概要
アオミノウミウシ【青簑海牛】は、ウミウシの一種。
分類学的には、裸鰓目・ミノウミウシ亜目(Aeolidina)・アオミノウミウシ科・(Glaucidae)・アオミノウミウシ属(Glaucus)。
学名はGlaucus atlanticus。
世界中の温帯・熱帯の海域に分布するが、特に大西洋(学名にも反映されている)のヨーロッパ沿岸や南アフリカ東岸・南岸、モザンビーク沿岸、オーストラリア東岸で見られる。体の大きさは、2~6cm程。
同属の良く似た姿でより小さい体のGlaucus marginatusがあり、これは主に太平洋で見られる。
アオミノウミウシは、両手両足のようなヒレを全部広げると、どことなくトカゲのようなシルエットをしており、和名は、その姿が昔の雨具である簑に似ている所に由来する。
英語ではウミウシ(普通“sea slug”(海のナメクジ)と呼ぶ)ならぬウミトカゲ (sea lizard) 等とも呼ばれたり、その華やかな容姿から、sea swallow(海の燕), blue angel(青い天使), blue dragon(青いドラゴン)などの異称がある。
その為か、ピクシブ上では擬人化(モンスター娘化)も多く、また、そのドラゴンめいた姿から、ドラゴン系のクリーチャーのモチーフにした絵も幾つかある。
普段は海面に逆さまになって浮かんでいるが、表層域に浮かぶクラゲ等の有毒な刺胞動物を発見すると、泳ぎ寄って捕食しその刺胞を防御用に体内に蓄える。小さな体・華奢な見た目に反して、特にカツオノエボシとその近縁種を捕食する。
……護身のためにカツオノエボシの刺胞=毒針を蓄えているということは、アオミノウミウシに触れるのはカツオノエボシに刺されるのとほぼ同じ。海で見かけても触ってはいけない。刺されるぞ。綺麗な物には棘があるのだ。