浜田「ゴボウしばき合い対決ゥゥゥゥッッ!!!」
ゴボウしばき合い対決とは、その名の通り棍棒のようにぶっといゴボウで互いをしばき合う過酷な対決である。ゴボウとは繊維質の塊であり、料理された後のシャキシャキとした歯ごたえからは想像も付かない威力を秘めた武器である。おまけにガキ使で使われたゴボウはとりわけぶっとい逸品ぞろいであり、こんなもんでしばき合ったらどうなるか想像するまでも無いであろう。
元々このゴボウしばき合い対決とは、山崎邦正と因縁のあるホルスタイン・モリ夫との仁義なき戦いである、山崎VSモリマン対決シリーズにおけるバトルのお題の一つであった。
当初は「俺はケンカが強い!」という邦正の主張を検証するために1996年11月3日の『ガキ使』内にて当時新進気鋭の芸人であったモリ夫が召喚され試合することになったのだが邦正は完膚なきまでボコボコにされてしまった。
そしてこれ以降より、「モリ夫=邦正のライバルという名の恐怖の対象」という因縁関係が発生していき、蝶野正洋と並んで方正のトラウマになっている。
その後、何度もリベンジマッチが繰り広げられたのだが、その試合企画の数々は過激を極め、幾多の名場面を生みかつ人気を集めた。
お題は他にも「熱々中華餡かけ合い対決」「濡れタオルしばき合い対決」「ビール瓶割り合い対決」「夏の風物詩対決」「イビキ対決」「シャンパンケツキャッチ対決」などなど常軌を逸した内容揃いなのだが、その中でもとりわけ語呂が良く尚且つ方正の反応が抱腹絶倒ものだったのがこの『ゴボウしばき合い対決』だったのである。
冒頭にもあるように、浜田雅功による「ゴ↑ボウ↓しばき合い対↓決↑ゥゥゥゥッッ!!!」という
各方面でもネタにされた独特の甲高い掛け声にて試合が宣言されるのがいつもの流れ。
これを聞いた途端、どんな不意打ちでも邦正は逃走を図るか浜田に体当たりさながらに縋り付いてでも宣言を止めようと慌て出す。
曲がりなりにも大の男である邦正に対して、漫才コンビ「モリマン」の片割れであるモリ夫は迫力がある恵体とはいえこちらは女の子。
だが、その女子であるモリ夫が仕掛ける猛攻に耐えかねて邦正がリンチ状態になるのがお決まりのパターン。
実はモリ夫は邦正の年下かつ後輩でもあり、試合前の煽りタイムの際には彼女から「テメー先輩のクセして情けないんだよ」と言われた邦正がグウの音も出ず顔を歪ませる場面も。
武器であるゴボウを詰め込んだ背負い式籠を装備してお互い闘うスタイルだが、この状態のモリ夫は二宮金次郎像であると松本人志から例えられる異様な迫力を誇る。
対して、邦正は最終的に自身のゴボウ籠をモリ夫に奪われ反撃の手段を失い追い回されることも珍しくはない。
対決シリーズにおいて、モリ夫には相方の種馬マンがサポートに入るかたちになっているが、ほとんど異常空間において彼女が比較整っていると評されるその容姿で甲斐甲斐しくモリ夫を気遣う様子が絶妙な雰囲気を出していることに松本が「種馬マンのあの美貌よ…」と茶化すのがお約束である。
邦正のサポートにはココリコの2人が入るのだが、へこたれ、時には逃げ出そうとする邦正に手を焼く場面も多く、最悪の場合には邦正を裏切ってモリ夫にゴボウや餡掛けなどの武器を提供しだすことも。
上述のように生のゴボウは強靱でムチのようにしなる上に、方正よりも一回り大きな体格の持ち主であるモリマンがこれを振り回すとなれば、その痛さは半端ではなく、方正はこの対決をバラエティーのノリ云々以前に心底嫌がっており(曰く「ゴボウは只の木ィや!」「木ィで殴り合うの嫌やっ!!」)毎回始まる前から子供のように駄々をこね、イラついた浜ちゃんがキレ気味にゴングを鳴らすと観念して始めるのだが、モリマンの振るうゴボウの威力に恐れを成して会場からガチで逃走してしまう。
そのやりとりがあまりにも面白かったためか、モリマン対決終了後もゴボウしばき合い対決は不意打ちめいて何度も行われることとなり、突如浜田のアナウンスが流れるや否や脱兎の如く逃げ出す方正は今やガキ名物である。
特に06年の『絶対に笑ってはいけない警察24時』において、就寝タイム中に流されたショウヘイヘーイや今夜が山田の連発にも動じず寝ていた方正が、浜田による(ただし浜田も罰ゲームに参加していたので録音である)「ゴボウしばき合い対決」アナウンスが流れた瞬間に目を覚まし、寝起き状態のままモリマンに追い回される羽目になった場面はガキファンの語り草となった。
ちなみにゴボウの花言葉は『イジメないで』である(邦正談。他には『私にさわらないで』『しつこくせがむ』『用心』がある)。
モリ夫「テメェが余談するっつうからわざわざ来たんだぞこの野郎!」
なお、邦正はこの一件でよりによって浜田を逆恨みするようになったらしく、ある時に浜田へ対してゴボウを山ほど送りつけたことがあるという。
この他、「笑ってはいけないシリーズ」において、アイスタイキックチャレンジや蝶野ビンタなどで邦正が災難に見舞われた際に浜田を身代わりにしようとするなど地味に復讐の機会を覗っている節がある。
浜田「アイツ……どの立場で……」
なお、モリ夫はゴボウをはじめとするこの対決シリーズで大人気を博したが、彼女の実家から、
「成功しているのは嬉しいけどお前の女としての将来が心配だ。」(要約)
……という両親からの泣き声混じりの電話が来たことでモリマンとしては過激路線の芸風を収束させざるを得なくなった。現在の2人は地元北海道でのローカル方面に主軸を移している。
このため、2008年における「炎のファイルリベンジマッチ」以来、大規模イベントとしての邦正vsモリ夫対決は行われていないが、それでも前述のように突如としてゴボウしばき合い対決が宣言されモリ夫が邦正目掛けて殴り込んでくるなど散発的にバトルが発生している。
そして事実上、邦正の連戦連敗となっている。
すでに生活拠点を北海道に移しているモリマンの2人はこのためだけに日帰りで上京するのがいつもの流れであり、不甲斐ない邦正へ向かって「テメェのために朝早くから来たんだぞ!」と面罵して終わるのが最近のパターン。
2018年の「さようなら月亭方正」ではエンディングで罵声とともにモリマンが登場。スタッフから浜田に「浜田さん お願いします」のカンペが出され、即座に浜田が「ゴボウしばき合い対決~!!」のコールで対応。ゴボウしばき合い対決が敢行された。
なお方正とモリ夫はプライベートでは仲が良く、ガキの使い以外では普通に共演しておりモリ夫も先輩である方正に対して敬語で察している。
あくまで「ガキの使い」でのキャラクターの一環である。