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キハ65をベースに改造したジョイフルトレイン。大阪駅と七尾線の和倉温泉駅を結ぶ臨時特急「ゆぅトピア和倉」として運用され、七尾線電化までの1991年まで運用された。臨時特急としての運用が無くなると団体列車での運用が中心になったが、エンジントラブルから復旧されないまま1995年3月に廃車された。


開発経緯編集

能登半島は当時成立した半島振興法により、リゾート開発が計画されており、また和倉温泉については関西方面からの観光客も多かった。しかし名古屋・大阪から直通してくる急行は1978年10月に廃止されており、観光客はもっぱら自家用車か観光バスを利用していた。

国鉄金沢鉄道管理局もこの状況を手をこまねいてみていたわけではなく、国鉄分割民営化を控えて七尾線北陸本線に次ぐ経営重点線区として位置づけ経営基盤の確保に取り組み、新しい施策として大阪と和倉温泉を直通する列車の運行を開始することになった。


当時の七尾線は非電化路線で、電化区間の北陸本線から直通する場合、客車気動車で運転するか、電車列車に電源車を連結し、ディーゼル機関車で牽引する方法がまず検討された。前者の場合、北陸本線内の所要時分が電車列車に比べて延びやすく、後者の場合は七尾線内での取り回しが大変になる。

そこで考案されたウルトラC「電車と気動車を併結し、七尾線内は気動車のみで運転する」というものである。この方法であれば特急雷鳥レベルの北陸線内所要時間を確保でき、尚且つ機動性も高い。電車と気動車を連結する場合、協調運転と無動力牽引の2種類が検討されたが、前者は開発途上ということで無動力牽引(電車による牽引)が採用された。


車両編集

車両の改造は松任工場で行われることになり、アルファコンチネンタルエクスプレスの改造実績を持つ苗穂工場や国鉄本社の協力も得られた。


2両1編成で各車両定員は36名。どちらもグリーン車となり、形式は「キロ65形」に変更。

車体編集

キハ65形の車体を先頭車端部から約7m分を台枠を残して切断、新造した展望室の構体と接合した。

エアコンは種車のAU13Aの他、展望室の直後にAU76Aを搭載した。

連結器は電車との併結に対応した密着連結器に交換し、原則他の気動車との連結は出来なくなった。ただし、中間にキロ28キハ28を挟み込んでの運転実績は存在する。

客室編集

展望室は床高さを600mm高くし、ラウンジとして使用するため1号車では回転椅子を2脚とソファーを6席、2号車では回転椅子を8脚設置した。

一般客室は座席部分を110mm高くしたハイデッカー構造とし、キハ183系気動車のグリーン車用に設計された2人掛け回転式リクライニングシートを2+2の配置で前後9列設置。シートピッチは1.1mとグリーン車の標準シートピッチである1.16mよりもほんの少し狭い。

側面窓は全て2段窓からはめ殺しの固定窓に変更され、横引きカーテンに交換された。


1号車客室のデッキ側には、トイレ・洗面所を新設。2号車では車内販売準備室を設けたほか、テレホンカード公衆電話を設置した。

走行機器・電装品・床下機器編集

キハ65は最高速度95km/hで設計されていたため、120km/h走行に対応した改造を行った。

台車は高速走行に対応するペデスタル式軸箱支持装置へ交換、ブレーキは応荷重装置つき電磁直通ブレーキへ変更。ブレーキ指令線の引き通しなどの改造により、電車牽引時はブレーキのみ電車と協調するようになっている。


ドア扱いは電車側と気動車側で別々に行うが、万が一の場合に備え、「ゆぅトピア」側の扉が3km/h以上で走行中に開いた場合、電車の運転台にある警告ブザーが鳴動する回路を設けた。

電車に牽引されている場合は「ゆぅトピア」側の逆転機が中立になっている必要があることから扉開閉状態と逆転機の状態を電車の運転台で監視できるようにしている。


関連項目編集

日本国有鉄道 JR西日本 雷鳥 七尾線 キハ65キハ65形 ジョイフルトレイン グリーン車 気動車

ゴールデンエクスプレスアストル:姿がとても似た同時期のジョイフルトレイン。「ゆぅトピア」編成は1編成しかなかったため、検査時は同じジョイフルトレインの「ゴールデンエクスプレスアストル」編成が「ゆぅトピア和倉」運用を担当した。

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