曖昧さ回避
- 近鉄50000系電車の愛称→しまかぜ
高速駆逐艦の名を継ぐ
TV-3521(旧DDG-172)「しまかぜ」は、海上自衛隊のはたかぜ型護衛艦の2番艦。
同型艦「はたかぜ」ともども、海自ミサイル護衛艦第1号の「あまつかぜ」や次級たちかぜ型護衛艦には無かったヘリ着艦能力を持つ。排水量は4650tで「はたかぜ」を50t上回り、主錨も「はたかぜ」までのホールス式からアドミラリティ式に変更されている。
1983年度計画4500t型護衛艦2312号艦として三菱重工長崎造船所で建造され、1988年3月23日に竣工した。就役当時は第3護衛隊群第63護衛隊配属で、定係港は舞鶴基地。
艦名は日本海軍の峯風型駆逐艦「島風」(初代)、島風型駆逐艦「島風」(2代目)の名を受け継いだ。舞鶴海軍工廠で建造された後者が高速駆逐艦として知られるが、名前を継いだ当代「しまかぜ」は特に速いということはない。また、本艦の排水量は先代を上回る。
1995年に「あまつかぜ」の除籍に伴い、第63護衛隊が廃止となり第3護衛隊群直轄艦となるが、年が替わり1996年には「みょうこう」が就役するのに合わせ再び第63護衛隊が再編、編入された。この舞鶴配属時代には1990年と2000年に環太平洋合同演習リムパックに、また1998年にはフィリピン海軍創設100周年記念国際観艦式に参加している。
2007年からは第2護衛隊群第62護衛隊に転属、ここで定係港が佐世保基地に変わる。翌年には第1護衛隊群第1護衛隊に転属、2011年にはブルネイ・ダルサラーム国の国際観艦式に参加、ムアラ港とその周辺海域で行動した。また2012年には豪州海軍主催の多国間海上共同訓練「カカドゥ12」、さらに2014年には、リムパックに並行して実施された、第1回護衛隊群米国派遣訓練において、「こんごう」「てんりゅう」とともに参加している。
護衛艦としては、最後は第4護衛隊群第8護衛隊に所属していたが、海自8隻目のイージス艦であるまや型護衛艦「はぐろ」が2021年3月19日に就役したため、玉突きで練習艦に艦種変更された。
定係港は呉基地である。
関連タグ
島風(艦隊これくしょん)／ぜかまし：2014年当時の艦長に娘さんから「ぜかましの調子どう？」なんてメールが来たとかなんとか……
ミサイル護衛艦の系譜
| あまつかぜ(護衛艦) | 海上自衛隊初のDDG(ミサイル護衛艦)。護衛艦としては異例の30年間にわたり第一線で活躍。 |
|---|---|
| たちかぜ型護衛艦 | はたかぜ型の前型。「たちかぜ」「あさかぜ」「さわかぜ」の3隻がつくられた。それぞれ帝国海軍に同名の艦艇「太刀風」「朝風」「澤風」が存在した。 |
| こんごう型護衛艦 | 後継艦にあたるイージス艦で、1番艦「こんごう」と4番艦「ちょうかい」が佐世保配属時代の、3番艦の「みょうこう」は舞鶴配属時代の、それぞれ後輩。 |
| あたご型護衛艦 | 「こんごう」型と同じくイージス艦。1番艦「あたご」は舞鶴を定係港にしているが、「しまかぜ」は「あたご」就役と入れ替わる形で佐世保基地に転属している。また2番艦「あしがら」の定係港は佐世保配属時代の後輩。 |
| まや型護衛艦 | 「あたご」型をさらに改良。2番艦「はぐろ」が佐世保配属、1番艦「まや」は横須賀配属。 |
なお、「こんごう」型のうち「ちょうかい」以外の3隻と、「あたご」型2隻は本艦と同じく三菱長崎生まれ(「ちょうかい」のみ石川島播磨重工業東京工場で建造された)。
