概要
てんとう虫コミックス第42巻、藤子・F・不二雄大全集第12巻に収録「右か左か人生コース」に登場。
大きな丸いレンズがついた杖のようなアイテム。
分かれ道でどちらにいくか迷ったときに、それぞれその方向へ行った先の自分の様子を見ることが出来る。レンズに映った場面は絶対であり、例え分かっていたとしても決して避ける事はできない。また、仮に別の道を進んでいた場合を見る事ができる機能もある。
アニメ化の際のカラーリングは1985年版が紺色で、水田版は2010年版と2023年版共に黄色になっている。
ストーリー
テレビでクラッシャー大岩のインタビューを見たのび太はこれに感化され、ドラえもんに二筋の分かれ道に迷った時、正しい道を教えてくれる機械をせがみだした。そこでドラえもんはコースチェッカーを出し使用してみせ、のび太は期待していたものとちょっと違うが一応借りて使って見ることにした。
すると近道を通ると溝に落ちると出たので、ドラえもんは反対側から以降と言うが、のび太は予め分かっていれば気を付ければいいと、構わず近道を行くことにした。だがその時目の前に蜘蛛が降りてきたため、のび太はびっくりして予想通り溝に落ちてしまった。
その後またも分かれ道でコースチェッカーを使うと、男性に鈴木さんという人の家を聞かれると出たため、のび太は面倒くさがって別の道を行くことにした。だがその先で先生とぶつかってしまい、まだ宿題ができていないことを怒られてしまった。そこで先ほどの続きを見てみたところ、道案内をして感心だと先生に褒められることになっていたため、のび太は慌てて引き返すが、男性は自力で鈴木さんちを見つけてしまっていて、まだうろうろしていたのかと、先生に怒鳴られてしまった。
これにドラえもんは、しずかの家に行くのはまた今度にしたらと提案したが、のび太は約束したからと先を急ぎ再びコースチェッカーを使ったが、どの道を選んでも、ボールにぶつかったり、犬に嚙まれたり、ジャイアンとスネ夫に強引に野球に誘われたりする未来しか見えず、のび太は「運命に神よ!!どうして僕ばっかりに意地悪するの!!」と泣き出してしまう。
それでもドラえもんは行く気になればしずかの家に行けると言い、のび太もコースチェッカーに出た未来を主張するが、ドラえもんは引き下がらずクラッシャー大岩の体験談も交えてのび太に、「道を選ぶということ=安全な道を行くこと」ではないと一喝した。これにのび太は心を動かされ覚悟を決め、ボールにぶつかったり犬に噛み疲れたりしながらも前に進み、これにドラえもんは「のび太も少しはたくましくなってきたかな」と心中でつぶやくのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版が1985年6月14日に、水田版が2010年1月22日と2023年5月13日にそれぞれ放送している。
1985年版
- サブタイトルが「コースチェッカー」に変更。
- 冒頭、のび太はしずかの家へ遊びに行く約束をしている。
- クラッシャー大岩が裏通りに入った理由は既に就職が決まった友人と顔を合わせたくなかったから。
- ドラえもんが右コースを進んだ場合の災難は廊下に落ちていた画鋲を踏むことになっている。
- のび太が最初に選んだコースと逆のコースを選んだ場合は500円玉を拾うことになっており、のび太は後から急いでそちらに向かったが500円玉を拾った直後、警官と遭遇し預けざるをえなくなっている。
- のび太にぶつかったボールはサッカーボールに変更され、これを勢いよくけったため、イヌにも噛みつかれた。
- ジャイアンとスネ夫がのび太を野球に強引に誘った際、ジャイアンもスネ夫も私服だった。
- ドラえもんがのび太に一喝するシーンではクラッシャー大岩がトレーニングに励んでいる映像が使われた。そして、このことで決心を固めたのび太に降りかかってきた災難はボールと犬に加え、野球に誘いに来たジャイスネになっている。
2010年版
- 今回も冒頭でのび太はしずかの家へ遊びに行く約束をしている。更にしずかと別れた後、幼児たちが遊んでいたラジコンカーに追いかけられ、イヌの尻尾を踏み追い回され、大工が持っていた木版に衝突し、鳥の糞をかけられる災難にあっている。
- クラッシャー大岩のサクセスストーリーはドラえもんが説明している。
- ドラえもんが右コースを進んだ場合の災難は原作と同じだが、理由はタケコプターの電池切れによるものになっている。
- 先生ののび太への説教は長めになっており、この後、のび太を野球に強引に誘いに来たジャイススネに関してはジャイアンは野球帽を被っていたが、スネ夫は完全に私服だった。
- ドラえもんがのび太に一喝するシーンではクラッシャー大岩がリング上で試合をしているシーンが使用された。
- ラスト、決心を固めたのび太に降りかかってきた災難は向かい風、イヌ(とその飼い主)、先生、ジャイスネになっており、ドラえもんが「すごいぞのび太くん!今の君は世界一だ!」とほめるが、のび太が「何が何でもしずかちゃんちに行って宿題見せてもらうぞ!」と逆境に負けずに叫んだため、空き缶で転んだドラえもんが「あぁ、褒めるんじゃなかった...」と呆れている。
2023年版
- 冒頭のび太はジャイアンに会わないよう、あえて遠回りしたがジャイアンに会ってしまい慌てて逃げて帰宅した。
- のび太がクラッシャー大岩が出演している番組を見たのは終盤だけで、クラッシャー大岩の体験は番組を先に見ていたドラえもんが説明。そしてクラッシャー大岩が裏通りに入ったのは通ろうとした道が工事中だったからで、ボクシングジムの会長をチンピラから助けるシーンなども回想で描かれている。
- ドラえもんが右コースを進んだ場合の災難は原作、2010年版と同じだが、理由はカラスとぶつかったためになっている。逆に左コースを選んだ場合はママが豆大福を食べようとしているところを発見し、彼女から豆大福を分けてもらうになっている。
- しずかの家へ行くことになったのは彼女から「クッキーを焼いたから食べに来ない?」と電話で誘われたから。
- その後のび太がコースチェッカーを使った際は、左右どちらのコースを選んでもどぶに落ちることになっている。ちなみにのび太が驚いたのは蜘蛛から蜂に変更。
- 今回も大山版と同じくのび太にぶつかったボールはサッカーボールに変更されたが、のび太を野球に強引に誘いに来たのはジャイアンのみだった。
- ドラえもんがのび太に一喝するシーンではクラッシャー大岩がトレーニングに励む場面から試合で勝利しチャンピオンベルトを手に入れるまでのシーンが使用された。