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ストロング系

すとろんぐけい

ストロング系とは、安価でアルコール度数が高いカクテル・チューハイ類の製品の総称である。
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概要編集

チューハイと呼ばれるタイプの酒の一種であり、00年代後半に登場して10年代に急激に浸透していったタイプの酒。

内容としては高い度数のアルコール人工甘味料で割ったものであり、かなり安価な酒として20代から30代を中心に人気の飲み物となっている。

その一方で、特徴の項目にもある通り酒類の中でもかなりヤバい酒であり、酒飲みの中ですらも「危ない」と言って忌避する者もいる

そのイメージに反して単なる安酒の範疇には入らないほど危険な酒である為、安易に手を出すのは避けた方が良い。


歴史編集

ストロング系チューハイの祖とされるのは2008年キリンが発売した「キリン 氷結ストロング」。

安価さもありチューハイを女性向け、初心者向けとして敬遠する人も多かった30代、40代の男性を中心に人気を博す。

同系の製品は他社からも発売されていくことになるが、商品名に「ストロング」を冠する事例が多く見られる。

2009年サントリーから発売された「-196℃ ストロングゼロ」は当初は蝶野正洋を広告に起用していた「ストロング」という名と共に力強さを強調したもので、ストロング系需要を得た30代、40代男性から好評を得た。

2011年から女優の天海祐希を起用し、女性向けの広告も展開していったこともあり、女性層にも愛好者を得る。

ストロングゼロは後発ながら、ストロング系では最もヒットした商品となった(参考)。


男女両性から需要のあるこのジャンルにおいて、キリンやサントリー以外も参戦し、商品数と出荷量も増大していった。

サントリースピリッツによる調査では、ストロング系商品の出荷量は2009年には約2300万ケースだったが、2018年には約9500万ケースと、10年もしないうちに3倍以上にシェアが拡大している(参考)。

チューハイやカクテルの缶製品「RTD(レディ・トゥ・ドリンク)」全体で2009年→2018年において2倍なので、ストロング系はその中でも突出していると言える。


近年の更なる人気増大の要因として、2017年の6月に酒税法が改正され、ワインや日本酒が値上がりし、その購買層がこちらに流れ込んだという背景もある。

同年12月にはTwitterにて「ストロングゼロ文学」が流行している。ネットにおいては『飲む福祉』『飲む貧困』と「安酒ネタ」が多いが、サッポロビールの「99.99(フォーナイン)」のようにオシャレ的な広告を展開する手法もある。

ストゼロの広告も、CMで天海祐希が演じるキャラクターは「職場でグイグイまわりを引っ張っていく女性」というものでこれらの広告イメージにおける「安価」の比重は大きくは無い。

が、ネットのノリを公式側も意識しているのか缶に「肉!現金!当たる!」と表記する、というネタ方面に振り切ったキャンペーンを展開したりしている。


特徴編集

酒類としてみた場合、人体に掛ける負担が大きく、非常に危険な飲み物

下記の内容にもある通り、健康を害する要素が大きく、法律で規制すべきという声が上がり、医師の中には違法薬物よりも依存性が高い」と証言する者がいるほど危険度が大きい。大麻を規制する前にこの酒を規制しないのは何故?」とも。

無論、酒を楽しむかどうかは個人の裁量によるところが大きいが、単に美味しそうとか安いからというだけで手を出してはいけないという点は留意するべき。


高いアルコール度数編集

ストロング系チューハイのベースとなるのはウォッカである。アルコール度数が高く、他のシロップを混ぜたりフレーバーをつけても違和感が無いという利点がある。

ウォッカは銘柄にもよるが、平均的なアルコール度数は40度。「ストロング系」の多くでは、これを10パーセント未満になるようにブレンドする。

10パーセントを超えると税制上のルールにより税額が上昇する(参考)、これにより値上げを余儀なくされるためである。

が、逆に言えば10パーセント以上にしても安価という条件を保てるなら可能ということであり、2018年にサンガリアから「スーパーストロング12」がローソン、ポプラにて限定発売された。本商品は文字通りアルコール度数12パーセントである。これはスパークリングワインと同等。本商品は「たっぷり氷を入れたグラスに注ぐと、よりおいしくいただけます」と缶容器の表記で推奨されている(参考)。

企画販売担当のローソン関係者によると「推奨する量は500ml缶1本。もちろん、毎日何本も飲むことはオススメできません。」

ただ、実際は340mlと490ml容量だったりする。フレーバーはレモン、ドライ、グレープフルーツ、ラムネだった。


そんなサンガリアの後を追ったのがサッポロビールサッポロマグナムであり、12パーセントアルコール度数のこのの商品は期間限定だったものが通年販売に格上げされるくらいにヒットを飛ばした。こちらは350mlのみだった。


そしてさらに凄まじいものとしてディスカウントストアドンキホーテによる13パーセントのアルコール度数のギガストロングレモン(350ml、500ml)が登場にまで至った。


人工甘味料の使用編集

ストロング系チューハイには「糖質ゼロ」を掲げるものがあるが、甘みを補うために人工甘味料が使用される。「アセスルファムK(カリウム)」や「スクラロース」など。

これ自体はアルコールでないジュースでもあることだが、アルコールの場合、分解のために水分と共に糖分が必要となる。

糖分なし、かつ高アルコールの場合、そのぶん分解を担う臓器への負担が増大する。


専門医による警鐘編集

NHKの番組『ニュースウオッチ9』で2017年に「ストロング系」についての特集が組まれた。それによると、9パーセントの酒500mlあたり、アルコール分は36g入っている。テキーラのショットに換算すると3.75杯に相当する。

本特集において、アルコール専門外来のある「慈友クリニック」の中田千尋院長は「非常に危険。さまざまな臓器障害を引き起こす可能性がある」と取材に応えている。


上記の通り、販売されているストロング系飲料の内容量は、500mlもいかないもものがあるが、実際のところ300ml缶でも25gであり厚生労働省が提示する「1日当たりの節度ある適度な飲酒」量20gを越える(参考)。


現状編集

会社によってはオリオンビールが自社ブランド缶チューハイWATTAのストロング系チューハイの販売から撤退を発表したり、サンガリアのスーパーストロング12、サッポロビールのサッポロマグナム、ドンキホーテのギガストロング等の2ケタ台の度数のものは販売を停止している状態である。新型コロナウイルス感染症の拡大や家飲みにおける微アルコール路線への転換、ストロング系チューハイの危険度が認知されている影響からかといわれている。2024年に入るとアサヒ、サッポロが相次いで健康面へのリスクなどを理由にストロング系チューハイからの撤退を表明し(もちろん絶対的な売れ筋であるサントリーの「ストロングゼロ」に比肩する商品を生み出せなかったという商業的な理由もあるだろうが)、残る大手2社、特にストロング系チューハイの代名詞たる「ストロングゼロ」を擁するサントリーの動向が注目されている状況となっている。


オーストラリアでは-196℃が販売されたが、6%のものになっている。


関連タグ編集

休肝日


チャミスルRTD:韓国から来たやべーやつ!。


フォー・ロコ:実はストロング系より凄まじい存在。アルコール度数12パーセントにカフェインタウリンガラナが入ったフルーツフレーバーのモルト系炭酸飲料なんでストロング系よりもすごいものなんである。アメリカではあまりにも危険だったためにアルコール度数14パーセントになった代わりにカフェイン、タウリン、ガラナが排除されたのだが。

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