この作品は、1998年3月19日にコナミよりPlayStation用として発売されたゲームである。
ジャンルは恋愛シミュレーション
英語表記は「Mitsumete Knight」
詳細
このゲームにおいて貴方は東洋人となり、中世ヨーロッパ風の世界観を持つ「ドルファン王国」に傭兵として雇われることになる。貴方の役割は、そこで「雇われる国での最高地位を目指す」事、それと「身近な女の子たちとの恋愛関係を築く」事、この2つがこのゲームの目的である。
内容に関して
このゲームはときめきメモリアルの次を見据えて、コナミとレッドカンパニー(現:レッド・エンタテインメント)が作成したものであるが、難易度が高めであり、学園生活を基にしたときめきメモリアルとは異なり、ヒロイン及び主人公が不幸な目に遭い易い事が指摘されている。
悪目立ち要素として、主人公がヒロインに対し酷い言動を行う事も可能(例えばセクハラや見捨てる行為等が出来る。最悪の場合死ぬ)である。
他にも「傭兵の戦いでは戦争の大局は変更されない」と言う点も人を選ぶ。
このゲームは見た目やタイトルとは異なり、いわゆる「王道の恋愛シミュレーション」ではない為、人を選ぶ点もあり、セールス的には期待はずれであったと推測される。
しかし実際には当時もだが、評価が高い。
特に、ときめきメモリアルで散々プレイヤーを悩ませた傷心度(知り合った女の子を放置していると蓄積されて、閾値を超えると爆発して悪影響を及ぼす)が、教会での行動(自分のために祈る)で全員一挙に処理が可能な点(全員の数値が行動前の半分になる)はギャルゲーマーに喜ばれた。
戦闘面では、一騎討ち時に防御コマンドの『次のコマンドウィンドウ表示まで防御力上昇・必殺無効』と言う仕様が、素早さステータスを上げてしまうと噛み合わない点が難。コマンド入力するまで有効にしてくれたら良かったのだが。必殺技の入手条件が結構厳しいため、ひたすら攻撃を入力し続けてタコ殴りにするのが強い。
戦争をテーマにしているというところから、一騎討ちで負けて病院に運び込まれた際に仲がよく・血液型が同じ女の子から輸血してもらえるイベントがあるのも珍しいところか。
やり込み要素の多さが特徴。イベントグラフィックは勿論、称号やクリアした女の子が使用可能になるミニゲームなどが存在する。
ゲームをやりこんだ一部の人からは「実は恋愛シミュレーションではなく、恋愛しないシミュレーション、すなわち女の子の誘惑を振り切って最高の地位を目指すゲームなのではないか」と言われている始末であるが、その指摘が大いに的を射ていたことが、2008年稼働のコナミの音ゲー「ポップンミュージック15ADVENTUER」において明らかになった。
本作のサウンドディレクターを務めたのは、ポップンシリーズでサウンドディレクターを勤めてきた村井聖夜氏であり、そのこともあって本作で最高位の称号である「聖騎士」の位を手に入れた時のエンディングで流れる楽曲「MAN FROM FAR EAST」がプレイ可能な楽曲として収録された。
その際に公式の楽曲コメントで、原作であるこのゲームについても触れられており、
「国の危機を放って女の子とイチャイチャするか」それとも「女の子を諦める代わりに国の危機をすくい英雄となるか」
……すなわち、人生におけるジレンマこそが真のテーマであると語られていた。
……聖騎士になる事がED条件の娘もいるが気にしてはいけない。
漫画版も発売され、そちらは本編と同じドルファンが舞台となっており、主人公は東洋人傭兵ではなく、コジロウ・ソウマと本編の没キャラである「スリの女の子」を元にしたアリッサ・ホルンになっている。
本編のヒロインもサブキャラとして登場している。作画は本編のキャラクターデザインを担当した竹浪秀行。
登場キャラクター
ヒロイン
主人公 他
八騎将
イラスト上段左から
- デュノス・ヴォルフガリオ(CV:郷里大輔)
- ミハエル・ゼールビス(CV:増谷康紀)
- キリング・ミーヒルビス(CV:青野武)
- セイル・ネクセラリア(CV:林延年)
- バルドー・ボランキオ(CV:江川央生)
- スパン・コーキルネイファ(CV:新山志保)
- サリシュアン(CV:冬馬由美)
- ルシア・ライナノール(CV:今井由香)
その他のサブキャラクター
- デュラン・ドルファン(CV:郷里大輔)
- グスタフ・ベナンダンディー(CV:島俊介)
- ミラカリオ・メッセニ(CV:佐藤正治)
- ジョアン・エリータス(CV:石川英郎)
- ロバート・ロベリンゲ(CV:麻生智久)
- カルノー・ピクシス(CV:中井和哉)
- サム・バーストン(CV:私市淳)
- ヤング・マジョラム(CV:遠藤守哉)
- ビリー・バーストン(CV:幸野善之)
本作に付きまとう様々な不運
非常に凝った出来にして完成度の高かったみつめてナイトであったが、その後様々な不運が付きまとう。
シリーズの早期終結
本作はポストときメモの先鞭を付ける筈だったが、本作は値崩れを起こす程の大量の不良在庫を抱え、その後発売されたみつめてナイトRと、REDとのもう一つのコラボ作品だった聖少女艦隊バージンフリートが本作を下回る売上となり、折角本作の作品の評価が上がってきたのに、メディアミックス企画も空中分解し、リリースから僅か8ヶ月で公式展開は終了の憂き目に遭い、続編も潰える。また、本作に於ける早計且つ性急な判断は、後のコナミギャルゲー政策に悪影響を与えた。
声優諸氏の受難
みつめてナイトに出演していた声優諸氏も難儀を受けた
- 新山志保・ジーン役 白血病で2000年に急逝
- 小西寛子・ソフィア役 トラブルで2000年に声優引退
- 青野武・キリング役 2010年に逝去
- 嶋俊介・グスタフ役 2010年に逝去
- 郷里大輔・ドルファン国王&ナレーション役 2010年に自殺
- 水谷優子・スー役 2016年に乳癌で逝去
- 今井由香・プリシア王女役 家事専念の為2018年に引退
仮に復刻しても声優交代は避けられない。
コラボ企画故の困難とコナミの変質
REDとのコラボ企画だった事が災いし、アーカイブに依る復刻や前述する当時の声優が故人や引退された方々が多い為、復刻が困難と言え、追い打ちを掛ける様にコナミ自体、スポーツクラブの運営をメインにし、ゲームは二の次になっており、みつめてナイト以後ギャルゲーはときメモ優先・偏重を経て、ラブプラス以後は一時はラブプラスがメインとなっていた。
果たして、このまま幻のゲームとなるのであろうか?
pixivにおけるタグ
当然、女の子たちのイラストが多い……。訂正、ほぼ登場する女の子のイラストである。
関連イラスト
関連項目
コナミ みつめてナイトR レトロゲーム プレイステーション RED レッドカンパニー レッド・エンタテインメント スポーティーな鎧 プレイステーション