概要
膜翅目ハチ科スズメバチ亜科スズメバチ属の昆虫。
本来はケブカスズメバチというのが正しい名称であるが、本州以南の亜種はキイロスズメバチと呼ばれており、こちらの方が知名度が高い。
日本に生息するスズメバチの中では小型の部類であり、女王バチが25~28㎜、働きバチが18~24㎜ほどの大きさ。名前の通り全身が他のスズメバチより黄色に近い。胸部の背中下部には黄色い斑点がある。
特筆すべき事項として、キイロスズメバチは都会にも適合している事が挙げられる。
キイロスズメバチは球状の巣を作る傾向にあるが、山奥の雑木林の中とかだけではなくそこらへんの民家の軒下とかにも平気で営巣する。
キイロスズメバチ並びにケブカスズメバチは日本に生息するスズメバチの中では最も狂暴かつ攻撃性が高く、他のスズメバチなら人間を見ても無視しようとする状況であっても率先して威嚇、攻撃してくる。食性も非常に幅広く、昆虫全般のみならず動物の死骸、樹液や果物、生ゴミにまで集る。
活動期間も3月から10月にかけてと非常に長く、被害は秋が一番多い。
主な天敵はオオスズメバチであるが、オオスズメバチは山中の柔らかな土の中に巣を作るため宅地造成等が行われると激減するため、都会に適合し、生ゴミやそれに集るハエなどを食べるキイロスズメバチにとっては天国のような状況になる。故に現在、日本で最も被害を出している蜂はキイロスズメバチだったりする。
ミツバチなども襲ったりはするが、単騎で巣を壊滅させられるオオスズメバチに比べて戦闘力は低く、ニホンミツバチには蜂球で蒸し殺されることもある。