概要
2つの矛盾した命令をする心理現象を言う。グレゴリー・ベイトソンによって提唱された。
心理学上は「肯定的ダブルバインド」「否定的ダブルバインド」の二種類があるが、世間一般では知名度は「否定的~」の方が圧倒的に高い傾向にある。
否定的ダブルバインド
例を挙げれば、以下のように言ったものがある。
- 「組織のボスが隠し事をしている下っ端に『怒らないから正直に言いなさい』と言うも実際に言ったら激怒する」
- 「『テレビは見ると馬鹿になる(テレビは見るな)』などテレビ視聴者を冷笑してきた有名人が地上波に毎日のように出演する」
- 「親が子供に『早く独立しろ』などと言いながら、何かと子供の行動に干渉(妨害)する」
上記の例を見てもらえれば分かる通り、ダブルバインドを強要する主体は対象よりも圧倒的な権力を持った人間に多く、「指定したターゲットへの絶対的な支配」が行動の裏の心理に表れていることが分かるはずである。矛盾した命令を言われた側は混乱状態に陥り、「逃げられない」という言葉の裏の意味を悟って重度のストレスを抱え込み、最悪鬱病発症や自殺などを引き起こす危険性がある。
肯定的ダブルバインド
こちらは特に『エリクソニアン・ダブルバインド』と呼ばれる。
- 「店員が買うとは決めていない客におすすめの商品2つを提示する(『物を買う』という命令の過程が省略されている)」
- 「親が課題などの義務をだらけている子供にいつするのかを聞く(『義務をやる』という命令の過程が省略されている)」
など。こちらは否定的~とは逆に2つの事柄の行動の結果が一致しており、命令の過程を省略することで強要感を緩和させる目的で使われる。こちらも「逃げられない」点で同じなのだが、ストレス面の負担は少ない。このやり方の方が対象は省略された命令に素直に従いやすくなるため、主にビジネス面で使われることが多い。
関連タグ
「否定的~」の方限定の関連タグ
矛盾 無責任 自己中 モラルハラスメント ダブルスタンダード どうしろと
エピソードデルタ:とある人物が「どちらの選択肢を選んでもプレイヤーを冷笑し不快にさせてくる」という展開があり、当エピソードが不評を買っている原因の一つとなっている。
さよなら絶望先生:115話『ダブルンの市民』でこの言葉が出てきたが、使われ方はジレンマと同じ意味であった。
「肯定的~」の方限定の関連タグ
ん、先生、ちょっと時間もらうね。:肯定的ダブルバインドを説明する上で最も分かりやすい例(特に#15、#21)