概要
ストロングスタイルはプロレス用語。力道山とカール・ゴッチのファイティングスタイルを融合させたものとしてアントニオ猪木が提唱し、佐山聡や前田日明らによってUWFに継承されたとされている。
基本的には「感情をぶつけ合う」荒々しいファイトスタイルを表現したものだが、人によって定義にぶれがある。「見せるプロレス」としてショーマンシップを重視したジャイアント馬場の「王道プロレス」と対置される。
現代のプロレスにおいて*
2023年において、昨年にアントニオ猪木氏が逝去されたため、再び「プロレスとは何か」という原点に立ち返る言葉としてプロレスラーおよびファンの間で議論されている。
その混沌とした状況の中、一際目を引く活躍をしているのが成田蓮だろう。
柴田勝頼の下でのアメリカ武者修行の旅から帰ってくるなり、「Son of the strong style」という二つ名を名乗り、見た目から戦い方までそっくり柴田勝頼(ヤングライオンを煮詰めたようなシュート&オールドスタイルな投げと極め)スタイルを継承している。
猪木氏の逝去と前後して出てきた彼は、コロナ禍でのマイクパフォーマンス制限の解除と同時に「世代交代はもう始まってんだよ!」と叫び、現在のショーマンシップに溢れた(もっと言えば、永田裕志ら第3世代が繋ぎ、棚橋弘至が作り上げ、観客を取り戻し現在のプロレス人気を再燃させた)プロレスを全否定して見せた。
もちろん、ベテラン勢や今をときめくレスラーたちがそれを見逃すはずもなく、特に鈴木みのる、エル・デスペラード両名からは窮地を助けられたのと同時に「俺はお前には無いものを持っている」「お前が名乗ってるストロングスタイルって言葉は、そんな軽いものじゃない」という挑発ともとれる誘いを受ける。
それに応じてチームになり、NEVER無差別級6人タッグマッチの挑戦者として前二人とともに名をあげ、勝利して見せた。
その後、上記3名は「ストロングスタイル」というチーム名で活動。NEVER6人タッグに関してはオカダ・カズチカ、棚橋弘至、石井智宏の「陰から日向から今のプロレスを貫き、新日本プロレスを守ってきた者たち」に敗れはしたものの、「無駄なショーマンシップを省き、レスリングと打撃に原点回帰した立ち回り」によって一定の評価(※)を得ている。
※なんでおじいちゃんが人気なの?
プロレスを見たことない人たちにとっては「なんで鈴木みたいなおっさん(口憚らず言えば、格闘技界という若い世代が中心の界隈ではおじいさんともいえる)が人気あるの?」と思うだろうが、これは(本人の魅力があることを大前提として)国のエンターテイメントの仕訳方法に理由がある。
アメリカでは興行の分類上、プロレスは「ショー」であることを明らかにしている(≒勝敗は最初から決まっている)。そのため、パフォーマンスやギミックに力を入れており、エンターテイメントの面白さに比重を置いている(最高動員数を誇るWWEがわかりやすい例)。
それに対し、日本ではプロレスは「勝敗の決まっていないもの」と捉えられており、「平気で頭から落とす(WWEでは禁止)」「本気で入れる打撃や関節技」「場合によっては本当の殴り合いになりかねない殺伐さ(最近では殆どないが)」等、「ショーである前に格闘技」と捉えられている。
この違いは大きく、外人の目からしたらストロングスタイルという「ショー感ゼロでバチバチに殴りあうスタイル」は非常に新鮮に見えるのである。
KOTYでは
クソゲーオブザイヤーでは転じて、バグやメーカー対応などの盤外戦術に頼らず、仕様通りに完成している(=ゲームとしては完成している)のにゲーム内容のクソさ一本で勝負してくるクソゲーへの評として定着している。
プロレスを題材としたスポーツゲームにクソゲーが少ないのが幸いか。