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この概要が目に入らぬか!編集

水戸黄門において数々の悪行を白日の下に晒してもなお、往生際の悪い悪人達との大立ち回りで暴れ回った後にトドメと言わんばかりに格さんが印籠を突き付けて正体を明かすあのシーンの名セリフ。ぐうの音も出なくなった悪人達を平伏させるカタルシスに至る、いうなれば必殺技にして最後の切り札

正確には、平伏の対象は印籠そのものと言うよりも、そこに描かれた徳川家の家紋である三葉葵とされる。


実は、最初からこの様な形であった訳では無く、初期では印籠をさりげなく見せて正体を明かしていたり、印籠を見せないまま正体を明かす事も珍しくなかった。

だが、それ故に光圀の正体を知らされた敵役側がそれを信じようとせずに、光圀を『御老公の御名を語る不届き者』と見做して大立ち回りになる(所謂『暴れん坊将軍』の様な)パターン(その場合は、最終的に善良な家老や藩主が現れて家臣達を諌めたり、悪役を成敗する事で、光圀が本物である事を証明している)も多く、中には『光圀を偽物と見做した気が短く浅慮な若藩主が、家臣達に光圀一行を斬り捨てる様に命じ、やむなく光圀一行も正当防衛で全員無礼討ちにせざるをず、ようやく藩主が光圀が本物である事に気づいた時には、ただ忠実に命令に従って動いてただけの家臣達が幾人も命を落とす結果となり、光圀から己の短慮が多くの忠臣を失う結果になったのだと窘められた藩主は、自分の過ちに気づいて落涙する』という中々にビターな結末に至った話もある。


そうした決定的な身の証となる品がない事によるすれ違いによって生じる悲劇を回避する為にも、確実に光圀の身分を証明する常套手段として、このやり取りが誕生したとも言える。


基本的な流れにあらせられるぞ!編集


具体的に一連の流れを記すとこうなる。


※(※)の中に入っている言葉は回によっては省略される事がある。


  • 光圀一行が悪人の前に現れ「◯◯(お代官やご家老)様。貴方は悪いお方ですなぁ。◯◯と手を組み、◯◯さんから金子を横領。さらにそれをこともあろうに◯◯さんのせいにするとは、いやぁ呆れ果てて物が言えませんな」等と言って悪事を追求されたり、主君である藩主や宿老などの面前で晒されるなど進退窮まった悪人達だが、この時はまだ光圀を一介の老人としか見做していない為、「おのれ!田舎ジジイの分際で黙って聞いておれば!ええい切り捨てい(もしくは召し捕れい!)」などと言いながら呼び寄せた手下達に命じて強硬手段に打って出ようとする。

 ↓

  • それに対して光圀が「仕方ありませんな……助さん格さん、(※少し)懲らしめてやりなさい!」と檄を飛ばすのを合図に、光圀一行と悪人一味との大殺陣が始まる。
    • この時、が悪人側(主に実働要員のヤクザ者の一味など)に潜入していた場合、大殺陣において敵側の助っ人として呼び出されたりするが、当然ながら正体を現して光圀一行側として悪人一味と戦い始める。それを見た悪人(主にヤクザ者の親分)から「◯◯!? テメェ裏切りやがったな!」等と糾弾されるが、それに対して隠密は「表返っただけだよ!」「今更気づいても遅いんだよ!」「親分さん(旦那)、お世話になりました!」等と皮肉を含めた啖呵を切って返す。
    • 八兵衛などのコメディリリーフは大っぴらに大殺陣に参加する事は基本的になく、主にその回のメインゲストを含めた悪人一味の被害者などの非戦闘要員の身を守ったり、どさくさに紛れて逃げ出そうとする悪人側の腰巾着キャラを取り押さえる、または先に光圀一行が捕らえ済みである生き証人や、回によってはその土地の藩主や良識派の家老などの重鎮キャラを連れてくる事などが主な役割となっている(八兵衛は稀に積極的に大殺陣に参戦する回もある)。
    • 光圀一行の予想以上の抵抗に狼狽した悪人方の黒幕が切り札としてを持ち出してくる場合もあるが、この場合大抵は隠密役が愛用の暗器(弥七は風車、お銀は簪、飛猿は猿面)を投げつけて敵の銃を無力化する。

 ↓

  • 混戦の末、悪人一味が大方打ちのめされたり、必要人物が全員出揃った頃合いに、光圀が「助さん!格さん!もういいでしょう(もうよかろう)」と告げるのを合図に、悪人達に対して、以下の工程で悪人達の悪足掻きを止めにかかる。

助三郎&格之進「鎮まれ!、鎮まれ!」


格之進「この紋所が目に入らぬかぁ!」

デェェェェェェェン!!


