『大地獄』行きだぜェ───ッ
概要
スティッキィ・フィンガーズのジッパーで首と胴体を分割されたマリオ・ズッケェロを拷問する際にナランチャ、フーゴ、ミスタの3人がとったダンスのこと。「ギャングダンス」はファンによって名付けられた愛称である。
何の脈絡もなく唐突に無言かつ無表情で踊りだすのに加え、その妙な振り付けが独特なシュールさを醸し出している。
なお、上述のズッケェロへの拷問について、この時点の彼はブチャラティのジッパーにより口が塞がれ喋ることができず、仮に情報を吐く気になったところで吐いて許してもらうことは不可能であった。そもそもの話、ズッケェロの仲間の情報は、アバッキオがムーディー・ブルースを使って進めており、ズッケェロから聞き出すこと自体が初めから不要だったのである。
つまり、3人による拷問は、敵から情報を引き出すための尋問というより、自分らに攻撃を仕掛けたことに対する腹いせや報復を目的としたリンチ(私刑)に近いものであった。
作者の荒木先生は「なんでナランチャたちは踊ったの?」という読者からの質問に対し「彼らはギャングだからです」と回答している。このダンスは敵をリンチすることに対する彼らの高揚感や、憎き相手を肉体的に痛めつけるのみならず周囲で踊ることによって屈辱を与え精神的にもいたぶってやろうという加虐性を描写することで、彼らが第4部までの主人公らと同様の「黄金の精神」を持ちながらも、決して正義のヒーローではない無法者であることを改めて読者に印象付ける、重要なシーンといえるであろう。
TVアニメ版
TVアニメ版でもしっかりと、想像を遥かに上回るクオリティで再現された。1分弱ものあいだ原作以上の細かい動きでカクカクと踊る三人と、ラジカセから流れるノリのいいBGM、抽象的に表現されるズッケェロへの拷問シーンなどが合わさったおかげで、よりシュールな演出となっている(そもそも、TVアニメ版のジョジョは製作陣のほとんどがファンで固められており、「ピシガシグッグッ」なども意気込みが伝わってくるほど細かい動きで再現されていた)。
音源に関しては、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』オリジナルサウンドトラックvol.1「Overture」に「canzoni preferite」のタイトルで収録されている。
余談
映画『レザボア・ドッグス』の拷問シーンが元ネタという説がある。こちらでは踊るわけではないが、ラジオの音楽をBGMに耳を削ぎ落とすという、それはそれでエグい演出をとっている。
『オールスターバトル』では、挑発として上の3人が使用している。フィニッシュポーズはそれぞれ違っていて、『JOJO A-GO!GO!』での描き下ろしイラストで3人が取っていたポーズが採用されている。
関連イラスト
関連動画
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ナランチャ・ギルガ パンナコッタ・フーゴ グイード・ミスタ マリオ・ズッケェロ