概要
タツノオトシゴみたいな名前に見えるが、実はこれはヒッポカンポスの英語における通称である。フレーバーテキストでは水中での移動能力について語られているが、水属性ではなく地属性であることを考えると、どちらかと言えばウマの要素が強いのかもしれない。
ちなみに海外では未だ未発売のカードだが、遊戯王オンラインにおいては実装されており、そしてそのゲーム内での表記は「Tatsunootoshigo」である。上記の通りタツノオトシゴとヒッポカンポスは英語での通称が似ているだけで、全く別の存在であるはずなのだが。
カード性能
カードテキスト
ウマとサカナの体を持つモンスター。海中を風のように駆け巡る。
解説
最初期に登場したカードであるため、現在では力不足もいいところ。通常モンスターであるために有用な効果も無く、中途半端すぎるステータスの割にレベルは5と、正直活用法を見出すことの方が難しい。
しかし……
人は特殊勝利だけで決闘できるか?
上述のようにステータス的には目立ったところは無く、当時はほとんど話題にも上がらない有象無象でしかなかったシーホース。ところが2013年6月末、ある事件が起こった……というか、コナミが自らある事件を起こしたことでシーホースの存在が一部で話題に上り、注目されることになった。
当時のタッグフォースシリーズ最新作であった遊戯王タッグフォース6では、スタッフの考案したデッキレシピ「スタッフデッキ」を公開・DL配信していた。そして事件のきっかけとなったのが、その第40弾にして事実上の最終弾となった「人は特殊勝利だけで決闘できるか?」の配信である。
このデッキ、そのタイトルの通りエクゾディアを筆頭に当時の遊戯王OCGの公式ルール上で使用可能だった特殊勝利系カードをこれでもかと詰め込んだ代物で、「特殊勝利を狙う」というあまりにも大雑把すぎる方向性しか定まっていないネタデッキである。しかし、そんなコンセプトのデッキに、エクゾディアのパーツ以外でたった1枚だけ通常モンスターが紛れている。それが「シーホース」だった。
一応このデッキには究極封印神エクゾディオスも投入されており、シーホースを墓地に送ればその強化に繋がるため全くの無駄ではない。しかし、それだけの理由なら実用性でもネタ的な意味でも他に有力な候補となるモンスターが腐るほど存在するはずであり、このデッキの元ネタがわからなければ「なんでわざわざシーホースなんてチョイスしたんだ……?」と困惑する事請け合いである。
何故シーホースなのか?
さて、それでは「何故シーホースなのか?」という疑問について紐解いていこう。
一見ただのネタ全振りの面白デッキにしか見えない「人は特殊勝利だけで決闘できるか?」だが、タッグフォース6のスタッフデッキは当時のアニメなどをネタにして作られたものが多い。そして実はこのデッキもただ「特殊勝利」に注目して無理やり構築されたわけではなく、ちゃんと元ネタが存在する。
しかし、アニメなどならまだ大人しい方であった。こちらの元ネタはもっととんでもないものだった。
このデッキ、なんと一般のプレイヤーがニコニコ動画に投稿していたTF6のプレイ動画シリーズの企画が元ネタなのである。
その特定の根拠の一つ、というか最大の要因がシーホースの存在。その企画動画のプレイヤーにして投稿主が動画シリーズのマスコットとして愛用(?)していたのが他でもないシーホースである。それがデッキレシピのトップに鎮座していたことに加え、デッキのタイトルや構成から元ネタが発覚したのだった。(氏の投稿する動画は全て「人は○○で決闘できるか?」というタイトルテンプレートになっている)
なお、このデッキはそもそものコンセプトの関係もあってか、シーホースを強化できるようなカードやシナジーを得られるようなカードはほとんど投入されていない。シーホースの活躍は完全に度外視されており、まさにデッキの元ネタを知らしめるためだけに存在しているようなものなのである。
いくら内容がTFのものとは言え、一個人の企画動画を公式がネタにしてデッキを構築するなど誰が予測できただろうか?
こうして「人は特殊勝利だけで決闘できるか?」はTF6最後の配信レシピとして、そしてコナミ史上最大級の公式の暴走事件として、シーホースと共に伝説と化した。なお、このデッキが公開された後、元ネタの動画企画の投稿主が自らこのデッキをダウンロードして実際にゲーム内でデュエルするプレイ動画を投稿している。
「シーホース」と名の付いたモンスター
いずれも効果モンスター。
シーホースよりもリメイクされたメメント・シーホースの英語名が先に決定している。
遊戯王OCG
遊戯王ラッシュデュエル
OCG組は名前が同じだけで関係性が無かったのだが、ラッシュデュエルで追加された2種はウマとサカナの体と、本カードの容姿そっくりになっている。
特にアッシーホースは舌を出したイラストの構図まで瓜二つである。
後にOCGでも自身のリメイクであるメメント・シーホースが登場した。
関連タグ
動画