注意!
この記事は仮面ライダーガッチャード第37話のネタバレを含みます
ギギスト「最後の仕上げだ。冥黒に……染まれ」
「ホパァ……クロスホッパー!」
ギギスト「光が眩い程に、冥黒は濃くなる…」
「ク……クロスホッ……ウウァァァ……!!」
「ウウゥーッ……!グアアァッ!!」
スーツアクター:榮男樹
データ
概要
第37話に登場。
冥黒王ギギストの冥黒の力によってホッパー1が単体でマルガムにされた姿。
ケミーが拘束されていた通常のマルガムとは異なり、飛蝗の怪物が素体の上半身を下から食い破って頭から飛び出し、残った下半身を逆に押さえ込んでいるような造形になっており、俯瞰するとホッパー1が人型の怪人になったようにも見える。素体の頭部は大きく広がり、幅広な襟を形成している。
頭部は飛蝗そのもの頭部をしているがクロスホッパーを意識しているのか巻きつくバンドがクロスを描いており、恐ろしい怒りの形相を浮かべているようにも見える。
また両腕は飛蝗の後ろ脚で構成されており、胸部は飛蝗の脚が素体の腕を振り解こうとしているようにも見え、その姿は素体がホッパー1を悪趣味に盾にして見せつけているようにも見える。
鳴き声も今までの可愛らしいものではなく獣のような悍ましくも苦しみ悶えたようなものに変化している。
幼少期の頃からの友達であり、共に戦う仲間としてずっと一緒だった宝太郎は悪意のままに暴れ回るその姿に戦慄した。
能力
高い跳躍力と飛翔能力による非常に優れた運動性能で相手を翻弄するが、素体にさせられたホッパー1はレベルナンバー10のクロスホッパーに変化する力を持っていたため、悪意による強化も相まって、高いスペックを持ったマルガムに仕上がっている。
また、蝗害を思わせる無数の分身体を自在に操ることが可能で、それを巨大な飛蝗として収束してぶつけるといった芸当も出来る。
しかし基となったホッパー1本人が宝太郎や彼の仲間たちとの戦いに強い拒否反応を示したため、力と精神のバランスを欠いており、戦闘中は理性を保とうと常に苦悶の声を洩らしていた。
活躍
前回マルガム化したスケボーズを手に掛けてしまった宝太郎を元気付けるため、「人々を笑顔にさせる黄金の花」を届けようとしたホッパー1。そしてそれに代わる黄色い花を見つけ合流しようとした矢先、宝太郎を冥黒に染めてマルガムに変え、中にある卵を得る為に現れたギギストによって拘束されてしまう。クロスホッパーとなって一度は跳ね除けるが「光が眩い程に冥黒も濃くなる」と唱え、それを上回る錬金術によって宝太郎達の眼の前でマルガム化。苦しみ悶えながらも容赦なく宝太郎に襲い掛かる。
ホッパー1に手が出せずにいた宝太郎を見かねてヴァルバラドに変身したスパナが乱入するが、前回の戦いでダメージが癒えていない状態のヴァルバラドを飛蝗の大群を操った攻撃で変身解除に追い込んだ。
宝太郎の必死の説得によって一度は自我を取り戻しかけて踏み止まるが、先程暴れていたアントルーパーマルガムから逃げた際に失くしたぬいぐるみを取りに戻ってきた母子へと牙を剥こうとする。
やむを得ず宝太郎はアイアンガッチャードに変身。直後に放ったアイアンナックルが命中、今際の際に「ホッパホー…」と宝太郎の名前を呼ぶかのような声を絞り出した後爆散。
母子は共に無事ですぐにミナト達に避難されたが、宝太郎の眼の前にいたのはスケボーズやアントルーパー同様白く変色し活動を停止した親友の姿であった。
マルガムにされ、撃破されても尚『黄金の花』(だと思って必死に探してきた黄色い花)を失意に暮れた宝太郎の為に持っていた事、自分の相棒にして最高の友達を手にかけてしまった事実を目の当たりにした宝太郎は、自身が招いてしまった深い絶望と悲しみにより慟哭。ギギストによって禍々しい冥黒のオーラに包まれ、今にもマルガムにされそうになったその直後、突如として彼を包むように現れた卵により宝太郎はどこかへと転移してしまった。
