概要
初出は『小学四年生』1974年7月号。てんとう虫コミックス第3巻ならびに藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』第4巻に収録されているエピソードであり、1979年4月2日、テレビ朝日版第1期である大山のぶ代版アニメ『ドラえもん』が放映を開始した時に、その第1回に選ばれた記念すべきエピソードとして有名である。
水田わさび版アニメでは2006年4月28日に放映され(初回放送時は「よみがえった幻のストーリー」と煽り文が付いていた)、2019年4月5日にもアニメ放映開始40周年を記念してリメイク版が放映された。
あらすじ
ローラースケートで遊ぼうにも、遊ぶ場所がないドラえもんとのび太。さらに、しずかもお茶の会があるからと家を追い出されたと言い、そこで友達と空き地で遊ぼうとしても、空き地は工事の資材置き場になって遊べなくなっていた。
そこでのび太は、自分だけで自由に過ごせる家や町が欲しいと口にすると、さっそくドラえもんは「ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ」を取り出し「ぼくらだけの家をつくろう」と言う。
このカメラで建物を撮影すると、その建物の細部まで再現したミニチュアができるのだ。さらに「ガリバートンネル」で小さくなると、そのミニチュアの家に住むこともできるようになる。
ドラえもんとのび太は町中の建物を撮影し、建物のミニチュアを自分の家の庭に並べて町を作る。そしてのび太が友達を誘ってみんなでガリバートンネルをくぐると、そこにはミニチュアの建物の並ぶ町が広がっていた。
ドラえもん達はこのミニチュアの町を「ノビタランド」と名付けてそこで自由に遊ぶが、のび太のママが庭に物置をつくるためにミニチュアの建物をどけてしまい、ノビタランドはものの数分足らずで崩壊してしまう。のび太から空き地を作る機械を出すよう頼まれたドラえもんは「土地だけはつくれないなあ」と困惑するのだった。
余談
1979年版には、ドラえもん達が指を鳴らしながら並んでノビタランドを行進するシーンが存在するが、これは映画『ウエストサイド物語』のパロディである。わさドラ2019年版にも、電器屋のテレビに『ウエストサイド物語』の1シーンが放映される場面が存在する。
また、原作版では安雄が登場していたが、1979年版では何故か帽子をかぶって頭の後ろで手を組んだ少年(アニメ版では名称不明、なおアメトーークのドラえもん芸人の回で脇あけ夫というあだ名をつけられた)に差し替えられていた。第2話からその容姿の少年は登場しなくなってしまった為、今でも謎の少年として度々話題になることがある。わさドラ2019年版では、上記の安雄と共に夢の共演を果たした。
原作ではドラえもんがぼやくシーンで話が終わるが、1979年版ではミニチュアを片付けるようママに言われたのび太が「ぼく知らないよ、ドラえもんだよ〜!」と言いながら仲間達とその場から逃げ出してしまい、取り残されたドラえもんがママに投げつけられてしまった大量のミニチュアの下敷きになりながら「それはないよ〜っ!!」と嘆くシーンで締められる。わさドラ2019年版も、当時を意識してかほぼ同様の締め方となっている。
上記の「40周年」は、テレビ朝日版アニメが放送を開始した1979年から換算されている。日本テレビ版アニメを含めるとすれば、1973年から換算して46周年ということになる。
2024年10月12日には、9月29日に亡くなったドラえもん役大山のぶ代氏の追悼企画として、ドラえもんの公式Youtubeチャンネルにて10月25日までの期間限定で公開された。
本編終了後のアイキャッチが無い代わりに、動画の最後には「大山のぶ代さん ありがとうございました」と追悼メッセージが表示された。