概要
ATの腕に仕込まれ、腕を炸薬によって撃ち出す(射出はしないので「伸ばす」と表現する方が正しいが)ことでパンチを強化する武装。
腕を撃ち出すパイルバンカーと言ったところか。
射程はほぼ伸びないため、「伸びる腕」のカテゴリには含まれない。
スコープドッグの武装というイメージが強いが、実際はほとんどのATに採用されており、パイルバンカーの方が少数派である。
腕をわずかな距離撃ち出すだけなので威力も大したことが無いように思えるが、炸薬によって高速度で射出された腕部の威力は意外なほど侮れず、相手が同程度のサイズ・機体性能のATであれば、当たり所次第で頭部を吹っ飛ばしたり、装甲を大きく凹ませたり破断させることも可能である(もともとサイズが小さく機体内部に余裕が無いATは、装甲が凹んだり破断しただけで大きなダメージを負ったり、搭乗しているパイロットの方を殺傷することもできる)。
精密機器であるはずのマニピュレーターを炸薬で叩き込むという仕様上、現実的に考えると使い捨て出来るくらい安価な機体か腕部を換装できる機体にくらいしか搭載できないシロモノであり(※)、ある意味ATらしい武装と言える(尤も大概のロボットアニメでは「マニピュレーターの強度」など気にしたことは無いが)。
一方で、銃器を扱う事を想定しないアイアンクロー型の腕を持つストライクドッグをはじめとしたATなら強度の問題はないだろう(ただし銃器無しと言うわけにもいかないので片腕だけである)。
余談だが、この武装では使用した薬莢を排出する「排莢」を行う描写があるのだが、これ以外の武器では排莢を行っている描写がほとんど無い。(設定の上では、液体火薬を使った「ケースレス弾」を用いているためである)重要な機構なのに割とローテクなのだろうか?
メタ的に言うとオートマチックピストルのブローバック機構からヒントを得た演出なので、単に「かっこいいから」と言うだけの話らしい。
『ボトムズ』系以外では、ガンダムシリーズのゾゴックやガルスJ(および、それを引き継いだズサン)も使用する。
ちなみに、ザンボット3にもアームパンチという名前の武装はあるが、これはロケットパンチの一種である。
関連項目
エルボーロケット…こちらはロケット噴射で強化されたパンチ
※この辺りのツッコミを気にしていたのか、高橋監督は次の作品の人型兵器SPTの格闘兵器として、内部機器へのダメージを与える効果を狙った電撃を放つナックルガードを拳に被せて敵を殴る兵器を設定している(それでも手首部分や腕部に掛る負荷には対応出来ていないが)。