水戸黄門漫遊記

※上のイラストの構図で光圀を中心に助三郎、格之進が並んで印籠を見せる構図が完成する。

 ↓

  • 葵の御紋印籠のどアップに続き、それを見て仰天したり、戸惑って戦闘の手を止める悪人一味。

格之進「こちらにおわす御方をどなたと心得る!畏れ多くも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ!」


  • 光圀の正体を知り、驚愕・狼狽する悪人一味(&メインゲストやその場に居合わせた人々)。

助三郎「一同、御老公の御前である…頭が高いっ!控えおろう!!」


  • 助三郎の一喝を前に、悪人一味とその手下達は手にしていた武具を置き、メインゲストやその場に居合わせた人々とともに「はは~…」と土下座して平伏する。

 ↓

  • 正体を明かし、その場に集った者達が皆、平伏したところで、光圀は改めて悪人達の悪事を糾弾し、裁きを申し渡す。敵の正体がまさかの水戸の御老公という予期せぬ形で企みを潰されてしまった悪人一味の反応は以下の3パターンに分けられる。

    • 光圀という絶対的な権力者を前に最早抗う術はないと素直に観念し、「畏れ入り奉りました」「申し訳ございません」などと負けを認めながら、完全降伏する。
    • 主に以前から光圀が介入している事情を知っており、忌々しく思っていた悪役が「この狸ジジイめ!」「貴様さえいなければ…!」などの暴言を吐きながら本性を顕にしたり、突然の事態故に頭が追いつかない者などが、現実を受け入れられずに逆ギレ・死なば諸共で自暴自棄を起こし、「最早、これまで!!」等の台詞で斬りかかったり、切腹すると見せかけて斬りかかってくる場合もあるが、当然すぐに助三郎と格之進(場合によってはその回のメインゲストである武士など)が「痴れ者(慮外者)が!」と一喝しながら阻止し、呆気なく返り討ちにされる。初期から中期にかけてはそのまま容赦なく無礼討ちにされる結末になっていたが、後期は滅多なことがない限りは、基本的に刃を飛ばす等して無力化した後に、強制的に引っ立てて退場させるか、進退窮まった悪人がそのまま切腹するというのが主なパターンとなっていた。また、その際に悪人の企みに便乗していた奥方や付き人が短刀で自害しようとすることもあるが、助三郎か格之進(場合によっては光圀自身)が阻止し光圀から出家等の寛大な裁きを言い渡されて思いとどまるのがほとんどである。
    • 尚も往生際悪く「恐れながら申し上げます…某、〇〇(自分が犯した悪事)など、一切(悪巧みは)身に覚え(関わり)がございません」等と、しらばっくれるのは勿論の事、「全てはこの者達(共犯者や手下一味)が勝手に行った事であり、私は知らぬ内に巻き込まれただけにございます」などと全ての悪事を共謀者に押し付けてまでも罪から逃れようととするが、光圀一行はしっかり証拠を揃えている為、罪から逃れられる事は、ほぼ皆無である。罪から逃れられないと悟った悪人は上述の観念するか、刃を向けるかのどちらかのパターンに至る。
    • 稀に、朝廷=天皇に仕えている為(建前上は)武家よりも上の立場にある公家外国人である為治外法権が認められているオランダ商人など『徳川家の命令に従わなくても問題無い立場の人間』や、この人を筆頭とする将軍家直参(=将軍直属の家来)の老中御家人旗本大奥関係者など『光圀が直接手を下すと色々と厄介な立場の人間』が敵役として登場する場合もあり、その場合は『彼らよりも上の立場にあり、光圀一行に友好的な人物』(ならば朝廷の大臣を務める上級公家、オランダ商人ならば元締めであるオランダ商館長、将軍家直参ならば時の将軍 綱吉公)等に応援に来てもらったり、通常とは異なる段取りで悪事を暴き、印籠を用いずに搦手で裁きを行う場合がある。
    • また、光圀は朝廷より『中納言』の位を与えらている為(そもそも水戸黄門の『黄門』とは中納言の別名)、公家であっても『中納言より下位の公家』ならば、平伏させる事が可能だったりする
      • ちなみに、『オランダ商館長その人が悪役側』という場合もあり、その場合はオランダ本国へ直接罪状を連絡している

 ↓

  • 漸く罪を認めた悪人一味に対し、光圀から「追って藩公より厳しき沙汰があるであろう(厳しき沙汰があるものと)、覚悟いたせ」または「藩公(藩主)〇〇殿に言上し、厳しく罰して頂く故、左様心得よ」とこの先相応報いが待ち受けている事を示唆した宣告を下してから、「この者たちを引っ立て!」と指示を出す。すると、ついさっきまで悪人一味に従っていた、単に上の命令に忠実なだけだった役人達が悪人達を取り押さえ、連行していく。

その後、光圀一行に助けられたゲストに光圀が「◯◯さん。これでよろしいかな?」と声を掛け、「ありがとうございます」「ご老公様とはつゆ知らず、ご無礼の数々をお許しください」等会話を交わして一件落着となる。



助さん、格さん、余談を語っても良いでしょう編集

基本的には上述のパターンで進行していく、水戸黄門の山場といえるクライマックス『印籠シーン』であるが、当然回によって台詞回し(助さん格さんの担当する台詞が交換される、等)や、行動パターンなど多少の差が生じる。


実は印籠を掲げるシーンを提案したのは初代助さんを演じた杉良太郎である。また、印籠を掲げたのは格さん以外にも弥七や果ては八兵衛(ただし、そのうちの一回はあまりにカッコつかないものだった為、格さんの判断でやり直されてしまった)も経験あり。


第43部最終回スペシャルでは印籠を掲げる前に歴代格さん(を演じた面々)が印籠をパスしていくという粋な演出があった。


こちらの関連項目を何と心得る!?編集

水戸黄門 葵紋 印籠


余の顔を見忘れたか別の長寿時代劇シリーズにおける決め台詞。

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