概要
『仮面ライダーOOO』第33話及び第34話に登場した狂気の総称。
名前の由来はゲストキャラ・北村雄一と彼が運営していたレジャーランドのロケ地についたあだ名から。
あらすじ
仮面ライダーオーズこと火野映司のもとにある日「ゆめいろレジャーランド」への招待状が届いた。差出人は映司は身に覚えのない相手だったようだが、アンクに泉比奈や伊達明、後藤慎太郎など身の回りの人間と共にレジャーランドに赴き、待ち構えていた北村との会話を経て映司は北村のことを思い出した。北村は映司の高校時代の同級生で、引きこもりだった彼は映司が助けてくれたことをきっかけに立ち直り、現在はベンチャー企業の社長としてレジャーランドの経営に乗り出していた。北村はそんな映司に恩義を感じ、今回の招待に漕ぎつけたとのこと。早速アスレチックで遊ぶ一行だったが、そんな中で突如比奈が行方不明となり、さらにはグリードのカザリとアンクロスト、フクロウヤミーも現れ、戦いの最中に伊達と後藤までも行方不明になるなど事態は混迷を極める。
フクロウヤミーは北村から生み出されたもので、生まれたヤミーは映司の身の回りにいる人間を拉致隔離するような行動を起こしていた。つまり邪魔な人間を排除することで彼らを救助するために映司に頼られたいというものが北村の欲望であり、さらに比奈を拉致監禁して彼女を探す手伝いをして映司に感謝される、というのも北村の計画であったことが明らかになる。
なお、ヤミーには人間の欲望を異常に膨らませる特性があるが、比奈の拉致監禁に関しては彼自身の意志で実行していた。しかし映司はそんな北村をかばい、ヤミーに拉致された伊達と後藤の捜索に乗り出す。
そしてエピソード終盤、ヤミーやグリードと相対する映司はオーズ プトティラコンボへと変身。制御不能な形態に変身したオーズは暴走、ヤミーを倒してもなお身の回りに攻撃をくわえようした矢先にアンクが身を挺してオーズを変身解除させる。アンクを映司の邪魔をする者と認識していた北村だったが、この二人の奇妙ながらも強い繋がりを見せつけられたことでそのまま何も言わず、寂しげに立ち去っていくのであった。
ネタにされる要因
主な原因は言うまでもなく北村の強烈なキャラクター性にある。
一、北村の映司への思い入れが強すぎた
北村はポッと出のゲストキャラクターにもかかわらず、映司に対して過去の出来事から強い感謝の念や友情、それらを超えた異様な執着を抱いており、映司を親友と評して長年の友人のように振る舞っている。そしていざ映司に頼られると、 手を握るだけでとんでもない量の人間の欲望の象徴たるセルメダルを生み出していた(この「手を握るだけでセルメダルを普通より多く生み出す」時点でインパクトが強烈すぎる故、ニコニコでは完全にアッチ方面にしか見えないとネタにされている。実際には「映司に頼られる、力になれるという欲望が満たされて」セルメダルが生まれているのである)。
一方、映司は北村との交流を全く覚えておらず、善意で彼を助けただけで友情などは抱いていなかったようだ。
そのため北村の馴れ馴れしい態度には終始困惑しており、二人の認識と熱意のギャップが笑いを誘う。なお、映司は（ヤミー捜索の協力を得るために）比奈誘拐の件を許しはしたものの、それ以降は「北村くん」と呼んでいたのが「北村」と呼び捨てに変わり、露骨に距離を取っていた。
二、OPへの入り方が完璧すぎた
北村の陰謀に最初に気付いたのはアンクであり、34話冒頭ではヤミー捜索の為の駆け引きが描かれる。アンクは映司には黙っているという条件で北村を自白させたものの、その場に映司が現れると即座にヤミーの産みの親が北村であることを明かしてしまう。
狼狽して「言わないって約束だろ……！」と震え声で訴える北村にトドメを刺すかの如く比奈誘拐の件まで暴露し、それと同時に主題歌「Anything_Goes!」のイントロが流れ始めるというOPの入り方も伝説となっている。
この「気まずい流れからのハイテンションなAnything Goes!の導入」は強烈な印象を残し、11年後にインターネットミーム「オーズOP」として急速にバズることとなる。
該当シーン↑
三、男達のいろいろなシーン
映司と後藤、伊達が(アンクと映司が一触即発になったのを止めようと比奈が何時ものごとく馬鹿力で引き離した結果、3人纏めてベッドに吹き飛ばされた所に騒ぎを聞き付けて知世子が心配して来たため、乱闘を誤魔化すべく)仲良くベッドに入って微笑む（足が出ている）33話冒頭シーンや、ヤミーの能力で包帯ぐるぐる巻きにされた挙げ句巣に同衾するような形で閉じ込められた後藤と伊達(この際の伊達は通称「伊達巻(物理)」等と視聴者から揶揄された)など、やたら北村関連以外でも怪しい描写が目立つ。
最終的に映司とアンクの関係に話が収束していく点も含め、やたら男性同士の関係性が強調されたエピソードでもあった(詳しくは余談)。
余談
本エピソードは「暴走するプトティラコンボを制御するための試行錯誤」「後藤がバースを受け継げると伊達に認められる」「映司の度の過ぎたお節介、人助けに対する異様な価値観」「映司とアンクの関係」「アンクとロストアンクの融合」といった終盤へ向けた前振り要素が多数組み込まれているのだが、それらをはるかに上回るキタムランドの癖の強さが伝説たる所以と言えるだろう。
本エピソードの脚本を担当した毛利亘宏は元々は学生時代から映司に片想いしてた女の子がゲストの予定だったが、
「ニチアサからヤンデレ女は生々しくないか」と上層部から言われてたことで、内容をそのままにゲストキャラを男性に変更したとのこと。毛利氏曰く、「男同士の熱い友情の物語」をテーマにしてこのエピソードを執筆したそうだが、実際の反響はお察しの通り。
ウケ狙いに走らずマジメに制作したからこその(反動でシリアスな笑いの数々が起こっての)迷作誕生であるとも取れる。
現在では毛利氏はキタムランド呼ばわりされるのを自らネタにしている。
関連タグ
仮面ライダーOOO フクロウヤミー 北村雄一 Anything_Goes!
九十九静奈：十数年後の後輩作品で「マイルドなキタムランド」と揶揄された人物。
