概要
初出は『真・女神転生』。モチーフは北欧神話に登場する巨人スルト。
シリーズを通して火炎・物理属性に特化した悪魔として登場し、神話世界の終焉を担った存在である為か強力なスキルや能力値をあてがわれることが多い。
『魔神転生Ⅱ』で種族「邪神」になった以外は、種族「魔王」として扱われている。
デザイン
『真・女神転生』では、マントを羽織って炎の剣を持っており、黒い身体に赤い斑が刻まれている。『魔神転生Ⅱ』でマントが無くなり、『デビルサマナー ソウルハッカーズ』で頭部が長くなった以外は基本的に変化はない。
各作品のスルト
真・女神転生
最終ダンジョン「カテドラル」に控えるカオス陣営の一番手。
後に控えるアスタロト、アリオクを凌ぐ能力値とレベルを誇り、高い「力」の値から繰り出される連続攻撃が厄介である。
カオスルートで邂逅した際には人間の情熱と欲望を尊びそれらが抑圧された状況下での平和を嫌う性格を見せる一方で、敵対する人間を「滅びゆく定めの神に創られし出来そこないの人形」と痛罵する一面も備える。同ルートではデビルリングの素材「スルトの爪」を主人公に渡す役目を担うが、カテドラル内のフォルネウスに「スルトの炎の剣よりヒノカグツチの剣の方が強力」と言われている。
メガCD版では合体で仲魔にすることが可能。
真・女神転生Ⅲ
氷川率いるシジマがとある目的の為に占拠したトウキョウ議事堂の門番として登場。
銅像に化けて攻め寄せる外敵を待ち受けており、議事堂に侵入しようとした主人公と交戦する。
魔王種族の悪魔としては中堅に位置するものの、作中の登場悪魔の中でも強力な特性を備えており、仲魔として終盤まで十分に活躍するポテンシャルを持つ。
具体的には、作中トップクラスの威力を備えるスキル“ラグナロク”を持ち、全悪魔中で唯一通常攻撃が火炎属性であることから、火炎属性スキルの威力を高める“火炎高揚”や弱点をカバーする“氷結無効(反射、吸収)”等の自動スキルを悪魔合体時に実装すれば強力無比な存在になる。
真・女神転生 STRANGE JOURNEY
EXミッション「賢者の書庫(5)」の謎かけのヒントであるレーヴァテインを持つ悪魔として登場し、一般エンカウントするスルトに話しかけて「トート録の左側」を獲得すればクリア条件を満たせる。なお、主人公にトート録を渡す際にレーヴァテインの炎でも燃えないトートの書物にすこぶる困惑した様子を見せる。
同ミッションの答えの片割れである妖精ヴィヴィアンがエクスカリバーの由来について諸説あることを不思議がる様子を見せるのに対して、同じく名称や出自に諸説ある炎の剣をレーヴァテインと明確に呼んで取り扱うという対比構造になっている。
真・女神転生Ⅴ
魔界ダアト(かつての東京)の千代田区で繰り広げられたベテルと混沌の悪魔の全面戦争において、混沌側の主力として登場。
周辺に踏み込むだけで悪魔すら炎上・消滅させる極熱と、一太刀で周囲を呑み込む大爆炎を励起する炎の剣によって無数のベテル側悪魔を灰燼に帰し、アワジチョウに炎の壁を作り出して侵攻を妨げていた。
「終わるべき時を迎えた世界を焼き尽くすこと」が己の役割と認識しており、今作のスルトは北欧神話における性格が強く描かれている。
戦闘では氷結属性という明確な弱点があるものの、火炎適性+6から繰り出される火炎属性スキルがスルト戦到達時の火炎耐性を持たない悪魔では致命傷になり得る威力を持ち、火炎耐性持ち悪魔でもうかつに物理攻撃を仕掛けると“反撃”で確実にHPを削られるという二段構えの攻め手を有しており、プレイヤー側の対応の幅を火力のみで狭める強力なボス悪魔としてデザインされている。
余談だが、主人公がスルトの炎壁を突破する手段として「秋葉権現の符」を用いており、秋葉山大権現はヒノカグツチと習合された神格であることから『真・女神転生』内でスルトの比較対象にされた存在との再戦ともいえる構図になっている。
魔神転生Ⅱ
邪神種族の悪魔として登場。
作中では属性がLAW-DARKまたはCHAOS-LIGHTの場合にのみステージ5・アムネジアのSHAMIM(シャマイム)のマップに登場し、主人公が代行者に会う資格を持つ者か試すために勝負を挑んでくる。
なお、本来は同チャプターのスルトを倒すことでREMIX(既存作における悪魔合体)の制限が解除されるという仕様なのだが、スルトの場合はそもそも制限が機能していないというバグがある。