概要
てんとう虫コミックス6巻及び、藤子・F・不二雄大全集2巻に収録。
これを飲むと、穏やかな人間は攻撃的かつ高圧的になり、元々乱暴な人間は謙虚でおしとやかな性格になってしまう。
ちなみにジャイアンの場合、一瓶全部飲んで苦しんだ後、上記のようなおしとやかな性格になっただけでなく、なぜかオカマ口調になっていた。
ちなみに2008年版では、蓋の部分に取り出し口に着いたピンク色の容器に入っていて、容器の表面には正中線を境に悪そうな顔と笑顔の顔が描かれていた。また錠剤はカプセルに入っていて、薬ではなく道具と呼ばれていた。
ストーリー
のび太はジャイアンに借りた望遠鏡を今すぐ返して欲しいと頼んだが、「いい度胸だなぁ」と睨まれてしまった。だがのび太はそれに怯えながらも帰らないと言い、いつもその手で貸した物を取られてしまうと、返してくれるまで帰らないことを言い切った。そして殴るなら殴れと床に大の字になったが、ジャイアンが自分は欲しい物を買ってもらえず、つい友達に借りて使っているうちに自分の物みたいなきがしてきてしまうことを打ち明け、早く持って帰ってくれと涙ながらに反省し始めた。
これに同情したのび太は、もうしばらく貸しておくことにし帰って行ったが、それはジャイアンの演技でこの後本人はのび太をお人よしとバカにしていた。一方帰宅したのび太は、ドラえもんに自分の言った通りにして、望遠鏡を返してもらえたか聞かれていたが、経緯を言われると「お人よしというか、気が弱いというか」と呆れられててしまった。
だが「ドラえもんにまで見放されちゃ、僕はどうしたらいいんだ」とのび太が言い出し、更にこの気の弱い性格を何とか直せないかとも言い出したため、ちょっとの間だけなら直せる薬があるとポケットを探り始めた。こにのび太は喜んで貸して欲しいと頼んだが、ドラえもんは「やはり止めよう」と言い出し、あまりいい薬ではないことも行ったが、あまりにのび太がせがむため、望遠鏡を取り返したらすぐ返すことを条件に「ジキルハイド」を取りだした。
これの説明を聞くと、のび太はすぐに一粒試飲し狂暴化し、ドラえもんのことを「ドラこう」と呼び捨てさっきは偉そうな説教をしたなと、髭を抜いてやると掴みかかって来た。だがすぐに薬の効き目が切れて正気に戻ったことでドラえもんは何とか助かり、のび太も乱暴してしまったことを涙ながらに謝罪し、薬のせいだからと許してもらえた。
そしてドラえもんに見送られながら薬を持ってジャイアンの家に向かい、本人を呼んだ後に薬を使用したが、トイレ中だったため出て来た頃には既に効き目が切れてしまっていた。それでも家の中に入った際にもう一度使用し、勢いよく名前を呼び、彼が「俺に向かってその口の利き方はなんだ!!」と怒って来るとこちらも「なんだとはなんだ!!」と鬼の形相で睨み返してジャイアンを怖がらせ、望遠鏡を返すまでこぎつけることができた。
だがこれを探している間に再び効果が切れ、更に薬の存在にも気づかれてしまい、これを全て飲まれてしまった。するとジャイアンが苦しみ出し、たまらず逃げ出し帰宅したのび太は経緯をドラえもんに説明し、「恐ろしいことになるぞ」と2人で抱き合って怯えることとなった。そして「何をされるか分からない」や「夜逃げしよう」と騒いでいると、その時風呂敷包を持ったジャイアンがオカマ口調で訪ねて、逃げ出そうとしていた2人は部屋を出る直前で見つかってしまった。
そして話を聞くことになると、ジャイアンは望遠鏡など今まで借りた物を返しに来たと切り出し、「あたしって、いけない子。許してちょうだいね」と泣きながら謝り、ドラえもんから「乱暴な人柄が変わっておとなしくなったんだ」と聞かされたのび太は口を開け驚いていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年8月10日に、水田版は2008年3月28日にそれぞれ放送している。
1979年版
- 冒頭には、のび太がジャイアンちの前をうろうろしている様子が追加されていた。
- のび太は貸して1週間にもなることを言っていたが、1週間貸すと言う約束だったかときかれ、はっきりそう言ったわけではなかったので、まだいいということになってしまった。
- ジャイアンやドラえもんが、のび太をお人よしと言うシーンはカットされ、ドラえもんの「付き合いきれない」は「面倒見きれない」に変更されている。
- ドラえもんはこの薬を出した際、元ネタについても説明している。
- のび太を見送った際のドラえもんの台詞は、「上手くやってよ」に変更され、「今度は大丈夫だ」とも言っていた。
- ママは部屋まで来てジャイアンが訪ねて来たことを知らせていて、「ジャイアンくん」と呼んでいた。またドラえもんは風呂敷を背負ってはいない。
- ジャイアンは持ってきた風呂敷を広げて見せていて、口調は丁寧になっただけでオネエではなかった。またのび太は泣き付かれたので、気持ち悪いから早く離れるよう言っていた。
- 本編終了後のショートアニメは、ドラえもんが宙に投げたこの薬を口でキャッチしようとしたら、先にネズミにキャッチされ、怯えて画面右上へと飛び上がってしまうというというものだった。
2008年版
- 冒頭には、ジャイアンちの前で決心をするのび太の姿が描かれている。
- ジャイアンは最初、勉強机の椅子に座っていて、のび太の台詞のうち「いつもその手で貸した物を取られちゃうんだ」はカットされている。そしてジャイアンの台詞も一部分が「ずっと望遠鏡が欲しくてな」や「ついお前に借りて使っているうちに」に変更されたり、「バカだぜ」と自分を戒めていたりと微妙なアレンジがなされ、窓から外を眺めながら言っていた。また帰っていくのび太をこの望遠鏡で見ていた。
- のび太が帰ってきた時、ドラえもんはどら焼きを食べていて、横にはお茶も置いていた。
- この薬の効き目が切れてドラえもんに謝った際、のび太は涙を流してはいなかった。
- ジャイアンちの前で待った際、のび太はムクに睨まれたので睨み返したが、途中で効果が切れたため鼻を怪我してしまった。
- ジャイアンが望遠鏡を返した際のび太は「ありがとうと言え!」や「お前はだいたいいつも!」と言いかけたが、途中で効果が切れてしまった。
- のび太が逃げて来た後、ドラえもんは道の真ん中にいて、先ほどどさくさでこの薬がお茶に混入されてしまっていたためドラえもんも狂暴化し、通りかかった主婦が持っていたバッグとペットのブルドックをビッグライトで巨大化させ、らくがくじゅうでスネ夫やしずかの顔に落書きをしたり、スーパーカーをスモールライトで縮小化させたりした。そして怒った皆が追いかけて来た時、薬の効果がきれたため、のび太は元に戻ったドラえもんを連れて、慌てて帰宅した。
- ジャイアンは大量の風呂敷包を持っていていて、のび太のことは「のび様」と呼んでいた。そしてのび太も1979年版と同じく、このジャイアンを気持ち悪がっていた。
関連タグ
ジキルとハイド…元ねた。