概要
和名 | アリノタカラ/アリノタカラカイガラムシ(蟻の宝/蟻の宝介殻虫) |
---|---|
学名 | Eumyrmococcus smithii |
分類 | 半翅目 腹吻亜目 カイガラムシ上科 コナカイガラムシ科 アリノタカラカイガラムシ属 |
体長 | 1.7mm |
分布域 | 日本(本州、四国、九州、南西諸島)、台湾、中国南部、東アジア |
「ミツバアリ」というアリと共生する虫。
一応れっきとした昆虫なのだが、白熱電球のような体型をしており、また目がない。
蟻の宝は蟻あってこそ
ミツバアリはチガヤやサトウキビなどのイネ科植物の根っこにこいつを移動させてやり、糖分を含んだミツをもらう。アリノタカラにとってはただの糞尿のようなものだが、ミツバアリには重要な食糧で「アリ」、マジでこの虫たちの生命線になっている。蟻の宝という名前は決して誇張ではないのだ。
そのため、女王アリは新しく巣を作るときにこいつを一匹連れていく(アリノタカラはメスだけで卵を生む単為生殖が可能なので、一匹でもいれば再度増えていく)。
対するアリノタカラも移動力がほぼ皆無で、ミツバアリのサポー卜がないと生きていけないため、このアリが運んでくれるおかげで住みかを広げられる。
互いにメリットがある共生関係を相利共生といい、アリとアブラムシ、テッポウエビとダテハゼ、ソメンヤドカリとイソギンチャクなど様々存在している(逆に片方だけメリットがあって、もう片方は特に利益も不利益もないのを「片利共生」、明確に害を与えるなら「寄生」という)。
しかしそんな共生関係にあって、互いに欠けたら生きていけない状態を絶対相利共生と呼ぶ。