概要
主星たる恒星によって潮汐固定されたと想定される地球型惑星の通称。後述する理由で、円形の海洋(瞳・黒目にあたる)と周囲の氷原(白目にあたる)の対照が、眼球を思わせる姿になると想像されているためこのように呼ばれる。
固有名詞的な「アース(地球)」に対してより普通名詞的な「アイボール・プラネット(英eyeball planet)」、またここからの訳語「眼球惑星」とも呼ばれる。
成り立ち
太陽より熱量の少ない、赤色矮星などの恒星系では、地球型惑星がこれを公転した場合、大気と水が生命をはぐくむのに適した温度となる領域(ハビタブルゾーン)が太陽系より内側、すなわちより恒星に距離が近い位置にくる。
このようなハビタブルゾーンに惑星が位置した場合、恒星の引力の影響が強くなり、しばしば惑星の自転と公転が同期し、地球から見た月のように、その惑星は恒星に、常に一定面を向け続けた状態になると考えられている。その場合、惑星の地上から見ると、上空の一点に常に恒星(その惑星にとっての「太陽」)が昇り続ける永久昼の面と、日光が届かない永久夜の面に二分されることになる。
地球型惑星に一定の質量・重力があり、大気が、地表で水が液体の状態を維持するのに十分な量・気圧であった場合でも、永久夜の面、および昼の面でも入射角が浅く光量(熱量)の不足しているエリアでは水は氷結し、海は、恒星が上空真上に来る点から一定距離の経線の範囲内、つまり特定の円形エリア内に形成されると考えられている。
地球型惑星であっても質量・重力が十分でない場合や、恒星のほうの光量・熱量が大きい場合には、「黒目」にあたるエリアでは水(海)は干上がり、地面が露出した状態になると考えられている。