概要
藤子・F・不二雄大全集17巻に収録。
ダルマを模した帽子。まずこれを頭にかぶると、「ダルマさんが転んだ」の要領で、誰かの背後に忍び寄った際、こちらを振り返ったとき、ピタッとこちらの動きを止めれば、相手の目には自分の姿が決して映らなくなる。ただし、わずかでも動いてしまうと姿は見えてしまう。
ストーリー
スネ夫は校庭で『ギャクラくん』という漫画を見せると共に、本屋のおじさんが一冊だけ自分のために残しておいてくれたことをのび太達に自慢。見せてと頼む彼らにスネ夫はアッカンベーをして「見たけりゃ自分で買いな」と嫌みを言ったが、その直後ジャイアンに奪われてしまい、先生に見つかったら取り上げられると忠告するも、そんなへまはしないと行ってしまった。
だがその後、案の定漫画は先生に没収されてしまい、これにスネ夫は泣き付くも、ジャイアンは「災難だと諦めろ」と気にしていなかった。だがスネ夫がこないだ預かった0点の答案を母ちゃんに見せると言い出したので、引き留めにかかり、ジャイアンはのび太を呼び止めドラえもんに何とかするよう押し付けて来た。
慌てて帰宅したのび太は、ドラえもんに「漫画取り返しマシン」を出すよう頼むが、「そんなのあるか」と言われてしまい、取り換えさないとこの町を歩けなくすると脅されたことを説明。そこでドラえもんは「ダルマさんころんだ帽」を取りだし、試しに自分が被って、のび太の後ろに回り込んで気付かれず頭をタッチして見せた。
これに驚いたのび太だったが、すぐにこれを被って上でタケコプターも使って学校へ向かい、外から職員室を覗くも、先生に見つかってしまい引き返すことになってしまった。だが屋根の上で休んでいると、どこからか鳥の鳴き声がしたためそちらに目をやると一羽のカナリアが鳴いていた。
すぐにしずかが逃がしてしまった物だと気づいたのび太は、虫取り網と鳥かごを持った彼女を見つけると、母親が戸をあけっぱなしにしたままで水を取り替えたからと聞き、この帽子を貸してあげた。おかげでしずかは無事カナリアを捕獲することができ、のび太も再び道を歩いている先生を発見したため、ソロソロと背後に忍び寄り漫画を取り返しにかかった。
2度振り替えられるも何とか気付かれずに済んだが、近くに蜂が飛んできたため怖がった際に気付かれてしまった。先生はこれに驚くも、その先でジャイアンと出会い、先ほど取り上げた漫画を返すと言い出したが、それは母親に渡して今後このようなことがないよう忠告した上でとのことだったため、ジャイアンはその漫画が元々はスネ夫の物だったことを説明。
これを聞いたのび太は慌ててこのことをラジコンカーで遊んでいたスネ夫に報告。するとスネ夫はこの帽子を被ってジャイアンに仕返しに出てしまい、のび太もこのことをドラえもんに報告して共にスネ夫の家に向かった。だが事前にスネ夫が先生が持っていた漫画をジャイアンの名前が書かれた物にすり替えていて、更にこの中に例の0点の答案も入っていたため、先生はジャイアンちへ怒りながら向かい始め、これにドラえもんとのび太は「恐ろしい仕返しだな...」と恐れ入っていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1990年12月7日に、水田版は2020年10月3日にそれぞれ放送している。
1990年版
- サブタイトルは「ダルマさんが転んだ帽」
- スネ夫が漫画を自慢する前まで、ジャイアンはリフティングをのび太達に見せていて、のび太はジャイアンにスネ夫が何を自慢しているのかを説明していたため羨ましがってはいなかった。ちなみにはる夫は発売と同時に本屋に行ったが、売り切れた後だったとのこと。
- 先生がジャイアンが漫画を読んでいるのに気づいたのは、しずかが教科書の文章を読み上げた後、その大意を言うようのび太を指したところ、のび太はジャイアンの方を見ていたために答えられなかったため、代わりに指名したから。
- 下校時のび太はしずかと一緒にいて、ジャイアンとスネ夫が話し合いができたことに和んでいたが、自分が当てられたのはお前が答えられなかったからだと言われ、責任を負わされた。
- のび太はちゃんと道具の使い方を説明してから、しずかに貸している。
- ジャイアンは先生と出会う前、歌を歌っていた。
- スネ夫が遊んでいたラジコンはヘリコプターだった。
- ドラえもんはスネ夫の家に向かう途中、気軽に道具を貸し過ぎるとのび太に注意していた。
- ラストでは、原作と同じように上手くいったかに見えたが、ドラえもんがこのことがジャイアンにバレた時のことを話したため、のび太とスネ夫も怖がってドラえもんに助けを求めたが、ドラえもんもジャイアンが怖いと逃げ出してしまった。
2020年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトルでは、ドラえもん以外のメンバーのポーズが違っていて、のび太は顔に手を当ててドラえもんを探している様子で、しずかは逃げたカナリアを追いかけていて、スネ夫はジャイアンを追いかけていた。
- 冒頭ではほんの少しだが、校庭で生徒たちが「だるまさんがころんだ」をしている様子が描かれていて、スネ夫がマナがを自慢していたのは学校の裏の方だった。
- 先生がマナがを取り上げたのは算数の授業中で、ジャイアンの吹き出し笑いで気づいていた。
- 実際にジャイアンがのび太に、「この町を歩けなくしてやる」と脅す場面が描かれていたため、のび太がこのことをドラえもんに言う場面はカットされている。ちなみにこの時ドラえもんは漫画を読んでいた。
- のび太はタケコプターを外していて、普通に校内から職員室に入ろうとし、途中別の先生と出会ったが静止していたため気付かれなかった。このため先生とは廊下で鉢合わせしている。
- 先生が1度目に振り返ったのは電柱の下に咲いている花に気付いたからで、2度目はのび太が空き缶を蹴って音がしたからだった。そしてこの後もトラックが前を通ったことで立ち止まった際も一度振り返っていて、だるまさんがころんだも試して後ろを確かめていた。ちなみにジャイアンに漫画を返したのは店の前だった。
- スネ夫がラジコンをしていたのはうちの庭で、ラストではジャイアンちに先生が向かう様子をみて、「叱られるがいい」とつぶやいていた。