エンドロール(ブレ×ブレ)
しゅうまくのまけん
「マスターさん…? マスターさん! 私のマスターさん!」
「私は、エンドロールって言います!」
「はぁ…よかった… マスターさんに会えた… 会えたよぅ…」
その脅威から「走馬刀」とも呼ばれる曰くつきの英雄剣。
元々は魔族を倒しまくった伝説の英雄の剣であったが、魔族側からしてみれば出会えば確実に死に至る、ほぼ確殺の脅威の魔剣。
「その姿を見た者の人生は終幕を迎え、刃を向けられただけで人生のエンドロールが流れ始める」という逸話から、いつしかこの名前で呼ばれるようになった。
腰ぐらいまで伸びた銀色の髪を持っており、両サイドの髪は少々束にしてまとめて上げている。前髪を右側に寄せているためか右目にかかって目が隠れており、頭には銀のティアラを載せている。
服は白色を基調としたバレエ衣装とドレスを組み合わせたようなデザインで、白黒のリボンが各所にちりばめられている。上半身は肩が丸出しであり、胸元はフリルのようなもので隠れている。どうしてずり落ちないのか不思議。
スカートは下側が黒色ベースに裏地が赤色となっている。外側には斜めにフリルのようなものが連なっていて、裏側には白いカードのようなものが何枚も存在し、一部のカードに「End Roll」と一文字ずつ刻まれている。裾には金色の十字架を模した装飾がついている。
スカートのようなものはよく見ると前の部分はつながっておらず、コートのように両サイドに広がっている。下半身はバレリーナのように白いタイツを履いていることが確認できる。
靴は西洋鎧を模した底の高いもので、両手や両膝にも鎧のようなプロテクターを装着している。
改造して【極】になるとスカートの装飾が増え、裏地のカードが白から黒に代わる。ティアラも赤いクラウンに変化し、周囲を七色・七つの三角形の閃光が飛び交っている。
イラストからはわかりづらいが実は女子中学生の平均身長よりも背が低い。体重も小学生並み。そのためか少々お子様体型であり、本人も少し気にしている。マスターに触られても嫌がるというより申し訳なさそうにしており、「触っても楽しくないと思う」と自身を卑下している。
魔剣状態では銀色を基調とした両刃の長剣となる。柄の部分には折り重なるようにかたどられた翼の装飾があしらわれており、鍔に当たる部分には桃色の光を放つ十字架がある。剣全体も神秘的な桃色の光を纏っており、魔剣というよりは聖剣に近い雰囲気となっている。
改造すると魔剣状態にも変化が起こり、全体が大型化して刃が金色に輝いている。刃の根元の翼も一部が金色に変化し羽ばたくように広がっている。そして纏う光も桃色よりも白に近くなっている。正直言って魔剣には見えない。
「こう見えても私、伝説の勇者が使ってた…らしいし!」
「マスターさんだけなの、私を見ても逃げないでくれたの… だから、お手伝いさせて!」
かなりの逸話を持っているものの、セリフからわかる通り寂しがり屋のぼっち。根暗とかコミュ障とかいう訳ではなく、上述した伝説のせいで味方の魔剣たちからも怖がられているらしく、常に独りぼっち。本人は仲良くなろうと頑張って声をかけているが、編成の時点で毎回逃げられてしまっている。そのせいか、しゃべり方も少々おどおどしている。
またその特性ゆえか、何かするたびにエンドロールが流れて全てが終わりそうになるという事態が起こる。勝負に本気で挑んでも、勝利してほめてもらっても、下手すればエンドロールが流れ始めてすべてが終わってしまうため、毎回ほどほどで済ませようと四苦八苦している。
要するにああゆう展開とかこうゆう展開に持っていって強制的に物語が終結しかねないということ。バトルの戦績で一番になると嬉しそうにニヤけているが、みんなが終幕を迎えないように「ほめないで!喜ばせないで!」と不本意ながら拒絶している。
以上のようになかなか可哀そうな性を背負っているためか、自分を見ても逃げずに使ってくれるマスターに対して大変献身的である。何かあったら自分のことを放り出してマスターの力になろうとする。強化しようとしたら素材の心配をして「どうにかして稼いでくる」と言ったり、修理のため入院させようとしたらマスターの負傷を心配して「一緒に入院しましょう!さぁ!」とかなりギリギリな発言も飛び出す。魔石を使って高速修理を行うと泣きながら喜ぶ。
このように相当尽くしてくれるタイプの魔剣であるが、隠しカテゴリである「マスターのことが好きすぎる魔剣」には入っていない。つまりこの上をいく魔剣たちが大勢存在するのである。