登場経緯
ホッパー1のマルガム化は序盤から構想があったことが仮面ライダーWEBにて語られており、第3,4話の時点で松浦大悟APはメインライターの長谷川圭一氏との雑談の中でそのアイデアを冗談半分で持ち掛け、後押ししてもらっていた。そして、今回の脚本会議で同話担当の井上亜樹子女史が宝太郎がケミーを手にかけてしまう展開を提案した際に「なるほど……それなら良いやつがいますよ。ホッパー1って知ってます?」と松浦APが発言し、実現に至った。
担当声優の福圓氏は、第37話の台本チェック前に受けた「宇宙船」の取材で「今後ホッパー1についての希望はありますか?」という質問に対し「闇堕ちはしてほしくない」と回答していたが、立ち会っていた東映のスタッフから台本を貰う際に謝られたことで全てを察したとのこと(出典)。
倒される直前に鳴き声で宝太郎の名を呼んでいるが、これは同話担当の田崎竜太監督のアイデアによるもの。鬼の田崎ェ……。
今まで東映特撮はその多忙さから製作陣の連携が取れず、想定外の事態が発生する事が(春映画等のインタビューにて)度々公式から言及されていた(有名な所では、前々作のこの人は現場監督の判断でゲストから準レギュラーに格上げになった)。
しかし、今回のホッパー1死亡までの製作陣のあまりにもスムーズ過ぎる連携から、制作体制が改善されているのでは?と勘繰る視聴者も多かったという(ガッチャードは今までも連携が取れなければ成立しないであろうキャラクターが垣間見えたが、明確化されたのはホッパー1マルガム回が初となる)。
次回作である仮面ライダーガヴに関しても2024年3月クランクインとかなり早い段階で撮影がスタートしている為、東映側の製作体制に変化があったことは間違いない。
このエピソードで、『仮面ライダー555』における草加雅人のエピソード(脚本担当である井上敏樹氏が演者である村上幸平氏に「誰に殺されるのが一番嫌か」と聞き、そこで答えた木場に草加を殺させた)を思い出した視聴者も多かった様子。
敏樹氏は亜樹子女史の父親に当たるため「親子二代で似たような事をした」とも言われたが、前述の通りホッパー1マルガムの発案は松浦APであるため濡れ衣である。なお、「明記しておかないと予測だけが尾ひれ付きで拡散されかねない」と言う文章からして、公式でもこのようなネットの反応は想定していた模様。
なお、福圓女史は2年前にセッちゃんを演じていたが、何の因果かこちらも最強戦力が登場する直前に一時的な事実上の死亡(というより機能停止)したという点がある。
ホッパー1マルガムが与えた衝撃は大きく、中には泣き出してしまう子どももいたらしい。
余談
- 公式サイトでは「ホッパー1マルガム(冥黒)」とも記載されている。
- ホッパー1そのものがマルガム化している為、「ホッパーマルガム」も誤表記である。
- バッタモチーフのライダー怪人はバッタ・デッドマン以来3年ぶり。
- 前述の通りホッパー1マルガムを倒したのはアイアンガッチャードだが、「かつてホッパー1達を取り戻すために獲得したフォーム」「テンライナー(スチームライナー)にとってホッパー1は相方」と言う二重の意味で皮肉な悲劇となってしまっている。
- 仮面ライダーWEBによると、元々は「スチームライナーが友達としてホッパーを弔うべく覚悟を決める」というようなくだりも想定していたようだが、尺の都合等も考慮の上描かない事に決めたとのこと。
関連タグ
針馬汐里「やっぱり...ホッパーマルガムかしら?」
ウィールマルガム:こちらは黒鋼スパナがマルガムに変貌してしまった姿で、上述したホッパー1マルガムの構想が長谷川氏によって形を変えて結実したもの。