに未来は無いという現状が、劇中の重要なキーの一つになっている。
なお、よく誤解されるがコーディネイターはあくまで人類の限界を越えた存在ではなく、あくまで遺伝子操作で才能を引き出している存在というのが正しい。
関連用語
ジョージ・グレン
歴史上初めて表舞台に現れたコーディネイターであり、「ファーストコーディネイター」とも呼ばれる。彼が世界に配布した情報から各国でコーディネイターが誕生する。
彼が与えられた才能を如何なく発揮した上で遺伝子操作による出生を明らかにした事により、語るも悍ましい人体実験や、嫉妬による人倫にもとる思想、主張が憚る要因と成った為、全ての元凶とも言える存在。
自身も最終的に出生に悲観したナチュラルの少年に暗殺されてしまった。
しかし、彼が取ったメダルが銀メダルである事から分かる通り、彼の視点で見れば「生まれる前から才能を貰った自分でも勝てないナチュラルが居る」=「人間はまだまだ先に行ける」という可能性の塊にしか見えず、「どいつもこいつも金や銀メダル相当=トップクラスの才能を手に入れられる」という市民の視点を想像出来なかった事が、短絡的な暴露に繋がってしまったとも考えられる。
またASTRAYシリーズによると「コーディネイター」という語は元々「今いる人類と新たに現れる新人類の間を取り持つ存在」の為に本人が自称していたもので、遺伝子調整を受けた人類とはまた別である。
ハーフコーディネイター
ナチュラルとコーディネイターの間に生まれた人類。共にホモ・サピエンスな為、制約無く出産が可能。但し未操作のDNAが混入する関係上、世代を経るごとにコーディネイターとしての能力が減少・喪失していく。
大半のコーディネイターには「ナチュラル帰り」としてタブー視され、ナチュラル側からも自分達とは違うと、迫害対象にされやすい。
しかし、出産率低下により消滅危機にあるコーディネイターにとっては存続と言う点で最善の方法でも在り、シーゲル・クラインを始めとした穏健派の一部は南米にコーディネイターを移住させる事で種の存続を図る「ナチュラル回帰」を目指している。
スーパーコーディネイター
詳しい事はネタバレなので記載出来ないが、実際に生み出された成功例はコーディネイターの中でも更に傑出した頭脳や肉体、特異な才能を与えられた。
因みにこの用語は本編では一切使われておらず、外伝作品『機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY』で初登場した用語であり、いわゆる本編における「最高のコーディネイター」の俗称ないし異称である。
戦闘用コーディネイター
最初期のコーディネイター技術を元に、戦闘面に特化して誕生。
プラント側では無く地球連合軍側のコーディネイターであるが命令に従わない等、制御に難があり、のちにそれよりも扱いやすい別の強化人間が成功したため、開発は中止された。
ソキウス
グゥド・ヴェイアの遺伝子をベースに改良を加えられた戦闘用コーディネイター。
服従遺伝子に「ナチュラルに危害を加えない」と言うマインドコントロールを施して制御下に置いた形となる。
しかし、連合軍の上層部はソキウスシリーズに危機を感じて彼らの処分を決定し、ソキウスシリーズの製造コストを回収したいムルタ・アズラエルによって一部が薬剤による自我の破壊と言う処置に留められた。
この方針に対して連合軍に残っていたセブン・ソキウス、イレブン・ソキウスは「有用性を示そう」と行動を起こし、脱走にも近い行動を起こして叢雲劾と交戦。
1対1を装いながら2機のロングダガーでブルーフレームを撃破し、ブルーフレームの頭部を持ち帰る。
ブルーフレームがセカンドLに改修されて再戦した際に敗北し、「ナチュラルの為になる」事が別にある事を知る。
その後も、彼らはコーディネイターもナチュラルのためになるなら必要な存在である事と、ナチュラルに危害を加えているのはコーディネイターでは無く地球連合軍の上層部に有ると考えに至り、ナチュラルに直接危害が加えられない自分たちは人々に警鐘を鳴らす対抗策で、ナチュラルによる理想郷を目指している。
コーディネイター以外の人類
ナチュラル
遺伝子操作されてない人類、つまり純粋なホモ・サピエンスの事。
C.Eの風潮として劣等種扱いされるが、設計図通りにしかならないコーディネイター達と異なり、誰も設計して居ないが故にコーディネイターよりも凄まじい才能を発揮する事がある。
また、フラガ家の面々の様な「遺伝子云々では説明がつかない先見性や特殊能力」を持っている事も有り、そう言う面でも一概に劣等種とは言えない。
アコード
アウラ・マハ・ハイバルが創造した「コーディネイターを超える新人類」。
コーディネイターとは異なる思想の下に作られた人類で、遺伝子そのものを直接改造していると言う特徴がある。他者への精神干渉能力を持つ。
余談
『SEED』ではアスラン・ザラやイザーク・ジュール、ラクス・クライン達の年代のコーディネイターが第二世代として強調されている為に誤解されるが、コーディネイターは世代と年齢には何の関係もない。
C.E.55年には再度コーディネイター出生の禁止を定めた「トリノ議定書」が採択されており、この年より後にに生まれたコーディネイターは違法な存在ということになる。
キラ・ヤマトの出生日がC.E.55年5月18日である為、合法な第一世代コーディネイターとしては最後の年に生まれている。
国際法でコーディネイターの出産は禁じられたにもかかわらず、違法に生まれ続けるコーディネイターに不満を覚えた一部のブルーコスモスが過激派と化し、コーディネイターに対する迫害やテロを行う様になっていった。
アスランやラクスと同年代のキラ・ヤマトは、アスランやラクスの両親と同じ第一世代コーディネイターに該当する。
また、『DESTINY』ではギルバート・デュランダルとタリア・グラディスが第二世代コーディネイターであり、婚姻統制によってプラント内での婚姻が出来ず別れており、タリアの息子のウィリアム・グラディスは第三世代コーディネイターに該当する。
パトリック・ザラが48歳でアスラン・ザラが16歳、シーゲル・クラインが49歳でラクス・クラインが17歳の為おおよそ30代の頃に子供を作ったと計算できる。
因みに、タリア・グラディスが29歳でウィリアム・グラディスが10歳と判明しているため、タリアは19歳でウィリアムを出産している計算となる。