リゾートみのり
りぞーとみのり
2008年の「仙台・宮城デスティネイションキャンペーン」の一環として同年10月1日より陸羽東線で運行を開始した快速列車（不定期運転）の愛称である。
愛称は陸羽東線をイメージする「稲穂」実りある収穫、「温泉」実りあるひととき、「紅葉」実りの秋「実り多い旅にしてほしい」という意味から来ている。
仙台駅から東北本線・陸羽東線を経由し新庄駅まで1日1往復運行。運転日は月・金（変動あり）土・日・祝日及び指定日。
車両はキハ48形を改造した専用車両「みのり」（後述）3両が充当されているが、夏場などには中間車を抜いた2両での運転も見られたほか、片方の先頭車を切り離し、同じくキハ48形改造のジョイフルトレインである「びゅうコースター風っこ」と連結して4両で運転される場合もあった。
2020年3月26日、JR東日本仙台支社より、同年6月末の運転を以て引退することが発表されたが、COVID-19感染拡大により4月中旬以降の運転が（当初予定されていたラストランも含めて）一旦取りやめとなった。車両の検査期限（事実上の『使用期限』に等しい）が迫っていたことから一時はラストランの実施すら不安視されたものの、車両を一時的に休車扱いとして期限を先延ばししたうえで準備が進められた。そして同年8月8日～10日に団体臨時列車として無事ラストランが行われ、12年間の歴史に幕を下ろした。
なお、後継となる列車「快速湯けむり」が2020年7月より運転されている（普通列車用キハ110形ラッピング車を指定席扱いという、一応他社での前例があるにせよやっつけにも程がある代物だが…）。
紛らわしいため混同されやすいが、「リゾートみのり」はあくまで列車名であり、車両それ自体の愛称は「みのり」である。もっとも、同名の特急列車がかつて長野〜新潟で運転されていた事情もあり、「リゾートみのり」の名で呼ばれることも多い。
外観上の特徴は同じくキハ48形を改造元とするリゾートしらかみやリゾートうみねこの車両と似ており、側面窓が拡大されている点なども共通する。両先頭車では前面展望を楽しむことができる。塗装は鮮やかな紅葉を意識した「深排色」をベースに「漆黒」、伊達政宗の兜や稲穂をイメージしたゴールドの装飾が施されている。
中間車は改造前の姿をとどめており運転台も使用可能。先頭車の故障時には無事なほうと中間車の2両のみで運用されたこともあったほか、上記の通り「びゅうコースター風っこ」との連結に使われた場合もあった。
時期によっては「両先頭車が『リゾートみのり』に充当される裏で、この中間車のみがイベントスペースとして他の車両に連結される」という変わった運用も行われている。
当初はほぼ陸羽東線にしか使用されていなかったが、2015年以降は年末年始を中心に磐越西線の快速「あいづ」などでの出張運転も見られた他、仙台港に寄港したクルーズ船の乗客を乗せるため仙台臨海鉄道を走行したこともある。
「リゾートみのり」ラストランから二日後の8月12日に車両の廃車回送が行われ、保存・譲渡されることなく同年10月までに解体された。なお2020年9月現在、後継車両の有無は不明。
- 「みのり」は元々、デビュー当時に同じ車両センターにいたキハ28・58形改造のジョイフルトレイン「こがね」（2010年引退）の後継車両として登場したとも言われており、名前が田んぼやお米に絡んだものだったり構造や両数が似通っていたりするのはその名残と思われる。
- 因みに「リゾートみのり」ラストラン時のダイヤは下りが通常の運転時と変わらぬまま、なぜか上りだけかなり遅いものに変更された。この結果、偶然か否か、この時の小牛田～仙台のダイヤは、上下とも「こがね」ラストラン時のそれとほぼ一致している。
- なお、COVID-19の感染拡大が起きなければ「運用最終日まで通常通りの臨時列車として運転したうえで、車庫までの回送列車を団体扱いにして運転する」という、かなり珍しい形でのラストランが行われる予定だった。
- デビュー当時のダイヤグラムは、上述の「こがね」の陸羽東線運転時に使われていたほか、デビューより半年ほど前から直前まで臨時列車「思い出湯けむり」の運転にも使用されていた。こちらには修学旅行色に塗り替えられたキハ28・58形2両が充当されており、「リゾートみのり」と入れ替わる形で2008年いっぱいで引退した。
