概要
アメリカ合衆国の巨大航空機会社。ヨーロッパのエアバスと並ぶ旅客機メーカーとして有名である。両社で世界の旅客機のシェアの大部分(特に100席以上のものではほとんど)を占めており、激しい競争が行われている。
軍用機としては、鬼畜米帝の象徴としても悪名高いあのB-29といった大型爆撃機でよく知られる。戦時下で日本に激甚な被害を与えた「B-29」と、戦後日本が発展していく中で国民の憧れとなった「ジャンボジェット機」を作った会社が全く同じというのはなんとも皮肉な話であろう。
航空機だけでなく、ミサイルやスペースシャトル、ジェットフォイルなどの製造も行っている。
本社は長らく創業地のシアトル市に置かれていたが、ワシントンD.C.にあるペンタゴンから遠かったため、2001年にシカゴ市へ移転した。
シアトル市とその郊外に製造拠点を持ち、部品製造は国外でも行われている。
元々は航空機製造だけでなく運用も行う「ユナイテッド・エアクラフト・アンド・トランスポート(後に「ユナイテッド・テクノロジーズ」を得て現在は「レイセオン・テクノロジーズ」)」の1部門であったが、後に旅客会社運用はユナイテッド航空と共に分離させられた。この後もユナイテッド航空に自社の旅客機「247」を独占的に供給していたが、同社向け旅客機の製造を優先したがために第二次大戦後まで旅客機製造はダグラス社やロッキード社の後塵を拝することになる。
その後、ジェット爆撃機製造で培った技術を基に開発した、初のジェット旅客機「707」が大ヒットした事をきっかけに、世界的な旅客機メーカーへと成長していった。
1997年に長年のライバルであったマクドネル・ダグラスを吸収合併したことにより、アメリカ国内唯一の大型旅客機メーカーとなり、軍事産業分野でも規模を拡大させた。
そしてこの際にマクドネル・ダグラスに自社の実権を譲渡しており、その結果第二のDC-10とも言われる「ボーイング737 MAX」が作られる事となる。737MAXの連続事故後すぐにコロナ禍という追い打ちを食らったこともあり、会社の存続自体も危うくなりかける事態になった。
ただ、この737MAXの問題は氷山の一角でしかなく、他の機体でもトラブルや品質不良が多発するなど、いろいろ問題を抱えており、今後を危ぶむ声も少なくない。
製品ラインナップ(民間向け)
ボーイングは合衆国内の様々な航空機メーカーを吸収合併しており、その生産・サポートも引き継いでいるため、民間・軍用問わず扱う機種は多岐にわたる。
現役で製造されているのは737(3世代目、NGシリーズ)、747(-8シリーズ)、767(787に移行予定)、777、787の5種類。
377 「ストラルトクルーザー」(空飛ぶホテルと言われた)
707 (ボーイング初のジェット旅客機)
727 (日本初のボーイング製旅客機、新幹線の車窓からよく見える看板とはあまり関係ない)
737 (製造数世界最多のジェット旅客機)
777「トリプルセブン」
717 (マクドネル・ダグラス社でMD-95として開発された物を継承)
787「ドリームライナー」
製品ラインナップ(軍用向け)
B-17「空の要塞」
B-29「超・空の要塞」
B-47「ストラトジェット(成層圏のジェット機)」
B-52「ストラトフォートレス(成層圏の要塞)」
F-15「イーグル」
F/A-18「ホーネット」
X-32(試作戦闘機)
AH-64「アパッチ」
CH-47「チヌーク」
V-22「オスプレイ」
P-8「ポセイドン」
KC-135「ストラトタンカー」
KC-46「ペガサス」
E-3「セントリー」